2014年2月4日

『ウェアラブルは何を変えるのか?』 佐々木俊尚・著 vol.3486

【佐々木俊尚氏が電子版で書き下ろし!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00HIAU2I0

本日は、「ビジネスブックマラソン」初の電子書籍のご紹介。

紙の書籍に先駆けて、佐々木俊尚さんが電子書籍のために書き下ろした、『ウェアラブルは何を変えるのか?』です。

2014年にも一般販売するのではないかと言われ、話題となっている「グーグルグラス」を軸に、ウェアラブルとITの未来を論じた内容で、近未来のITとビジネスが概観できる、興味深い一冊です。

以前、NTT秋田の100周年記念イベントに参加した際、「100年後の通信はどうなっているか?」と聞かれ、「テレパシーですね」と答えた記憶がありますが、どうやら人間は確実にその方向に向かっているようです。

本書に描かれた未来は、センサーによって身体や物理空間がダイレクトにネット接続される世界であり、ユーザーインターフェース(UI)がジェスチャーとなる世界。

「グーグルグラスを百日間使ってみた」という題名の記事からも、未来のサービスの萌芽が感じられ、じつに刺激的でした。

ここは一部、引用してみましょう。

<「グーグルグラスを百日間使ってみた」の記事は、眼鏡型ウェアラブルはAR(拡張現実)の可能性が大きいと指摘し、次のようなサービスの可能性を挙げています。たとえば外国語で書かれた文章を読むと、その場で翻訳してくれる。「売り家」の看板が出てる家を見たら、希望価格を調べてくれる。商品のバーコードを見たら、オンラインでもっと安く売ってるかを調べてくれる。街角に立っていたら、その場所が過去にどうなっていたかを歴史をさかのぼって、古い写真をストリートビューで現実の風景に重ねて見せてくれる。誰かを見たら、その人の経歴を表示してくれる>

いや、すごい世界ですが、このストーリーにはさらに続きがあります。

詳細は後に販売される「下巻」で述べられるらしいですが、それは、「アンビエントインテリジェンス」というもの。

「アンビエントインテリジェンス」とは、<私たちが「何を求めているか」という問い合わせを行わなくても、デバイス同士がおたがいに通信し、分析・判断をくだして、私たちに情報を提供してくれるような仕組み>のことで、もしこれが起これば、サービスや人間関係にも、大きな変化が訪れると考えられます。

今から下巻が待ち遠しいわけですが、土井のように上巻を買った人間は、合計で約700円を使うわけで、遅れて買う人は紙で上下巻まとめた内容を買って、結局同じかそれ以上のお金を使うことになる。

電子出版の試みとしても、なかなか興味深いので、ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆ウェアラブルが身体とインターネットをダイレクトに接続させる
1.ウェラブルに適した新しいユーザー体験(UX)が実現する
2.センサーによって身体や物理空間がダイレクトにネットに接続される
3.ネットからのフィードバックを、コンテキストに沿って身体や物理空間が受けとる
4.それによって私たちの身体や物理空間は、「モノのインターネット」が合体されていく

最初に一般に受け入れられるウェアラブルは身体の状態を管理して健康を維持してくれるフィットネス系のものになるかもしれません

これからの数年間という近未来では、ウェアラブル分野では腕時計型デバイスがメインストリームになる可能性が高いでしょう

アップルは最近になって、ナイキから相次いでキーパーソンを引き抜きました。ひとりはアスリートであり、ナイキの「フュエルバンド」という手首型のフィットネスデバイス開発にかかわったジェイ・ブラーニク氏。もうひとりはナイキのデザイナー、ベン・シャッファー氏(中略)iWatchはフュエルバンドのようなフィットネス志向のウェアラブルになる可能性が浮上

タブレットをキネクトに変えたことにより、操作は非接触になり、減菌の必要がなくなった

IBMはインテリジェント・オペレーション・センター(IOC)という名称で、さまざまな都市インフラにセンサーを組み込んで状況をつねにリアルタイム計測し、その情報に基づいて運用をおこなうというサービスをさまざまな都市で提供しています

「グーグルグラスを百日間使ってみた」の記事は、眼鏡型ウェアラブルはAR(拡張現実)の可能性が大きいと指摘し、次のようなサービスの可能性を挙げています。たとえば外国語で書かれた文章を読むと、その場で翻訳してくれる。「売り家」の看板が出てる家を見たら、希望価格を調べてくれる。商品のバーコードを見たら、オンラインでもっと安く売ってるかを調べてくれる。街角に立っていたら、その場所が過去にどうなっていたかを歴史をさかのぼって、古い写真をストリートビューで現実の風景に重ねて見せてくれる。誰かを見たら、その人の経歴を表示してくれる

ジェスチャーこそが新たなUIである

私たちが「何を求めているか」という問い合わせを行わなくても、デバイス同士がおたがいに通信し、分析・判断をくだして、私たちに情報を提供してくれるような仕組み。それがアンビエントインテリジェンス

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『ウェアラブルは何を変えるのか?』佐々木俊尚・著 佐々木俊尚
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/ B00HIAU2I0

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◆目次◆

第一章 ウェアラブルが急速に盛りあがってきている
第二章 ウェラブルが現実になってきた「素地」とは
第三章 ウェアラブルに日本は切り込めるか?
第四章 ウェアラブルを実現する円環 (1)センサー
第五章 ウェアラブルを実現する円環 (2)UX
第六章 ウェアラブルを実現する円環 (3)コンテキスト

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