2013年7月25日

『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』松下英樹・著 Vol.3292

【ミャンマーは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062728109

本日の一冊は、世界中から熱い視線を注がれる最後のフロンティア、ミャンマービジネスの可能性を論じた一冊。

著者は、90年からミャンマーに通い始め、現地でいくつかの事業を手掛けたことのある、松下英樹氏。

現在は、日系初のベンチャーキャピタル、バガン・インベストメントの取締役執行役員として活躍中です。

本書は、そんな著者が、ミャンマーの現状と可能性を論じた一冊ですが、いやあ、驚きました。

以前、現地を訪問したという投資家の知人に、「ミャンマーはインフラがひどくてまだまだ投資は難しい」と言われていたのですが、確かにひどい。

ヤンゴンなどの都市部でも頻発する停電、死亡事故多発の「暗い」高速道路、ほとんど貸付業務を行わない銀行…。

想像以上にすごい環境のようですが、それが逆にそそられます。

現金決済のみだから売れる紙幣計数機、電力不足だから売れる発電機、慢性的な部屋不足で宿泊料が3倍になったホテルなど、まさに「不足はビジネスのはじまり」を思わせる事例が満載です。

なぜ国連が認める最貧国でも高級品が売れるのか、新車じゃなく中古車が人気なのかなど、日本の常識では理解できないミャンマーならではの事情が書かれており、じつに参考になります。

現地に進出したい日本企業が知っておくべき常識と法律が記されているほか、最後には、これから有望と目されるビジネス分野も示されており、ビジネス・投資の参考になると思います。

最後のフロンティア、ミャンマーに賭けてみたい方は、ぜひチェックしてみてください。

—————————————————
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
—————————————————

すでにバンコクとインド洋沿岸の都市ダウェイを結ぶ道路の建設は始まっているし、タイとミャンマー両国の南に延びる半島部分に運河を掘ってしまおうという計画すらある。そうなれば、いままでインド洋経由でアジアと中東・ヨーロッパを結ぶ海運の基地だったシンガポールは不要になる

国連が認める最貧国でも、豊富な地下資源、海外からの仕送り等があり、統計には表れない「意外な金持ち」が多い国だ。だから高級品も売れる

ミャンマーのビジネス習慣では、まずしっかりと「やりたい」という意思を表明することが大切だ。がっちりと握手を交わせば、相手の信用は得られる。その後、測量をしたり収支計画を立てたりして、万が一採算が合わないという結論に達したら、本契約は破棄してもいい

ミャンマー人の日本滞在経験者約10万人

人々は現世に執着しない。ビジネスマンでも軍人でも、お金を儲けるとポンと寺院に寄付してしまう

ミャンマー人の真の姿を知りたければ、一度“出家”してみるのも手。僧侶になった時の写真を見せれば、ビジネスパートナーの信頼度は格段に高まる

ロンジー姿で金時計をして豪華な指輪をするのが、ミャンマー人の金持ちのステイタスだ。車も、レクサスやランドクルーザーなどの4WDの高級車が大人気

「ミャンマー人の好みは本当にわからない。年式や走行距離より、ボディカラーやオプションにこだわる。オーディオなどはメーカー純正品でなければダメだという」(12年だけで500台以上の中古車をミャンマーに輸出した岡野氏)

ミャンマー人の金銭感覚は日本人とは違う。他人に「ケチ」だと思われるのは極端に嫌う。彼らのメンツを傷つけないように気をつけなければならない

◆現在のミャンマーのビジネスチャンス=優良投資分野
1.鉱業
2.農業
3.ホテル・観光業
4.通信・IT
5.株式投資

————————————————

『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』松下英樹・著 講談社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062728109

————————————————-

◆目次◆

序 章 ミャンマー史上空前の「民主化・ビジネス・ブーム」
第1章 2013年、ミャンマーで「明治維新」進行中
第2章 過熱する日本企業のミャンマーブーム
第3章 総選挙に向けて~テインセインとアウンサンスーチー
第4章 ミャンマー人とビジネスを進める「コツ」
第5章 ミャンマーで有望なビジネス「ベスト5」

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー