2016年7月21日

『いい努力』山梨広一・著 vol.4383

【元マッキンゼーパートナーが説く、いい努力とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478039585

小学校の時、担任の先生にこんなことを言われた記憶があります。

「いつも本番「だけ」は調子がいいな」

土井は、受験でも全国模試でも本番に強かったため、こんな皮肉を言われており、なぜか頑張っている「だけ」の同級生より低く評価されていました。

いわく「結果より努力が大事だ」と。

もちろん、結果がただの運だったら納得できるのですが、自分なりに本番に焦点を絞って臨んだからこそ、結果が出たのです。

社会人になり、外資系企業、出版業界と結果を求められる仕事に就いたせいか、最近はこういう理不尽なことはなくなりましたが、今でも多くの日本企業では、こういった「精神論」「無駄な努力」がはびこっていると聞いています。

本日ご紹介する一冊は、そんな日本の悪い文化をぶった切ってくれる、痛快な一冊。

元マッキンゼーのパートナーである山梨広一さんが、「いい努力」と「悪い努力」を論じた内容で、現場でどう働けば「いい努力」になるのか、具体的なアドバイスをしています。

まず、本書でいう「いい努力」のポイントをまとめてみましょう。

◆「いい努力」とな何か
(1)成果につながるもの
(2)「目的」が明確なもの
(3)「時間軸」を的確に意識しているもの
(4)「生産性」が高いもの
(5)「充実感」を伴うもの
(6)「成功パターン」が得られるもの
(7)「成長」を伴うもの

じつに明確ですね。

本書では、この「いい努力」をするための仕事のアドバイスが明確になされており、仕事がポイントずれにならない、仕事が速くなる、周囲に認められるようになる、などの効果が期待されます。

「フロントローディング」(前のほうに負荷をかける)の考え方や、「境界条件」(どこまで動いていいか)を意識して働くことの大切さが説かれており、じつに良いアドバイスだと思いました。

現場の若手にとって役立つのはもちろん、マネジャーにとっても、プロジェクト進行のヒント、マネジメントのヒントがたくさんあり、これは「買い」の一冊だと思いました。

さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。

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「人に頼むことも責任」と考える

◆「フロントローディング」(前のほうに負荷をかける)する
ポイント1:情報共有を最初にする
ポイント2:大きな方向性を最初に検討する
ポイント3:面倒くさいことを最初にやる
ポイント4:心理的に負担がかかることを最初にやる
ポイント5:初期段階で人を巻き込む

いい努力に結びつく、生産性が高い思考に必要なのは、「(1)目的 (2)境界条件 (3)課題」の3点セットを押さえることだ

たとえば会社の境界条件として「わが社は直販をしない」「わが社は製造業であって、決して小売りはしない」といったものがあり得るだろう。境界条件のなかには、創業以来変わることのない理念もあれば、「何年か前、当時の社長が経営方針として定めたものがそのまま定着した」というものもある。いずれにせよ、境界条件を知らずに目的を達成しようとすると、悪い努力になる

「いちばん効くレバー」を引く

ステイアヘッド(先を行く)し、一歩リードしていれば、思わぬ問題に対処するゆとりが生まれる。これは勝負どころだという企画書であれば、「締め切り1日前までに仕上げておこう」と先んじることで精度を高められる

いい努力をするには、「人に言われて働いている時間」ではなく、「自分の意思で動いている時間」を増やしていくことが大事だ

提案がクリアで自信があれば、資料は最小限で済む

「この人は会う価値がある」と思ってもらうためには、教養がものをいう。マッキンゼー時代の先輩、横山禎徳さんは多くの会社のトップに信頼されていたが、その理由は仕事の能力だけでなく、哲学から流行のマンガ、クラシックからロックまで語れる知識の豊富さにあった

「カラフルなスケジュール」で動く

目的を単純化するには、ヒドゥンアジェンダ(隠れた動機)を捨てること、つまり腹をくくることだ。「あっちもこっちもうまくやりたい」というのが人情だが、いちばん大切な目的は何かを考えよう

「正しい相手」から「正しい力」を借りる

議事録は、会議で決定したことを確認し、「次の行動」をつくるツールであるべきだ

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個人的には、積極的に動いて<「レバレッジ」される>人間になろうと思いました。

どんな人間でも、働き方にはムダがあるし、日々、見えない機会損失をしている。

もっと成果を出すために、目的に向かって邁進するために、ぜひ読んでおきたい、土井おすすめの一冊です。

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『いい努力』山梨広一・著 ダイヤモンド社

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◆目次◆

第1章 努力の質を変える
第2章 いい努力を生み出す思考法
第3章 いい努力につながる時間術
第4章 いい努力を進化させる
第5章 人と一緒にいい努力をする

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