2014年9月10日

『古代から現代まで2時間で学ぶ戦略の教室』鈴木博毅・著 vol.3704

【3000年分の戦略エッセンス】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478027129

本日の一冊は、ベストセラー『「超」入門 失敗の本質』の著者であり、ビジネス戦略コンサルタントの鈴木博毅氏が、古代から現代までの「戦略論」を総ざらいした一冊。

※参考:『「超」入門 失敗の本質』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016879

孫子やアレクサンダー大王、マキアヴェリ、クラウゼヴィッツ、リデル・ハート、マーレーなど、戦争で名を挙げた戦略家や戦略・戦史の研究家、さらにはビジネススクールでおなじみのポーターやコトラー、ゲイリー・ハメルなどの理論がすべて網羅されています。

◆孫武の戦略、2つの重要ポイント
(1)張り合うことで敵が疲弊するポイントを攻める
(2)相手の強みとは違う場所で勝負する

◆プロイセンがナポレオンの機動力を封じるため取った2つの戦略
(1)各個撃破させない大群による包囲布陣
(2)側面攻撃を受けたら粘らず退却する

◆リデル・ハート『戦略論』の「積極面六か条」
(1)目的を手段に適合させよ
(2)常に目的を銘記せよ
(3)最小予期路線を選べ
(4)最小抵抗線に乗ぜよ
(5)予備目標への切り替えを許す作戦線をとれ
(6)計画および配備が状況に適合するよう、それらの柔軟性を確保せよ

新しいところでは、アマゾンやフェイスブックが採用しているプラットフォーム戦略や途上国で生産するためのリバース・イノベーションが取り上げられており、こちらも鋭い視点が示されています。

・プラットフォーム戦略は、顧客を含めた他社を競争させることで、自社の利益を拡大する方法

古典的戦略の解説部分は、戦略家たちの人生や戦争の背景、どんな作戦で勝ったかなどがダイジェスト版で示されており、読み物としても楽しめる内容です。

ぜひ読んでみてください。

———————————————–
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
———————————————–

戦術の要諦は、敵をあざむくことである。たとえば、できるのにできないふりをし、必要なものを不要とみせかける(『中国の思想 孫子・呉子』より)

◆孫武の戦略、2つの重要ポイント
(1)張り合うことで敵が疲弊するポイントを攻める
(2)相手の強みとは違う場所で勝負する

◆アレクサンダー大王が兵士を挑戦させ続けた三つの方法
(1)自らが強烈な克己心を発揮し先陣を切って戦う
(2)さらに先の未来を周囲にイメージさせる
(3)逃げ場を先になくしてしまう

◆プロイセンがナポレオンの機動力を封じるため取った2つの戦略
(1)各個撃破させない大群による包囲布陣
(2)側面攻撃を受けたら粘らず退却する

◆リデル・ハート『戦略論』の「積極面六か条」
(1)目的を手段に適合させよ
(2)常に目的を銘記せよ
(3)最小予期路線を選べ
(4)最小抵抗線に乗ぜよ
(5)予備目標への切り替えを許す作戦線をとれ
(6)計画および配備が状況に適合するよう、それらの柔軟性を確保せよ

アマゾンは典型的なタイムベース競争企業である

地域戦略においては、弱い者いじめが最も効果があることが、ランチェスターの法則から明確にされています。冷徹なようですが、創造性で上位と張り合いながらも、必ず勝てる下位企業から顧客を奪うことが、占拠率の科学が教える勝利の定石なのです

◆ランチェスターが教えるナンバーワンの作り方
(1)ナンバーワンの地域をつくる
(2)ナンバーワンの得意先をつくる
(3)ナンバーワンの商品をつくる

参入障壁となっている主要因を無力化するか切り離す(ポーター)

プラットフォーム戦略は、顧客を含めた他社を競争させることで、自社の利益を拡大する方法

————————————————

『古代から現代まで2時間で学ぶ戦略の教室』鈴木博毅・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478027129

