2014年8月31日

『俺のフィロソフィ』坂本孝・語り手 福井康夫・聞き手 vol.3694

【俺のイタリアン、坂本孝の成功哲学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062185059

本日の一冊は、ブックオフの創業者であり、「俺のイタリアン」をはじめとする飲食業の新業態でも大成功した坂本孝氏が、自らの経営哲学、成功哲学を語った一冊。

弟子であり、上場企業メディアフラッグの経営者、福井康夫氏が聞き役を務め、まとめるという体裁で、かえって氏の哲学がよく引き出された内容となっています。

福井氏によれば、坂本氏の経営は、以下のようなスタイル。

<誰も思いつかないような革新的なビジネスモデルを作って、まずは「仕組み」で勝つ。そして、「仕組み」を実際のビジネスとして動かしていくのは「人」です。従業員のモチベーションを高め、その持てる能力をいかんなく発揮させることで「圧勝」するのが、坂本さんの経営です>

本書では、「俺のイタリアン」の「仕組み」→「人」の順に話が展開され、最後に「経営者の資質」がまとめられています。

ここでは、「経営者の資質」について、坂本氏のコメントを紹介しておきましょう。

<社長に向いているかどうかは、リスクを取れるかどうかにかかっています。ですから、最後まで頑張って、夢を多く持って、できるだけ多くの人を幸せにしようと思った人が社長として成功するのです。そうではなくて、人に迷惑をかけないでやろうと真面目に一生懸命に仕事をすれば、ある程度までの役職に就けると思います。でも、ビジネスマンとしては大成すると思いますが、みんなを幸せにするっていうのが社長業なので、そこまでは行けないのではないでしょうか>

経営者がビジネスを考える上で、また従業員との接し方、マネジメントを考える上で、役に立つ話がたくさん盛り込まれています。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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価値を高めて値段を下げる。そうすれば必ずお客さんは行列をつくるんです。これはもう、単純にして絶対的な真理です

うちの秘密兵器は携帯電話の日報メールです。店舗ごとの開店日やフロア面積、客席数、その日の天候情報はもちろん、売上目標と実績、客単価、回転数……そういう数値をデータ化して、毎朝メールで全社員の携帯に配信しています

私がみなさんの心の中に閉じ込めてほしい、しまっておいてほしい、と繰り返し伝えているのは「仲間のために汗をかく」。この一言っきりです

人を育てることについても、私は一つキーワードを持っていまして、「情報を与える」ことが大切だと思っています。そして情報の「量」は「移動距離」に比例して、情報の「質」は「体験の量」に比例する

3年間もお皿を洗い続ける必要があるのでしょうか? 皿なんて洗わなくていいんですよ。だって自動食器洗い機があるんだもの。皿洗いをさせるより、少しでも早く厨房で料理をつくって、少しでも早く一人前になってもらった方がみんなハッピーですよね

抜擢して謙虚さが失われてしまうこともありますけど、そういうのは放っておきゃいいじゃないですか。だって、自分の胸に手を当てて考えてごらんなさいよ。自分だって天狗になって謙虚さがなくなったってこと、あるんじゃないですか? あるでしょ?(笑)

企業の中にはいくらでも小さな石がありますよ。そういう人こそ大切にしなきゃ。だけど叱るときは、こっそりとね。小さな声で叱らなきゃダメですよ

番頭というのは、社長の思い通りに動いてくれて、なおかつ本人も人生をこの会社に懸けたいって思っている人です。こういう人を見つけるのは、なかなか難しいんです。だから、そういう番頭さんは大切にし続けなきゃいけないんです

300人までは、組織図はいらない

今まで客単価3万円以下の料理をつくったことがないというようなシェフたちが、覚悟を決めて客単価3000円の立ち飲みの世界に飛び込んでくれた。その覚悟に応えるためにも、だからこそ、できるだけ多くの社員が株を持てるように配慮しています

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『俺のフィロソフィ』坂本孝・語り手 福井康夫・聞き手 商業界
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◆目次◆

はじめに 異彩の経営者 坂本孝との出会い
第一部 仕組みで勝つ
第一章 二勝十敗の起業家
第二章 「ずぶの素人」が始めた飲食業界の革命
第二部 人で圧勝する
第三章 理念は潤滑油である
第四章 人材こそ最大の競争優位性
第五章 誰もが命を賭けられる場所を探している
第六章 役割を決め、人材を活性化させる
第七章 企業が一気に大きくなるとき
第八章 IPO(株式公開)の意味
第三部 経営者の資質
第九章 リスクを取り、渦の中心になれ
第十章 チャンスをつかむ発想の源泉
第十一章 次世代をつくるリーダーを育てろ
おわりに 憧れの街、銀座にて

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