2014年6月26日

『儲かる料理経営学』村田吉弘・著 vol.3628

【「菊乃井」三代目の経営哲学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761270101

本日の一冊は、ミシュランで三ツ星を獲得した老舗料亭「菊乃井」の三代目、村田吉弘氏による、料理経営論。

「日経レストラン」2008年12月号「決断のとき」、2009年5月号~11年4月号連載「菊乃井 代表取締役 村田吉弘の儲かる料理哲学」、2010年5月号特集「カリスマ経営者に学ぶ 儲ける技術」、2011年7月号「我思う」をもとに、加筆・修正してまとめたもので、軽いエッセイ感覚で読むことができます。

一流のサービスとは何か、高く売るにはどうするか、料理人の自己研鑚、店が良い緊張感を保つための工夫など、飲食店経営の方であれば、きっと有用な内容だと思います。

飲食以外の経営者にとっても、グローバル化にいち早く対応し、大胆に事を進める著者の姿勢は参考になるはず。

いくつか、有用なポイントを抜き出してみましたので、チェックしてみてください。

・変えることを恐れてはならない
・引き際は極めて大切。撤退するなら「余力を保っておくこと」
・長く続く店にするには長く時間をかけよ
・百年続く店にするにはテナントではだめ

経営において、いろいろとヒントが得られる一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ケチというのはね、必要なところにもカネを使わないこと。始末というのは締めるべきところは締めつつも、使うべきところには使うことです。食材について言うなら、最高の品質の魚を仕入れて、その身はもちろん、骨や皮の切れ端まで余すことなく使うこと

歩合制だから、暇になると「困りましたね」となり、忙しいと「大変ですけど、うれしいです」となる。それに、仲居さん自身にとっても、店のお客さんは自分のお客さんという意識が生まれます。自分の持つ座敷は完璧にしようとします。これが良いサービスにつながっていくのですね

「No」と言わないのが真のサービス一流のプライドがあるなら「何とかする」

シェフは特別な地位である。同じ食事であっても、下の料理人に自分の部屋へ料理を運ばせて、そこで一人で食べるべきだ

「アホか。自分がうまくないと思うものを出して潰れるのと、これ以上うまいものはないと思うものを出してそれでも潰れるのと、どっちがええねん」(たん熊の先代社長)

変えることを恐れてはならない

誰かが何かやってくれるのを待っていても、誰も何もしてくれません

トップに立つ人間にとって、引き際は極めて大切。撤退するなら「余力を保っておくこと」です

長く続く店にするには長く時間をかけよ

百年続く店にするにはテナントではだめ

もしテナントビルに入ったら「菊乃井は様子を見ているだけで、本腰を入れて東京でやる気はない」と思われるに違いありません

料理というのは「理を計り定める」、すなわち「考える」ということなのです

日本料理の料理人だって、昆布の産地である北海道の利尻や日高に行ったことのある人がどのくらいいるのか。ましてや、枕崎へカツオ節の勉強をしに行く人なんていないでしょ。でも本来であれば、我々の職業を追求していくと、現地に行って「見てみたい」という気持ちになる。そういう情熱が必要なんですね

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『儲かる料理経営学』村田吉弘・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822273318

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◆目次◆

第1章 「儲ける」とは「信者を作る」こと
第2章 世界を目指す和食のあるべき姿
第3章 若手料理人に送るエール
第4章 ピンチをチャンスに変える思考
第5章 経営者、そして料理人の矜持とは
第6章 料理人はどんな状況でも情熱と勇気を失わない
【特別対談】村田吉弘vs上柿元勝

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