2016年7月22日

『だれもわかってくれない』ハイディ・グラント・ハルヴァ─ソン・著  高橋由紀子・訳 vol.4384

【人間関係がうまくいかない理由がすっきりわかる】
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「どうしたら相手に理解してもらえるか」
「どうすれば相手を理解できるか」

これは、仕事でもプライベートでも極めて重要なことだと思います。

何人かのマネジメントの達人たちの話を聞いてわかったことは、「人はみな違っていて、それを理解することが大切」ということ。

美容室チェーン「Earth」の國分社長は、そのために社内で部活を作り、社員たちを理解するように努めているそうです。

とはいえ、本当にすべての人が違うとすれば、理解するのは困難を極めます。もし、何種類かのタイプがあり、もっとラクに他人を理解できたら…。

そんな欲求に応えてくれるのが、本日ご紹介する『だれもわかってくれない』です。

全米ベストセラー『やってのける 意志力を使わずに自分を動かす』の著者で、コロンビア大学ビジネススクールの社会心理学者、ハイディ・グラント・ハルヴァ─ソン氏が、他者理解のための知見を惜しげもなく披露しています。

※参考:『やってのける 意志力を使わずに自分を動かす』
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さっそく、ポイントを見て行きましょう。

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特に効果的な方法でしかも見逃されがちなのが、心理学者が「superfluous apology(特に必要ではない謝罪)」と呼ぶものです。
これは謝罪の言葉を、自分の非を認めるためでなく、相手の苦労に対する遺憾の念を表すために述べます。つまり、まったく自分のせいでないことに対して謝るわけです(中略)こういう言葉は相手の信頼を明らかに高めます

自制心が足りないことを示すような行動を人前でとると信用度が低下する

能力が低いと思わせることなく温かみを表現するのです。それには温かみの「道徳面」を表に出すことです

◆相手のエゴレンズによるバイアスを和らげる方法
1.謙虚にふるまう
2.相手を肯定する気持ちを伝える 
3.「あいつら」から「自分たち」へ

予防レンズの人は、「失敗するかもしれない」と考えたとたん、一気にモチベーションが上がります

促進レンズの人たちは、ポジティブな言葉によく反応するだけでなく、より抽象的な思考を好み、感情や直感に沿って決断を行ないます。そして心を奮い立たせてくれるようなロールモデル、つまり正しいことをして偉大な成功を享受している人たちから、強い影響を受けます

不安型の愛着を持つ人は、以前に人から捨てられた辛い経験を持っています。ですからまたそういうことが起きうるのだとよく知っています。そこで常に相手にいっそうの親密さを求めるのです(中略)不安型の人のもっともやっかいな一面は、他者の言動を、実際にはたいしたことではないのに、自分に対する失礼なふるまいや冷淡な扱いであると感じとって、大げさに反応することです

回避型傾向のある大人たちは、ストレスがかかるとますます人と距離をとりたいと思うもの

回避型の人からは、温かい態度や支援をあまり期待できません。それを自分に対する敵意や嫌悪の表れだなどと考えないことです

回避型の人たちにやたらと親しみを表すと、警戒されるばかりで喜ばれません。ほどほどの温度を一定に保つことです

依存関係を成功させるには、むしろ互いをよく知らなければならない

誰かが何らかの理由であなたに対して誤った印象を持っているようだというときは、その人との間に相互依存の状況をつくり出すといい

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なかでも、後半の方に登場する「促進レンズの人/予防レンズの人」「安定型/不安型/回避型」の分類は、人間を理解する上で、大きな助けとなるでしょう。

マネジメントに限らず、プライベートの人間関係改善にも役立つ、有用な一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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『だれもわかってくれない』
ハイディ・グラント・ハルヴァ─ソン・著  高橋由紀子・訳 早川書房 

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◆目次◆

はじめに あなたは人からどう見られているでしょう
PARTI 互いを理解するのはなぜこうも難しいのか
第一章 人があなたを理解することは驚くほど難しい
第二章 人は認識のエネルギーをケチる
第三章 他者を判断する二段階のプロセス
PARTII 誰もが持つ、認識を歪める三つのレンズ
第四章 信用レンズ
第五章 パワーレンズ
第六章 エゴレンズ
PARTIII パーソナリティによって変わるレンズ
第七章 モーレツな「報酬追求人間」と、慎重な「リスク回避人間」
第八章 依存心と不安感の強い人、回避的でよそよそしい人
PARTIV 人を正しく理解し、人から正しく理解されるには
第九章 悪い印象を与えてしまったとき、誤解されてしまったとき
おわりに 相手と自分自身を正しく理解する

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