2014年9月22日

『ゼロ・トゥ・ワン』ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ・著 瀧本哲史・序文 vol.3716

【即「買い」の名著】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140816589

本日の一冊は、世界最大のオンライン決済システム「ペイパル」の共同創業者であり、フェイスブックの最初の外部投資家、さらにはリンクトイン、ヤマー、イェルプ、クオラなどにも投資しているカリスマ、ピーター・ティールによる、注目作。

日米同時発売、あの瀧本哲史氏が序文を書く話題書ということで、これは今年後半、もっとも注目のビジネス書になりそうです。

ちなみに、瀧本氏は「生きている人の本(の推薦依頼)は決して受けない」というポリシーだそうですが、ピーター・ティールは、その原則を覆すほどの「生きる伝説」。

そんなカリスマによる書籍ということで、大変期待して読みましたが、いやはや、恐れ入りました。

一行目からグイグイ引き込まれ、目からウロコが落ち、ベンチャーマインドが刺激され、今すぐ何かすごいことを成し遂げたい、という気持ちに駆られました。

・ビジネスに同じ瞬間は二度とない
・新しいこと、試されていないことこそ、「ベスト」なやり方
・小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい

とはいえ、単に啓発的なだけの本ではありません。起業する際の現実をきちんと踏まえ、ビジネスで成功するための原理原則や考え方が、きちんと網羅されています。それも、とんでもなく刺激的な言葉で、です。

・賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?
・企業は価値を創造するだけでなく、創造した価値の一部を社内にとどめなければならない
・差別化のないコモディティ・ビジネスを行なってはならない
・偉大な企業かどうかは、将来のキャッシュフローを創出する能力で決まる
・スタートアップが狙うべき理想の市場は、少数の特定ユーザーが集中していながら、ライバルがほとんどあるいはまったくいない市場
・勝ちたければ「何よりも先に終盤を学べ」
(ホセ・ラウル・カパブランカ チェスのグランド・マスター)

著者は、リーン・スタートアップに代表されるような、「少しずつ」「段階的に」といった考え方や、「分散投資」のような考え方、学歴エリートを目指す消極的な生き方を否定し、リスクを取り、目的志向で生きる生き方を奨励しています。

投資家としても役立つ視点、教訓もたくさん入っており、これはひさびさ、文句なしに「買い」の一冊。

本当に心震わせられる起業本に出合いました。

発売は25日ですが、今すぐアマゾンで予約するか、発売直後に書店に駆け込みましょう。

絶対に後悔させない一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ビジネスに同じ瞬間は二度とない。次のビル・ゲイツがオペレーティング・システムを開発することはない

今日の「ベスト・プラクティス」はそのうちに行き詰まる。新しいこと、試されていないことこそ、「ベスト」なやり方なのだ

採用面接でかならず訊く質問がある。「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」

明晰な思考のできる人は珍しいし、勇気のある人は天才よりもさらに珍しい

ものごとへの新しい取り組み方、より良い手法はすべてテクノロジーだ

ほとんどの人はグローバリゼーションが世界の未来を左右すると思っているけれど、実はテクノロジーの方がはるかに重要だ

二一世紀をこれまでより平和な繁栄の時代にしてくれる新たなテクノロジーを思い描き、それを創り出すことが、今の僕らに与えられた挑戦なのだ

企業は価値を創造するだけでなく、創造した価値の一部を社内にとどめなければならない

差別化のないコモディティ・ビジネスを行なってはならない

偉大な企業かどうかは、将来のキャッシュフローを創出する能力で決まる

短期成長をすべてに優先させれば、自問すべき最も重要な問いを見逃してしまう──「このビジネスは一〇年後も存続しているか」というものだ

◆独占企業の特徴
・プロプライエタリ・テクノロジー
・ネットワーク効果
・規模の経済
・ブランド

スタートアップが狙うべき理想の市場は、少数の特定ユーザーが集中していながら、ライバルがほとんどあるいはまったくいない市場

勝ちたければ「何よりも先に終盤を学べ」
(ホセ・ラウル・カパブランカ チェスのグランド・マスター)

二〇人目の社員が君の会社に入りたいと思う理由はなんだろう?

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『ゼロ・トゥ・ワン』ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ・著 瀧本哲史・序文 NHK出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140816589

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◆目次◆

第1章 リスクに関する3つのルール
第2章 リスクの担い手がいないとどうなるか
第3章 「リスクを取らないリスク」の例 日本の金融政策
第4章 想定されるリスク 日本の更なる資本主義化
第5章 想定されるリスク 広がる格差
第6章 想定されるリスク 進む円安
第7章 想定されるリスク 年金カット
第8章 リスクを取る前に
第9章 お金でできる「リスクを取らないリスク」対策
第10章 お金でできない「リスクを取らないリスク」対策
終 章 実行

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