2016年2月14日

『30年売れて儲かるロングセラーを意図してつくる仕組み』 梅澤伸嘉・著 vol.4226

【これぞ王道】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4891013702

さまざまな経営者の言葉を引用するまでもなく、企業にとって、安定収益をもたらすロングセラー商品は、ぜひとも欲しい存在。

それが、新市場を開拓してくれる画期的新商品なら、なおさらです。

もし、そんな画期的商品を意図して作る方法があったとしたら、どうでしょうか?

本日は、昨日に続きロングセラー商品、定番商品開発のための書籍をご紹介します。

『30年売れて儲かるロングセラーを意図してつくる仕組み』は、これまでに数多くのロングセラー商品を手掛けてきた梅澤伸嘉氏が、その独自の商品開発手法を公開した、注目の一冊。

お値段は1万5000円と、少々値は張りますが、ロングセラー商品がひとつできた時のインパクトを考えれば、安いものでしょう。

ちなみに、著者がこれまでに手掛けたロングセラー商品は以下の通り。確かに、すごい商品が並んでいますね。

・「サンスター トニックシャンプー」
・虫除けの「スキンガード」
・風呂釜洗浄剤「ジャバ」
・カビ取りスプレー「カビキラー」
・天ぷら油処理剤「固めるテンプル」
・「禁煙パイポ」
・「写ルンです」
・「おなまえスタンプ」
・「塗るつけまつげ」
・「スタイルアップパンツ」

本書には、そんな著者が開発した、ロングセラー商品開発のためのメソッドがぎっしり詰まっています。

さっそく、内容をチェックして行きましょう。

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企業を長く繁栄させる唯一のものは、消費者満足であり、他はすべて影にすぎない

見えない強いニーズを発掘するためには、お客様の行動を見つめること

「未充足の強い生活ニーズ」を明らかにする

「新カテゴリー名」を発明する

◆新カテゴリー名の3つの条件
1.従来ない商品のイメージを明らかに与える
2.何であるか、何の目的で使うかよくわかる
3.1、2を充たした、最短の名詞

コンセプト(C)とパフォーマンス(P)は商品力の車の両輪

◆「行動分析法」2つの観察対象
1.行動そのもの
2.行動の結果の産物(冷蔵庫の中身、ごみ箱の中身など)

「サンスター トニックシャンプー」の例では、行動観察室を設置し、男性、女性社員の洗髪行動を観察し、男性と女性の洗い方の違いから男性のニーズを発見した

多くの人(N)が、頻繁に(F)行ない、大きな問題(P)をもっていると推測される行動を探す

◆充足手段(行動)を否定する(行動反転)
「まつげを長く見せたい」という多くの女性が感じる生活ニーズを充たす手段として、つけまつげをつけるという行動がありましたが、この行動を否定して、「まつげを長く見せたい」という生活ニーズにくっつけると、「つけまつげをつけなくても、まつげを長く見せたい」という未充足の強い生活ニーズになります

◆行動に伴う「問題」を解決する(問題反転)
今まで生活ニーズを充たすためにやっていた行動には、何かしらの重大な「問題」がありました。この「問題」をクリアして生活ニーズを充たしたい…と考えると、未充足の強い生活ニーズを発掘できます。これを「問題反転」と言います

「鳴かぬなら鳴かない方がよいホトトギス」(メラキア発想Aタイプ)
「鳴かぬなら鳴かなくてもよいホトトギス」(メラキア発想Bタイプ)

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「塗るつけまつげ」は、もともと「液体つけまつげ」だったなど、開発秘話も満載で、じつに読み応えがありました。

単なるノウハウではなく、いざ実践する際に必要となるシート類も完備されており、価格以上の価値はあると思います。

「色を変えてみたら」「色を増やしてみたら」など、アイデア発想のヒントをまとめた「梅澤式発想チェックリスト」も参考になりました。

骨太な目的を持った本だけに、紹介されている手法も安直なものではありませんが、社長以下、本腰を入れて取り組める企業にとっては、重要な示唆を与えてくれる本だと思います。

1万5000円は、あなたのやる気を試す「踏み絵」。

本気でロングセラー商品作りに取り組みたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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『30年売れて儲かるロングセラーを意図してつくる仕組み』
梅澤伸嘉・著 日本経営合理化協会出版局
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4891013702

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◆目次◆

第I篇 30年売れ続ける「新市場創造型」商品・サービスを創り出せ
1章 「新たな収益源」で成長のカベを突破する
2章 「新収益源」なくして成長なし
3章 MIP商品づくりの実務手順=成功のロードマップ
第II篇 最強の売りモノを意図してつくる梅澤メソッド
4章 MIP商品・サービスのコンセプトづくり
5章 商品コンセプトに合わせたパフォーマンスづくり
6章 商品コンセプトの「見える化」
7章 社長としての「MIP推進」5つの経営留意点
第III篇 世にない独創的アイデアを実現する「梅澤式カベ突破法」
     メラキ直りの発想
8章 メラキ直りによる「カベ突破術」22
9章 「メラキ直り」によるカベ突破3社の実例
第IV篇 梅澤メソッド実践シート
第V篇 自分のこころに耳を当てる

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