2014年12月13日

『真面目な人は長生きする』岡田尊司・著 vol.3798

【長生きするのはどんな人?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344983572

本日の一冊は、精神科医で作家の岡田尊司氏が、ターマン、フリードマンの研究成果をベースに、どんな人が長生きするのか論じた一冊。

長寿社会に入り、ビジネスマンの現役延長が叫ばれるなか、一体どんな人が長生きするのか、どんな要素が長寿につながるのかを明らかにしており、じつに興味深い内容です。

本書によると、タイトル通り『真面目な人は長生きする』ようで、慎重さや勤勉さ、誠実さ、倹約は長寿につながる性格傾向のようです。

世間の常識からすると意外な主張も多く、たとえばうつ病になりやすいタイプが、じつは健康で長生きするチャンスが大きかったり、逆に子ども時代に陽気な人は、短命になる可能性があるそうです。

また、小さなことでも大騒ぎする「ヒステリー性格」がガンになりにくかったり、心配性の男がむしろ長生きしやすかったり、本当に現実はわからないものです。

これから結婚を考えている方には、以下の記述が役立つでしょう。

<ずっと年上の女性と結婚した男性は死亡リスクが増大したが、逆に自分より七~九歳若い女性と結婚した男性は、死亡リスクが一一%減少したという。女性では、少し事情が違う。ずっと年上の男性
と結婚した場合、男性同様、寿命が縮まる傾向が認められたが、自分より七~九歳年下の男性と結婚した場合も、寿命が延びることはなく、逆に死亡リスクが二〇%も高まったという>

また、子ども時代に成功へのモチベーションの高かった人は、あまり成功しなかった場合でも、死亡率が抑えられる傾向にあるということで、やはりやる気があるのは良いことのようです。

長生きすれば良いというものではありませんが、コンディション作り、生き方のヒントとして、読んでおきたいところです。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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うつ病を予測する因子として認められたのは、(1)怒りの感情にとらわれやすい、(2)肯定的な感情が乏しい、(3)伝統や慣習を軽視する、(4)文化的関心が乏しい、の四つであった

生真面目で律儀で責任感が強いタイプは、ある面で無理をし過ぎてうつ病になりやすいといった面をもつにもかかわらず、もっと長期的に、かつ全体で見ると、成功し、安定した家庭を手に入れ、健康で長生きするチャンスが大きい

科学者タイプの人が、ビジネスマン・タイプの人よりも長生きした

社交性は長寿に無関係だとしても、愛着の安定性は寿命や幸福に影響する。愛着の安定性がすぐわかる指標は、一つには親との関係が安定しているかどうかということである。親と疎遠だったりケンカ
ばかりしている場合はもちろんのこと、親に対して過度に気を遣ったり、サービスしようとする場合も、要注意だ

ガンになりにくい性格として興味深いのは、ヒステリー性格というタイプだ。ヒステリー性格は演技性パーソナリティとも呼ばれ、小さなことでも大騒ぎし、激しくアピールするのが特徴だ

屋外での活動やスポーツを好む女性と、庭いじりや読書や手芸を好む女性を比べた場合、意外にも、家の中でおとなしく過ごすのを好む女性の方が、平均寿命が長いのである

社会的に成功し、高齢まで健康で活躍している人の大きな特徴は、死についてほとんど語らないということだった

◆両親の離婚によるマイナスの影響を避けるには
・安定した結婚
・仕事に対してやり甲斐を味わう

ジョギングする人では死亡率が大幅に下がり、平均して男性で六・二年、女性で五・六年寿命が長くなると予測された

カロリー制限は中年期に始めるのが有効

高度な肥満は確かに寿命に悪影響だが、痩せようとして筋肉量を低下させてしまうと、それはもっと寿命を縮めてしまう

ずっと年上の女性と結婚した男性は死亡リスクが増大したが、逆に自分より七~九歳若い女性と結婚した男性は、死亡リスクが一一%減少したという。女性では、少し事情が違う。ずっと年上の男性と
結婚した場合、男性同様、寿命が縮まる傾向が認められたが、自分より七~九歳年下の男性と結婚した場合も、寿命が延びることはなく、逆に死亡リスクが二〇%も高まったという

子ども時代に成功へのモチベーションの高かった人では、あまり成功しなかった場合にも、死亡率が抑えられる傾向

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『真面目な人は長生きする』岡田尊司・著 幻冬舎
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344983572

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◆目次◆

はじめに 薬や健康食品では長生きできない
第一章 寿命は何を語るのか
第二章 あなたは長寿性格か?
第三章 その性格が寿命を縮める
第四章 命を縮める破局的思考
第五章 親の離婚は子どもの寿命を五年縮める
第六章 寿命を延ばす運動と食事
第七章 結婚は寿命を延ばすか、縮めるか
第八章 成功や達成感は寿命に影響するか
第九章 社会との絆と寿命
第十章 命を縮めるストレスとトラウマ

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