2016年5月13日

『プロ・トレーダー マーケットで勝ち続ける16人の思考と技術』 ティム・ブールキン、ニコラス・マンゴー・著 vol.4315

【個人投資家に】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822250636

ビジネスで成功するには、人間本来の性向に逆らう必要があります。

その性向とは、「自分の思い通りにやりたい」ということ。

しかし、マーケティングにしろ、投資にしろ、大切なのは「市場の動きについていくこと」。

市場の心をとらえることの重要性は、多くの成功者が口にしています。

本日ご紹介する一冊は、マーケットに身を置き、投資家として勝ち続ける16人に、現役トレーダーがインタビューしたインタビュー集。

名著『マーケットの魔術師』に比べると、若干見劣りはするかもしれませんが、市場で勝つための心構え、規律が説かれています。

※参考:『マーケットの魔術師』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4939103404

16人はテクニカル分析を重視する短期トレーダーで、ファンダメンタルズ重視の投資家とは思想が違いますが、だからこそ勉強になる部分もあると思います。

いわく「マーケットの価格を動かしているのはファンダメンタルズではなく、市場参加者が将来何が起こると思っているかという集団心理」(トッド・ゴードン)

そういう視点で見て行けば、なかなかに面白い一冊だと思います。

16人すべてはご紹介できませんが、名言の多かったリンダ・ラシュキさん、ボリンジャーバンドの考案者ジョン・ボリンジャーの言葉を中心に、気になったポイントをご紹介しましょう。

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◆トレーダーとして成功するための心得(ジョン・ボリンジャー)
(1)身のほどを知ること
(2)テクニカル分析の歴史を勉強すること
(3)数学の基礎を学ぶこと
(4)簡単なプログラミング言語──たとえばPython──を学ぶこと
(5)規律を重んじること
(6)ポジションの大きさに細心の注意を払うこと
(7)レバレッジと友だちにならないこと
(8)楽しむこと

自分さえ正しければマーケットは思い通りに動くなどと思い上がっているようでは、身を滅ぼすことになるでしょう。ベテラントレーダーの多くは、「個人の支払能力よりもマーケットの非合理性のほうが永続する」という格言を身をもって理解しています(トッド・ゴードン)

マーケットの価格を動かしているのはファンダメンタルズではなく、市場参加者が将来何が起こると思っているかという集団心理なのです。エリオット波動は、トレンドの各段階で人々が何を予想するかを示してくれる、一種のカンニングペーパー(トッド・ゴードン)

誰でも最初は、ある特定のマーケットに専念してトレーディングのスキルを身につけなければなりませんが、やがて自分の資本が増えていくと複数のマーケットでポジションを持てるようになります。たとえば、株式の現物から始めて、通貨、金、原油へと領域を広げていくのです(リンダ・ラシュキ)

私が常に念頭に置いているテクニカル要員は、前回のスイングハイとスイングローです。プライスがとにかく大切なのです。プライスが過去に変化した領域は、再びプライスが変化する領域と重なる可能性が高いからです(リンダ・ラシュキ)

「タイムリーなエグジットで難を逃れる」ことに価値がある(リンダ・ラシュキ)

原油、金、株式オプションなど、流動性が低いために大手ヘッジファンドが積極的に取引していない市場には、個人トレーダーにとってのチャンスがあふれています(ジョン・カーター)

むしろ、ファンダメンタルズのバイアスが自分のトレードに入り込まないように注意しています(パトリック・ヘミンガー)

どんなマーケットを選んだとしても、自分の思い通りには動いてくれません。トレーダーとして生き残っていくためには、マーケットの動きに自分を合わせることが必要(ドン・ミラー)

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各人のトレード手法、注目している指標などは本文を確認していただくとして、本書には心構えの書としての価値があると思います。

16人にインタビューしてまとめた「成功するための20の習慣」も巻末に載っており、個人投資家にとって重宝する内容だと思います。

ぜひチェックしてみてください。

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『プロ・トレーダー マーケットで勝ち続ける16人の思考と技術』ティム・ブールキン、ニコラス・マンゴー・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822250636

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◆目次◆

序文 ジョン・ボリンジャー
第1章 トレードをプランし、プランをトレードせよ(トッド・ゴードン)
第2章 大切なのは「ゴール」ではなく「ルール」(リンダ・ラシュキ)
第3章 マネーに集中するな、ゲームに集中しろ(セルジュ・バーガー)
第4章 重要なのは「マーケットの声」に耳を傾けること(アレックス・フォスター)
第5章 信じられるのは目の前のプライスだけ(デレク・シミング)
第6章 マーケットでは自分の感情を信頼してはいけない(ピーター・ブラント)
第7章 英国海軍の規律をトレーディングに活かす(ロブ・ウィルソン)
第8章 成功のカギは規律とルーティン(ジョン・カーター)
第9章 キャリアウーマンから転身しフィボナッチの第一人者に(アン・マリー・ベインド)
第10章 プライスとボリュームに注目し自分のチャンスを探す(ジェフ・ホワイト)
第11章 商品先物市場に特化し「スプレッド」を狙う(パトリック・ヘミンガー)
第12章 取引の相手方に回り利益を引き出す(ドン・ミラー)
第13章 トレンドフォローの売買を「完全自動化」(チャールズ・ジャーマン)
第14章 心理学のアプローチで市場の感情をトレード(アンドリュー・メネカー)
第15章 トレーディングの最終目標は「儲けること」(ブライアン・ランド)
第16章 徹底的な検証と分析を利益につなげる(マイケル・トマ)
第17章 プロ・トレーダーに学ぶ「成功するための20の習慣」

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