2015年5月14日

『稼ぐまちが地方を変える』木下斉・著 vol.3950

【まちを変えるビジネス思考とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140884606

少子高齢化社会。オリンピックの一時的な景気はあるとはいえ、経済縮小の気配をひしひしと感じるなかで、何をすればいいかまったくわからない、という人は多いのではないでしょうか。

しかし、どんなに一方的な負け試合でも、ホームランを打つ選手は必ずいる。

同様に、どんなに閉塞感があっても、必ず糸口を見つけている人間はいるものなのです。

本日ご紹介するのは、まちビジネス投資家/事業家として、全国のまちおこしを手掛け、目覚ましい成果を上げている木下斉(きのした・ひとし)さんによる、まちおこし成功の法則。

経営学の理論を活用して、どこまで社会を変えることができるのか、ビジネスサイドの人間としては、興味深いところです。

すべてのビジネスは、需要を考えることから始まるわけですが、このまちおこしのケースでは、まち会社の顧客(まちおこしの主体)を不動産オーナーと見立て、実行したのが画期的でした。

ノウハウ的には、全体の約3分の1の紙数を使って説明されている<まちづくりを成功させる「10の鉄則」>をはじめ、ビジネスでも活かせる視点が満載で、良い思考トレーニングになります。

いくつかポイントを見て行きましょう。

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重要なのは、お金を出すことが「損」ではなく「得」になるようなシステムをつくること。説得力を持つのは、やはりしっかりとした事業性です。これはかつて、早稲田商店会の会長から教えられていたことでもあります。仕事のうえで相手に信用されたいなら、「最終的には儲かりますよ」と口説いてもダメ。「自分の利益を確保したうえであなたにお金を払いますよ」と言ってもダメ。まずは、事業をつくり、相手に三回得をさせれば、信用してくれる

誰かカリスマ的または強権的なリーダーがいて、その人が頑張り続けないと維持できないシステムは脆い

海外では「BID(Business Improvement District)」と呼ばれているもので、特定の地域において不動産オーナーが固定資産税のようなかたちで負担金を出し合い、地域を改善する事業に投資し、資産価値を上げるという仕組みです。地域再生において、アメリカをはじめ、イギリス、ドイツやオーストラリアやニュージーランドなど世界各国で採用されている政策・事業です

アメリカ・ニューヨーク州などの場合には、設定する地区の床面積全体のうち、五一%の不動産オーナーがその事業に賛成すれば、残り四九%が反対しても負担金を五年間拠出させられる

◆まちづくりを成功させる「10の鉄則」
1.小さく始めよ
2.補助金を当てにするな
3.「一蓮托生」のパートナーを見つけよう
4.「全員の合意」は必要ない
5.「先回り営業」で確実に回収
6.「利益率」にとことんこだわれ
7.「稼ぎ」を流出させるな
8.「撤退ライン」は最初に決めておけ
9.最初から専従者を雇うな
10.「お金」のルールは厳格に

例えば一〇のカテゴリーがあったとします。一つの場が一〇を揃えるよりも、一に特化した場が一〇あるほうが、まちとしてよほど魅力的ではないでしょうか

事業の立ち上げで失敗しないコツの一つは、全てにおいて「営業」を優先することです

高粗利業態を集積する

資金を全て地元外から調達したとしたら、地元経済にとってのメリットは急減します

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ビジネスにおいて役立つのはもちろんですが、何よりも、こんな志を持って、これまでとまったく違うアプローチで、社会を変革しようと考える人がいる、という気づきが得られるのが心強い。

ぜひチェックしてみてください。

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『稼ぐまちが地方を変える』木下斉・著 NHK出版
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◆目次◆

はじめに
序 章 学生社長、ハゲる
第一章 まちから「利益」を生み出そう!
第二章 まちづくりを成功させる「10の鉄則」
第三章 自立した「民」がまちを変える
おわりに
【付録】まちを変える10の覚悟

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