2015年8月16日

『最高の答えがひらめく、12の思考ツール』 イアン・アトキンソン・著 vol.4044

【ひらめく12の思考ツール】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861009901

「3つの◯◯」「5つの◯◯」「7つの◯◯」「12の◯◯」…。

いいかげんわかり切った手法ではあるのですが、いまだにこんなタイトルの本があると手に取ってしまいます。しかも、その◯◯が具体的であった時は、特にそうです。

本日ご紹介する一冊は、コミュニケーション・コンサルタントとしてエイビス、バークレイズ、ダイソン、ジャガー、ロイズ、マクミラン、ナショナルジオグラフィック、トヨタなど、数多くの有名企業を指導する著者が、問題解決のためのクリエイティブ思考を説いた一冊。

タイトルにもなっている「12の思考ツール」とは、タネを明かすと以下の通りです(目次にもなっています)。

1 問題を大きくする Think bigger
2 他人になる Think like another
3 反逆する Be contrary
4 制約を受ける Be constrained
5 選択肢を設計する Choice architecture
6 古い+古い=新しい Old + old = new
7 逆行分析する Reverse engineering
8 問題を回避する Sidestep the issue
9 ランダムを挿入する Random insertion
10 精査し、推定する Interrogate and extrapolate
11 シンプルな解決をする Solve something simpler
12 組み合わせ、再定義する Combine and redefine

かなりの部分、いわゆるアイデア発想系の本に書かれている内容ですが、解説や事例がビジネス寄りでいい。

さっそく、気になったポイントを見てみましょう。

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ギネスビールの困ったところは、1パイント注ぐのに2分かかるところだ。はじめに45度の角度で少し注ぎ、休ませてから、残りを注ぐ。何とも面倒くさい話だ。(中略)そんなときには、物の見方を変えるのだ。「インスタント・ギネス」を開発しようと考えるのではなく、時間がかかるという特徴を、短所から長所に変える。「待つ人にはいいことがある」というスローガンを使って。

脳に新たな予期しない関連づけをさせ、予期されたパターンマッチから逸脱させるのだ

◆問題解決の6段階のプロセス
1.問題を識別する
2.問題を体系化する
3.可能性のある解決策を探す
4.決断する
5.実行する
6.チェックする/フィードバックを求める

「この背後にあるさらに大きな問題は何だろう?」、「なぜこれが問題なのか? 私たちが達成したいことをより広い視野で見るとどうなるのか?」という問いを投げかけて、より広いレベルへと移行

Wiiはパワーで勝負しなかった。「速いほど良い」というしきたりに疑問を投げかけた。あえて逆らって考え、パワーはないものの、より安く、より入手しやすいゲーム機を発売した。(中略)この反逆する戦略が功を奏した。マイクロソフトのXbox 360の売り上げは約7700万台。ソニーのPS3の売り上げは約7500万台。それに比べて任天堂のWiiの売り上げは1億台以上

◆自分に制約を与える方法 ※一部紹介
「解決策に費用がかかってはいけない」
「解決策は1日以内に実行できるものでなくてはならない」
「解決策は他に例のない、初めてのものでなくてはならない」
「解決策は議論の的にならなくてはいけない」
「解決策は既存の要素を取り除くものでなくてはならない」
「解決策は技術的なものであってはならない」

問題から始めて「直す」方法を探すのではなく、問題を無視し、自分が望む状態から考えればよいのだ

私たちは本当にこの問題を解決しなければならないのか?

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著者は元々コピーライター、クリエイティブ・ディレクターということで、いわゆるクリエイティブ系の問題解決手法、アイデア発想法、コミュニケーションのTipsが説かれています。

よくまとまっているので、企業研修用の教材としても、重宝するのではないでしょうか。

ぜひチェックしてみてください。

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『最高の答えがひらめく、12の思考ツール』イアン・アトキンソン・著 BNN
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861009901

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◆目次◆

PARTI:インサイト
イントロダクション
あなたの脳はここで間違える

PART II : イノベーション
イントロダクション
1 問題を大きくする Think bigger
2 他人になる Think like another
3 反逆する Be contrary
4 制約を受ける Be constrained
5 選択肢を設計する Choice architecture
6 古い+古い=新しい Old + old = new
7 逆行分析する Reverse engineering
8 問題を回避する Sidestep the issue
9 ランダムを挿入する Random insertion
10 精査し、推定する Interrogate and extrapolate
11 シンプルな解決をする Solve something simpler
12 組み合わせ、再定義する Combine and redefine

PART III : インスピレーション
イントロダクション
1 準備 Preparation
2 創出 Generation
3 発展 Development
4 実施 Implementation

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