2013年7月13日

『無印良品は、仕組みが9割』松井忠三・著 Vol.3280

【無印のV字回復を支えた「仕組み」とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041104998

本日の一冊は、38億円の赤字から、驚異のV字回復を実現した、株式会社良品計画会長、松井忠三さんによる一冊。

タイトルを見て、「無印良品なのに仕組みの本?」と疑問に思った方がいらっしゃるかもしれませんが、じつは良品計画のV字回復、カギは2000ページのマニュアルが握っていたんです。

当然、200ページちょっとの本書で、この2000ページのマニュアルすべてを紹介することはできません。

本書では、同社がどうやって現場の知を吸い上げ、知をヨコ展開したか、また、どうマニュアルを作ればいいか、そのエッセンスを具体例を交えながら紹介しています。

ひとつ、「整然とは何か」について語った、以下の部分をご覧ください。

<たとえばMUJIGRAMでは、“整然”とは、「フェイスUP(タグのついている面を正面に向ける)、商品の向き(カップなどの持ち手の向きをそろえる)、ライン、間隔がそろっていること」と定義づけ、この四つのポイントがどういう意味なのかを、写真入りで説明します。読んだ人は誰でも、「整然とは何か」がわかるのです>

なるほど。ここまで落とし込めば、確かに誰でも実行できそうな気がします。

ほかにも、<誰にでもわかるようにするためには、いい例と悪い例を紹介するのも一つの手です>など、マニュアル作りのノウハウが載っており、参考になります。

それなりの予算を使える経営者、マネジャーであれば、良品計画が採用している「デッドラインボード」「DINA」などの社内システムも、タスクの進行を効率化する手段として、参考になるでしょう。

マネジメントを合理化し、どんどん仕組み化していくために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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たとえばMUJIGRAMでは、“整然”とは、「フェイスUP(タグのついている面を正面に向ける)、商品の向き(カップなどの持ち手の向きをそろえる)、ライン、間隔がそろっていること」と定義づけ、この四つのポイントがどういう意味なのかを、写真入りで説明します。読んだ人は誰でも、「整然とは何か」がわかるのです

誰にでもわかるようにするためには、いい例と悪い例を紹介するのも一つの手です

しまむらは、衣料品がメインとはいえ、膨大な種類の商品をたった三種類のタグで管理していた(中略)当時の商品担当者常務にタグの見直しを頼んだところ、最終的には九八種類にまで絞られ、つくってもらう会社も二社に絞られました。大量発注する代わりに単価を下げてもらい、その結果、タグ関連だけで二億五〇〇〇万円と五〇%のコストダウンを実現できた

チャレンジしなくなったときに、リーダーとしての資質はなくなります

◆デッドラインボード
担当者と指示の内容、デッドラインなどを書き込みます。それがデッドラインまでに守れれば○、守れなければ×をつけます。これにより、誰がどのような仕事を行っているかが見える化でき、その進捗も把握できるのです。締め切りを社員全員がチェックできるので、いい緊張感も生まれます

◆社内ネットワーク上にあるDINA
画面で「締め切り」「指示」「連絡」「議事録」を一元化

行き過ぎたホウ・レン・ソウは人の成長の芽を摘んでしまう行為だと、私は考えています。常に上司が仕事に絡むので、部下の自主性や自分自身で創意工夫しようとする意識が育たなくなるのです

部分最適の累積は、全体最適にはならない

残業をなくすために一番有効なのは、デッドラインを設けること

無印良品では、まずは「夕方には新しい仕事を人に頼まない」というルールをつくりました

どのような仕組みであっても一〇年は持たないのです

あせらず、くさらず、おごらず

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『無印良品は、仕組みが9割』松井忠三・著 角川書店
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041104998

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◆目次◆

序章 なぜ無印良品には“2000ページのマニュアル”があるのか
1章 売上げとモチベーションが「V字回復する」仕組み
2章 決まったことを、決まったとおり、キチンとやる
3章 会社を強くするための「シンプルで、簡単なこと」
4章 この仕組みで「生産性を3倍にできる」
5章 自分の仕事を「仕組み化する力」をつくろう

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