2014年1月18日

『逆境経営』桜井博志・著 vol.3469

【純米大吟醸で全国トップ!「獺祭」成功の哲学とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478026211

本日の一冊は、低迷を続ける日本酒の業界で、ひとり気炎を吐く、旭酒造の代表取締役社長、桜井博志氏による経営哲学。

テレビ東京系列「カンブリア宮殿」で、その活躍ぶりをご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、じつはこの旭酒造が手掛ける人気の日本酒「獺祭(だっさい)」は、いまや「純米大吟醸」のジャンルで全国トップ。何と2013年に1万1400石(日本酒は1升瓶100本で1石)、今や世界約20カ国で販売されているそうです。

とは言え、決してその道のりは平坦ではありませんでした。

やる気のない営業と、旧態依然とした酒造り。話題性ばかり優先してテレビに出演した結果、一時的な需要急増で大パニック…。

ありとあらゆるトラブルを経験した結果、著者は以下の結論にたどり着きました。

<「ああ、美味しい!」と言っていただける酒を造る>
<「たったひとつ」を「最高のひとつ」に磨き上げる>
<商品は王道を歩ませ、安易にブレない>

本書には、著者が志を立ててから、どんな戦略を立て、今日の成功にいたったか、その詳細が書かれています。

どん底から今日の成功までのエピソードが綴られ、適宜、経営の教訓が示される本。

みなさんもぜひ、読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「たったひとつ」を「最高のひとつ」に磨き上げる

小さな酒蔵であることが、どうすれば強みになるのだろうか。そう考えて、小規模な仕込みでないと造れない、しかも少量ずつでも愛され続ける純米大吟醸酒に絞りました

「普通」はすなわち「負け」である

酒のありがたみや飲み方は、変わってきているのです。酒造りも変わらなきゃいけない

「話題性」や「物語性」「非日常性」で酒は売らない

伝統にはこだわるが、手段にはこだわらない

数日考えるうち、私は割り切ることに決めました。「自分で造ろう。そうすれば、今まで杜氏に遠慮して安易に流れていた酒造りも、したいようにできる。挑戦できる!」思いきって杜氏制を廃止して、残っていた製造経験ゼロの社員4人とともに、自分たちで酒造りを始めたのです

当分、社長車は中古車と縁が切れそうもありません。新車は遠い……。一生無理かもしれません。でも、いいんです。酒蔵が趣味ですから

商品は王道を歩ませ、安易にブレない

「費用対効果」と言った瞬間に、この程度でいいんだ、という甘さが出る

若い人を育てるために肝心なのは、会社を大きくすることではないかと思います。右肩上がりで事業が忙しくなれば、その対処法を社員が勝手に考えて育つからです

「とにかく量じゃない」「たくさん売れなくてもいいから、お客様の楽しい人生のお手伝いをする」「質で勝負できる」酒を目指して、現在の純米大吟醸しか造らない蔵に変わってきたのです

まさに今、世界は地理的な距離ではなく、人と人との関係で動いている

世界で活躍する者はみな祖国を尊敬している

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『逆境経営』桜井博志・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478026211

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◆目次◆

はじめに
第1章 「負け組」の悲哀を忘れない
第2章 大失敗から学ぶ
第3章 捨てる勇気を持つ
第4章 「できること」と「やるべきこと」をはき違えない
第5章 常識や慣習にとらわれない
第6章 伝統が持つ奥深さを侮らない
第7章 発信しなければ伝わらない
第8章 打席に立ったからには、思い切りバットを振る
おわりに
資料 日本酒ができるまで

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