2016年3月20日

『語彙力こそが教養である』齋藤孝・著 vol.4261

【知性ある話し方をするための勉強法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4040820126

以前から漠然と感じていた、「デキる人はデキる人に惹かれる」という現象。

最近は、この原因がどうも「語彙力」にあるんじゃないかと思うようになっています。

見た目も大事なんですが、服をオシャレにしてバッチリメイクをしても、やっぱり知性というのは自ずとにじみ出てしまう。

事実、NHKラジオ「実践ビジネス英語」の杉田敏先生は、以前、エリエスで行われたセミナーで、知性というのはボキャブラリー(語彙力)だとおっしゃっていましたし、以前「入門ビジネス英語」の講師を務められていた関谷英里子さんは、単語の使い方で評価が変わるとして、ビジネスエリートの語彙を『ビジネスパーソンの英単語帳』にまとめられています。

※参考:『NHKラジオ 実践ビジネス英語』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BCF8XGY
※参考:『ビジネスパーソンの英単語帳』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887597819

おそらく、人は相手がどれほどの人物か、話す言葉(=語彙力)によって判断しているのだと思います。

グローバル人材教育の池田哲平さんが、著書『クオリフィケーション思考』に、ビジネスパーソンのDo’sとDon’tsをまとめられていましたが、まさに、語彙や作法がわからない人は、デキる人の輪に入れてもらえる資格(=クオリフィケーション)がない、ということなのだと思います。

※参考:『クオリフィケーション思考』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/476127106X

本日ご紹介する一冊は、この「語彙力」をテーマに、どうやって教養を高め、語彙力を身に付けるか、ベストセラー作家で明治大学文学部教授の齋藤孝さんがまとめています。

著者おすすめの語彙力の磨き方、読むべき本、チェックすべきテレビ番組などが紹介されており、本文中に手ごわい単語、高度な言い回しが登場します。

具体的にどんなことが書かれているのか、さっそくチェックしてみましょう。

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語彙力を身につけることは、いままで8色でしか表現できなかった世界が、200色で表現できるようになるということ

判定基準はいたってシンプルです。それは、「複数のことがらをひとつの言葉で表現しようとするか否か」。語彙が少ない、教養が乏しいと感じる人は、とにかく言葉の選び方が「省エネ」なのです

引用は「教養のアウトプット」である

現代で言えば、高層ビルのレストランで年輩の取引先を接待しているとき。「すばらしい眺めだなあ」と言われて、とっさに「値万両、ですね」と返せるのも引用力です。歌舞伎の『楼門五三桐』の中の「絶景かな、絶景かな。春の眺めは値千金とは小せえ、小せえ。この五右衛門には値万両、最早陽も西に傾き、誠に春の夕暮れに花の盛りもまた一入、はて、うららかな眺めじゃなぁ」という有名なセリフを踏まえてのものです

「耳で聞いた単語を反射的に漢字変換できるかどうか」が、自分の語彙力を測るひとつのポイント

「げんがくてき」で言えば「衒」に「見せびらかす」という意味があり、「弦」には「楽器に張る糸」という意味があると知らなければ、脳内で正しく変換・選択できませんよね

◆どこかで触れたことのある言葉が「消極的な語彙」になってしまう理由
・実際に使った回数が少ないこと
・言葉の由来を知らないこと

「彼には周りがついていかないね」と言うより、「笛吹けど踊らず」を使って、「あの人は一生懸命笛を吹いているけれど、部下がなかなか踊らないねえ」と言ったほうが、その独り相撲の様子を見事に表現できます

一流の書き手による文章は、「考え方と語彙がセットになっている」

春秋戦国時代、諸侯が集まって同盟を結ぶときには、中心人物である盟主が牛の耳を裂き、生き血をすすって忠誠を誓い合っていました。このことから、同盟の盟主になることを「牛耳を執る」と呼ぶように。さらにそこから転じて、組織や集団を思いのままに動かすことを「牛耳る」という言葉で表現するようになった

小学校の国語6年分の教科書よりも、『坊っちゃん』1冊を繰り返し声に出して読んだほうが、よっぽど日本語力はつくのではないか

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通常の厚さの新書ではありますが、これ一冊読むだけで、教養ある日本語が身に付くように工夫されています。

それぞれの単語のルーツまで遡って解説しているので、バッチリ深いところまで理解できると思います。

これで840円は格安ですので、ぜひ買って読んでみてください。

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『語彙力こそが教養である』齋藤孝・著 KADOKAWA
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◆目次◆

第1章 教養は言葉の端々に表れる
第2章 語彙力アップには名著が近道
第3章 テレビやネットでも言葉は磨ける
第4章 8つの訓練で「使える語彙」にする
第5章 洗練された言葉づかいを身につける

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