2015年5月19日

『発想法の使い方』加藤昌治・著 vol.3955

【『考具』著者が教える発想法の使い方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532113326

ニューヨークの売店で、「REAL ESTATE WEEKLY」なるニッチな新聞が売っていたので、買って読んでみました。

なぜジャンル違いのものを読むのかというと、それは意外なアイデアの掛け合わせを期待しているから。

本当にアイデア体質になるためには、普通とは違う掛け合わせが必要だということを、身にしみてわかっているからです。

ところが、このアイデア発想の「基本中の基本」を実践している人は、意外と少ない。

クリエイティブを目指す若い人に限って、好きなことやカッコイイことに固執するため、意外なアイデア、ニーズを掘り起こすことができないでいるのです。

せめて簡単でもいいから、アイデア発想の基本を学んでいただきたい。

そんな老婆心からご紹介するのが、本日の一冊『発想法の使い方』です。

本書は、ベストセラー『考具』の著者であり、博報堂でマーケティングPR領域、コーポレートPR領域の戦略・企画立案、実施を担当している加藤昌治さんが、発想法の基本を実践者の視点から紹介した一冊。

ひとつひとつの発想法を総花的に紹介する従来のアイデア本とは違い、著者が実際に使っているやり方、使ったやり方を中心に、どうすればアイデア発想の糸口をつかめるか、実践面のノウハウが書かれています。

さっそく、いくつかピックアップしてみましょう。

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◆四則演算で組み合わせる
足し算 月見そば=かけそば+卵
引き算 10~15分で終わる床屋さん=床屋さんのフルサービス─洗髪─髭剃り
掛け算 サインペン8色セット=サインペン×黒、青、水色、緑、黄、ピンク、赤、茶 
割り算 住宅ローン=3500万円の一括払い÷30年(360回)

◆属性列挙法
課題の「属性」を書き出します。
・名詞(的属性)──全体、部分、材料、製法
・形容詞(的属性)──性質
・動詞(的属性)──機能

◆マンダラート
・9つのセルでできているマンダラですが、基本は「真ん中のセルが質問、周囲8つのセルが答え」という構造になっています
・最初のマンダラに書いた8つのセルすべてにおいて、マンダラをつくってみる
・仮に第2階層を8つ作れたとします。そうしたら埋めたセルの合計は8×8=64個

◆形態分析法
まず、対象(課題)が持つ属性(独立変数:パラメーター)を挙げます。お酒について検討するとしたら、「材料」「味」「用途」など。あくまでもアイデアを求めるためのキッカケですから唯一の正解はありません。続いて、独立変数(パラメーター)ごとに、可能性をリストアップ。その乗数の個数だけアイデアが生まれます

◆死者の書
・「死者の書」を見ながら、直観的に気になった象形文字を1つ、選びます
・選んだ象形文字を「わがまま」に見た目から解釈してください
・象形文字の解釈とお題とを関係づけて、アイデアに結びつけます

◆カラーバス
・対象(課題)を決めます
・まず「色」を1色決めます
・街を歩きながら、あるいは電車など公共交通機関に乗りながら、クルマだと基本助手席や後部座席から、「自分が決めた色のついた物」だけを探します
・決めた色がついていたもの自体や、それに書いてあった文字や数字から思いつくことを連想してください
・連想でアタマの中から出てきた「既存の要素」とお題とを絡めてアイデアにならないかな? とアレコレ考えます

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注視していない発想法に関する説明はいかにも淡白ですが、実際の使い方がきちんと書かれているので、実践したい方には参考になると思います。

ぜひチェックしてみてください。

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『発想法の使い方』加藤昌治・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532113326

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◆目次◆

はじめに──「数、数、とにかく数! でいいんだ、ってこと」
第1章 アイデアを出しやすくなる3つの前提
第2章 アイデアを出す1──課題を細かく分割する
第3章 アイデアを出す2──課題をいったんズラす
第4章 アイデアを出す3──論理的に問いかける
第5章 アイデアを出す4──直観的に問いかける
第6章 アイデアを描く
第7章 チームでアイデアを出す
おわりに──アイデアを出すなんて簡単!
引用・参考文献
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