2014年11月14日

『おもしろおかしく─人間本位の経営─』堀場雅夫・著 vol.3769

【心地よい説教──堀場雅夫、いま経営を語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822277755

本日の一冊は、堀場製作所の創業者、堀場雅夫氏による経営論。

歯に衣着せぬ物言いで有名な著者が、90歳の節目に自分の経営を振り返り、まとめたもので、中小企業経営者は注目の内容です。

どうすれば社員が意識を高く持てるのか、どうすれば良い物を作るようになるのか、そもそもどうすれば優秀な人材を採用することができるのか…。

中小企業経営者が悩みがちな「ヒト」の問題を中心に、考え方と施策が述べられており、勉強になりました。

・社員が嫌々働く会社は、ろくな品物を作らない
・加点評価にすれば社員の心は変わります
・優秀な人を採るにはこう叫ぶ「自信のない者は大企業へ行け」

また、働く人へのアドバイスも述べられており、こちらも痛快です。

・人間本来の欲望を抑えるな 欲が少ない人は役に立たない
・退職金なんか当てにせず、自分の力で人生おもしろくせんかい

後半部分に、40代以降ビジネスパーソンがどう振る舞うべきかが述べられており、興味深かったので、こちらも引用しておきます。

<人間の能力は40代が最高でしょう。知恵が回り、経験も豊富。肉体的にも強い。40代こそ社長業に徹し、50歳からの10年間は次期社長のフォロー役に専念する。そして60歳になれば役員を返上し、経営から離れるのが理想です>

相談相手のいない経営者にこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人間本来の欲望を抑えるな 欲が少ない人は役に立たない

退職金なんか当てにせず、自分の力で人生おもしろくせんかい

働くという言葉には元来、「レイバー(labor)」「ワーク(work)」「プレイ(play)」の3種類がある。肉体を使うレイバーが、経済の高度化で知識や技能を売るワーカーに変わった。さらにこれからの日本人は、芸術的・創造的なプレイヤーに変わらんといかん、という。僕が待ちに待った、おもしろおかしく働く時代がようやく来たのです

社員が嫌々働く会社は、ろくな品物を作らない

人類の最大の強みは「順応性」

社員の目と耳を開かせるにはどうすればいいかというと、おもしろおかしく働いてもらえばいいのです

当社では74年に、労働分配率は付加価値の60%以上と定めました。経営者が求めるのは社員が生み出す付加価値であり、給料にはその付加価値から60%以上を分配するとはっきりさせたのです。総額が決まっているので、社員が自分の取り分を増やそうと思えば、できるだけ少ない人数で生産性を高めればいい

加点評価にすれば社員の心は変わります。うちも仕組みを変えてから、社内の雰囲気が一層明るく、前向きになりました

大企業の出世競争を小馬鹿にしている人も、ベンチャースピリッツに富む人も、やっぱり肩書は欲しい。肩書を持っていなければ、コンプレックスにもなる。それが多くの日本人の本音です

優秀な人を採るにはこう叫ぶ「自信のない者は大企業へ行け」

中小企業こそ海外に行けばいいんです。アメリカの企業なら、どんなに小さな会社でも、モノがおもしろければ「使わなかったら損」と考える

節税対策に明け暮れたり税務署に文句を付けたりするのは、時間の無駄

「臆病な経営者」が成功する

人間の能力は40代が最高でしょう。知恵が回り、経験も豊富。肉体的にも強い。40代こそ社長業に徹し、50歳からの10年間は次期社長のフォロー役に専念する。そして60歳になれば役員を返上し、経営から離れるのが理想です

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『おもしろおかしく─人間本位の経営─』堀場雅夫・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822277755

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◆目次◆

1章 おもしろおかしくの経営概論
2章 おもしろおかしくの方法論─社員編─
3章 おもしろおかしくの方法論─経営者編─
対談 堀場雅夫×村上太一(リブセンス社長)

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