————————————————-

◆目次◆

第1章 勝敗を分けるリーダーシップ戦略
01 孫武「孫子」 敵の意表をついて小が大に勝つ
02 アレクサンダー大王「東方遠征」 短期間で一気に領地を拡大する
03 ニコロ・マキアヴェリ「君主論」 「正しい目標」を掲げて人を動かす

第2章 戦況を決定づける軍事戦略
04 ナポレオン・ボナパルト「革命戦争」
  凡人を最強兵力へと変える仕組みづくり
05 カール・フォン・クラウゼヴィッツ「戦争論」
  相手の強みを真似て無力化する
06 リデル・ハート「戦略論」 相手の強みと正面衝突せずに勝利する

第3章 生産力を最大化する効率化戦略
08 フレデリック・テイラー「科学的管理法」
  目に見えないムダを排除して成果を最大化する
09 大野耐一「トヨタ生産方式」 現状を問い、新しい生産システムを発明する
10 ジョージ・ストークJr.他「タイムベース競争戦略」
  利益を生む部分に絞って時間を短縮する

第4章 組織の限界を突破する実行力戦略
11 野中郁次郎、竹内弘高「知識創造企業」
  組織として新しい成功の方程式を創造する
12 トム・ピーターズ他「エクセレント・カンパニー」
  「人の動機づけ」でエクセレントな実行力を生み出す
13 ジェームズ・C・コリンズ 「組織ビジョン」で時代を超えて生き続ける

第5章 突出した成果を出す目標達成戦略
14 ピーター・F・ドラッカー 習慣を変えて個が組織の中で成果をあげる
15 トム・ピーターズ「エクセレントな仕事人になれ!」
  自己コントロールで本来の実力を最大限に発揮する

第6章 ライバルに勝利する競争戦略
16 フレデリック・ランチェスター「ランチェスターの法則」
  科学的な数理モデルで「弱くても勝つ」
17 マイケル・ポーター「競争戦略」
  「攻撃」と「防衛」を攻略して競争に打ち勝つ
18 チャン・キム、レネ・モボルニュ「ブルー・オーシャン戦略」
  「差別化」と「低コスト」で新しい市場を切り拓く

第7章 問題を解決するフレームワーク戦略
19 マッキンゼー・アンド・カンパニー「7S」「PMS」
  問題点を最速で浮かび上がらせる思考の枠組み
20 ボストン・コンサルティング・グループ「経験曲線」「PPM」
  成功企業の秘密を抽出して概念化する
21 フィリップ・コトラー「マーケティング・マネジメント」
  売上をあげるために、いま何をすべきか発見する

第8章 強い組織をつくるマネジメント戦略
22 アルフレッド・D・チャンドラーJr.「組織は戦略に従う」
  「組織変革」で景気の浮き沈みと市場の変化に対応する
23 ヘンリー・ミンツバーグ他「戦略サファリ」
  戦略を計画ではなく実践から生み出す
24 ゲイリー・ハメル 戦略をスピーディーに変え魅力的な環境をつくる

第9章 ルールを変えるイノベーション戦略
25 ヨーゼフ・シュンペーター 「新結合」によって優位性を保ち続ける
26 ジョエル・パーカー「パラダイムの魔力」
  新しいパラダイムでゲームのルールを変える
27 クレイトン・クリステンセン「イノベーションのジレンマ」
  見えない市場に小さく挑戦できる組織をつくる

第10章 新たな生態系を生み出す21世紀の戦略
28 ガワー、クスマノ「プラットフォーム・リーダーシップ」
  他社を競争させて自社の利益を極大化する
29 ビジャイ・ゴビンダラジャン他「リバース・イノベーション」
  視点を逆転させて、さらにシェアを拡大する
30 スティーブ・ヘッケル「適応力のマネジメント」
  各人が自律的な判断・行動をできるようにする

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー