2014年7月14日

『努力不要論』中野信子・著 vol.3646

【頑張れば報われる、はどこまで本当か?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894516225

本日の一冊は、脳科学者にして、あの高IQ国際組織「MENSA」の会員、テレビでも話題の中野信子さんによる注目の一冊。

<ビジネス書読者に『努力不要論』だなんて…>と思う向きもあると思いますが、述べられていることはきわめてまっとうです。

著者によると、<真の努力というのは本来、成果を出すために必要な(1)目的を設定する、(2)戦略を立てる、(3)実行する、という3段階のプロセスを踏むこと>。

これは、ビジネスの世界では常識ですよね。

興味深かったのは、人間には遺伝もあれば才能もあるという話と、無謀な努力の反動から問題行動につながることがあるという話。

なぜやみくもに努力することがまずいのか、その理由が脳科学の見地から語られています。

本書によると、受験では<エピソード記憶の良い人が、良い成績を収める>らしく、<エピソード記憶については、ある遺伝子を持っていると20%ほど記憶力が良くなる>という報告があるそうです。

最近読んだ東大合格生の本が2冊とも「記憶」を強調していたのは、ひょっとしたら偶然ではないのかもしれません。

※参考:『本物の勉強法』
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※参考:『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』
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正しい努力とは何か? 自分にあった努力の仕方とは?

いろいろと考えさせてくれる、興味深い読み物です。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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(受験では)エピソード記憶の良い人が、良い成績を収める

エピソード記憶については、ある遺伝子を持っていると20%ほど記憶力が良くなるという報告があります

受験のために必要な能力のうち、記憶力以外の部分、論理的な考え方をする力とか、学習しやすい環境を整える能力などというのは意外と後々まで伸びる

真の努力というのは本来、成果を出すために必要な(1)目的を設定する、(2)戦略を立てる、(3)実行する、という3段階のプロセスを踏むこと

ダイエットをして、「今日はほとんど食べなくてよかった」とか、「身体に良い物を食べた」と認知している人は、倫理的に悪いことをする傾向が高いという研究がある

無謀な努力を賛美する精神性が、日本の敗戦の遠因となりました

江戸時代、努力は粋ではなかった

ヒトは、努力よりずっと、遊びが必要な生き物

ヒマで、あまり生産しているようには見えない人たちの視線や思考は、目まぐるしく動く社会の表層からは少し離れたところにあり、じつはそこに文化の豊かさや、教養の深さ、未来の社会に資するいろいろな物事のヒントがある

日本人はセロトニントランスポーターが少ないタイプのほうが圧倒的に多く、7割くらいがこのタイプ(中略)セロトニントランスポーターが少ない人はセロトニンが少ないので不安になりやすい

「生まれ育った才能で活躍している人」を見て「ずるい」と感じてしまうとき、その人は自分が持っている才能には気づいていない

努力家は他人の才能を潰す

アンダードッグ効果と言いますが、同情の余地のある何かを提示することで、相手は溜飲を下げて応援してくれるようになります

自制心を鍛えるためのトレーニング、相手の気持ちを忖度できる力を伸ばすための遊び、目先の利益を捨てて将来のより大きな利益を選択できる力を鍛える練習などが子供の一生を豊かなものにする

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『努力不要論』中野信子・著 フォレスト出版
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◆目次◆

はじめに 見返りを求めずに努力できるか?
プロローグ 「努力すれば報われる」は本当か?
第1章 努力は人間をダメにする
第2章 そもそも日本人にとって努力とは何か?
第3章 努力が報われないのは社会のせい?
第4章 才能の不都合な真実
第5章 あなたの才能の見つけ方
第6章 意志力は夢を叶える原動力
第7章 努力をしない努力をしよう!
おわりに なぜ、ある助産師はマタニティマークをつけることに反対したのか?

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