2014年12月23日

『残酷な20年後の世界を見据えて働くということ』 岩崎日出俊・著 vol.3808

【20年後の働くヒント?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797380454

本日の一冊は、日本興業銀行、スタンフォード大学MBAを経て、J.P.モルガン、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズ等を渡り歩いてきた著者が、これから20年の働き方を指南した一冊。

織機から自動車へのトランスフォーメーションを果たしたトヨタ、一見無関係なカリグラフィーの勉強が成功のきっかけとなったスティーブ・ジョブズなどの例を挙げつつ、変化することの重要性を指摘。

また、未来学者のレイ・カーツワイルや、ニューヨーク市立大学大学院センター教授のキャシー・デビッドソンの言葉を引用しながら、明日のビジネス、就職のヒントを述べています。

レイ・カーツワイルによれば、<2030年代には、人間の身体は生物よりも非生物に近いものになっている。リバースエンジニアリングと再設計技術の進化により、人間の脳内の情報さえもコンピュータ
ーにコピーできるようになる>そうで、IoT(モノのインターネット化)どころか、人間のインターネット化が進んできそうです。

また、キャシー・デビッドソンによれば、<20年後、65%の人が今は存在していない職業に就く>。

本書では、証券マン(証券レディ)が13万2000人から8万6000人に減った事実や、無人レジの普及、空港でのスキップサービス、アマゾンのドローン配達などを挙げ、人間が不要になる世界を描き出しています。

金融的な視点から富を築くためのヒントも提供しており、なかでもエクイティの力(Power of Equity)の視点は参考になりました。(ハリウッド俳優やスポーツ選手がフォーブス億万長者に名を連ねないのは、Power of Equityを使っていないから)

明日のビジネス、仕事のヒントとして、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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織機から自動車へのトランスフォーメーション(変身)は、リスクが高すぎると批判されたのである。主力取引銀行の一つであった住友銀行は「機屋には貸せても、鍛冶屋には貸せない」との有名な言葉を残し、融資を拒絶。トヨタは倒産の瀬戸際まで追い詰められ、喜一郎は社長を辞任。57歳の若さで急逝してしまう。結局のところ、喜一郎に先見の明があった(そして住友銀行にはなかった)

20年後、65%の人が今は存在していない職業に就く

人類が行ってきた仕事のかなりの部分を、コンピューターなどが担うようになると、人々はより多くの自由な時間を持つことができるようになるかもしれない。そうなると創造とか芸術、スポーツの世界がいま以上に重要性を増してくるだろう

迷った時は難しい道を選べ

決断を遅らせれば選択肢が減る

ずばり2点。「他人を思いやる心」と「謙虚さ」だ。とくにエリートで一見成功している人ほど、この2つをキープし続けることに留意すべきだ

時価総額が武器になるということは、諸刃の剣だ。これから先の日本では、グローバル資本主義のもとでの「戦い方」を熟知した外国企業が、「無防備」な日本企業を買収してくるようになる

株式には、その会社が稼ぎ出す将来収益を現在に取り込んで評価するという性質がある。フォーブスのリストに載るような世界の富豪たちは、誰もが、エクイティの力(Power of Equity)を存分
に利用して(すなわち将来の収益さえも現在の価値に取り込むことによって)、巨万の富を築くことに成功した

◆4つの信号 ※すべて赤信号の時は、違う道を行くことを検討
1.この経験は自分自身を成長させるのに役立つか
2.自分のやっていることは意味のあることか
3.このハードワークはいつまで続くか、予想がつくか
4.きちんとした年収なり将来の約束(社会的地位、天下りなど)で処遇されているか

楽天創業メンバーの一人として相当の個人資産を手にしたはずの本城。しかし彼によれば「お金がハードルになることだってある」と言う。(中略)お金を持っていると、遠くのものには手が届くんです。(中略)でも、お金があっても、深いところには、手が届かないんです

インド出身の米国シリコンバレーの起業家、ラジ・デ・ダッタ(39歳)が、LinkedIn(リンクトイン:ビジネス特化型ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のサイトに「あなたの20代をグーグ
ルやマッキンゼーで無駄にするな」と投稿したところ、アクセスが集中、2ヶ月間で41万人を超えるビューアーを獲得した

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『残酷な20年後の世界を見据えて働くということ』岩崎日出俊・著 SBクリエイティブ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797380454

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◆目次◆

第1章 今から20年後の世界人口は87億人。一方でシビアな状況を迎える日本
第2章 勃興する成長産業に目をつけろ
第3章 パイ(売上高と営業利益)が大きくなる企業の見抜き方
第4章 なくなる職種、絶対なくならない職種、新たに求められる職種
第5章 狩猟的職業選択のススメ、定住的職業選択のリスク
第6章 バイリンガル的な語学力は必須 そのうえで差がつくスキルとは
第7章 未来情報を織り込むマーケットと向き合い、胆力と察知力を身につける方法
第8章 年収1000万円超になっても、「激務」だけが残る働き方を目指すべきではない
第9章 「働きがい」を因数分解しながら、さらなる成長を目指せ
第10章 苛烈な資本主義(レッドオーシャン)に取り込まれない働き方が起業であるという逆説

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