2013年7月2日

『LEAN IN(リーン・イン)女性、仕事、リーダーへの意欲』 シェリル・サンドバーグ・著 Vol.3269

【話題作。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532318971

本日の一冊は、全米大ベストセラーの話題作の邦訳。

フェイスブックのCOO、シェリル・サンドバーグが書いた、『LEAN IN(リーン・イン)女性、仕事、リーダーへの意欲』です。

著者は、グーグルでグローバル・オンライン・セールスおよびオペレーション担当副社長、財務省で首席補佐官を歴任したという才媛ですが、その道のりは決して楽ではなかったようです。

本書には、優秀な男性と結婚をしたにも関わらず、25歳で離婚し、さまざまな困難を経験、子育てをしながらキャリアで成功を収めた著者の、女性へのアドバイスが載っています。

著者自身、「いまこそ私は、誇りをもって、自分をフェミニストと呼ぼう」と宣言しているように、本書のかなりの紙数は、女性がキャリアで成功する上での障害や、それを取り除くために費やされていますが、その分、アドバイスは具体的です。

報酬の交渉をする時のポイントや、夫を協力的なパートナーにするためのコツ、自己の内面にある制約を取り除くことの重要性、子供が生まれるまさにその時まで仕事を辞めてはいけないというアドバイスなど、いずれも有用なものばかりです。

また、グーグルのエリック・シュミットが教えてくれた仕事選びの基準をはじめ、男女問わず役立つアドバイスがいくつも掲載されています。

<このときのエリックの答えは、これまで私が耳にした中でキャリアに関する最高のアドバイスだった。彼は私のスプレッドシートを手で隠すと、アホやな、と言った(これも最高のアドバイスの一部である)。そして、仕事を決めるときの基準は一つしかない、それは成長、それも急成長だ、と断言した。会社がハイペースで成長していれば、いまいる人間がこなせる以上の仕事がどんどん湧いてくる。反対に会社が伸び悩んだり横這いになっていたりしたら、仕事は減り、人間のほうが仕事より多くなる。そうなると社内の空気は淀み、ごますりや駆け引きが横行し、士気は低下する>

しかし、何と言っても本書は女性のためのキャリア指南書。

随所にこんな女性へのエールが書かれているので、ぜひ読んでエネルギーをもらうといいでしょう。

<沿道の声を無視して走りつづければ、いちばんつらい中間地点を過ぎるあたりから女性ランナーは本領を発揮できるようになる>

ビジネスマンは、一緒に働く女性のことを知るきっかけとして、ビジネスウーマンは、本音が詰まったキャリア指南書として、ぜひ活用していただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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招待客の一人が「リベリアのような国で内戦の恐怖や集団レイプに苦しむ女性たちを助けるには、私たちアメリカの女性はどうしたらいいでしょうか」と質問したところ、リーマは単刀直入にこう答えたのである。「もっと多くの女性が権力のある地位に就くことです」

◆Facebook社内のリスクテークを促すポスターの文言
「運は勇気ある者に味方する」
「とりあえず始めよう、大胆に」
「怖がらなければ何ができる?」

「ここで働くことになれば、私は営業チームを任されることになります。そのときには、私がタフな交渉のできる人間であることが望ましいでしょう。あなたと私が反対の立場で交渉するのは、今回が最後です」(ザッカーバーグとの報酬交渉にて)

私が奨めるのは、二つの目標を立てることである。一つは遠い夢、もう一つは一八カ月プランである

このときのエリック(シュミット)の答えは、これまで私が耳にした中でキャリアに関する最高のアドバイスだった。彼は私のスプレッドシートを手で隠すと、アホやな、と言った(これも最高のアドバイスの一部である)。そして、仕事を決めるときの基準は一つしかない、それは成長、それも急成長だ、と断言した。会社がハイペースで成長していれば、いまいる人間がこなせる以上の仕事がどんどん湧いてくる。反対に会社が伸び悩んだり横這いになっていたりしたら、仕事は減り、人間のほうが仕事より多くなる。そうなると社内の空気は淀み、ごますりや駆け引きが横行し、士気は低下する

さまざまな研究で、メンターは実績と将来性でメンティーを選ぶと指摘されている

耳の痛い真実を伝えるときほど、長たらしい但し書きは不要である。短いほどよく伝わると心得よう

率直にほんとうのことを言ってもらったら、みんなの前で感謝することが大事だ

女性が職場でもっと力をもつ必要があるのと同じように、男性はもっと家庭で力を発揮しなければならない。多くの女性が、うかつな一言や不注意なふるまいで夫のやる気を削いでいるように思う

グロリア・スタイネムが慧眼にも指摘したとおり、「力をもつ者が名詞を獲得し、それが標準となる。力のない者には形容詞が付く」のである

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『LEAN IN(リーン・イン)女性、仕事、リーダーへの意欲』シェリル・サンドバーグ・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532318971

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◆目次◆

序文 日本語版に寄せて 川本裕子
序章 内なる革命
1.怖がらなければ何ができる?
2.同じテーブルに着く
3.できる女は嫌われる
4.梯子ではなくジャングルジム
5.メンターになってくれませんか?
6.本音のコミュニケーション
7.辞めなければならないときまで辞めないで
8.パートナーをほんとうのパートナーに
9.スーパーママ神話
10.声を上げよう
11.ともに力を
対話を続けよう
謝辞
原注

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