2013年4月10日

『コピーキャット 模倣者こそがイノベーションを起こす』オーデッド・シェンカー・著 Vol.3186

【世界10カ国で翻訳された注目作】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492533214

ビジネスにおいて「模倣が大事」というのは、これまでにもさんざん言われていることですが、その詳しい理由をご存じでしょうか?

その理由の一つは、「イノベーション」にはお金がかかること、そしてもう一つは、その割に見返りは少ないということです。

本書によると、<一九四八年から二〇〇一年に生み出されたイノベーションを対象にした大規模な調査から、イノベーターたちは自分が起こしたイノベーションの現在価値の二・二%しか獲得していないことが明らかになっている>。

逆に言えば、生みだされた価値のうち、残りの97.8%は模倣者が手に入れたということになります。

アメリカのハンバーガーチェーンの先駆けホワイト・キャッスルは、今では小規模チェーンの座に甘んじていますし、ダイナースクラブは世界で初めてクレジットカードを発行したにもかかわらず、今ではVISAやマスターカード、アメリカン・エキスプレスに完全に市場を奪われています。

なぜイノベーターは破れ、模倣者は反映するのか? 本書にはその理由が詳細に書かれており、さらに模倣者のための戦略までが事例付きで解説されています。

なかでも興味深かったのは、現在進行中の航空業界におけるLCC(格安航空会社)革命と、その模倣をする既存航空会社の話。

サウスウエスト航空を模倣して成功したライアンエアーとジェットブルー航空、一方で大失敗したコンチネンタル航空。ここには、既存の大企業が模倣で失敗する「落とし穴」が書かれています。

模倣対象のモデルを本体から切り離した別組織に吸収させる、というのは多くの大企業が考えることですが、それではうまく行かないことを本書は説明しているのです。

では、どうすれば模倣で成功することができるのか?

本書には、模倣の3つのタイプと、イモベーション(イノベーション+イミテーション)成功のための10カ条が書かれており、ここを読むだけでも価値があります。

かつて日本のお家芸だった「模倣」。その力を思い出すためにも、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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一九四八年から二〇〇一年に生み出されたイノベーションを対象にした大規模な調査から、イノベーターたちは自分が起こしたイノベーションの現在価値の二・二%しか獲得していないことが明らかになっている

システムの系統化、標準化が進むほど、他社にとっては解読しやすくなり、簡単に複製できるようになる

コンチネンタル・ライトが失敗した理由として、正規運賃を支払う乗客をコンチネンタル航空本体と共食いしてしまったこと、ブランドの混乱を招いたこと、コストを削減するどころか、コストを他の部門に転嫁するだけだったことを挙げる

トイザらスは当初、大手航空会社の格安航空部門が犯した間違いを繰り返した。低価格モデルを、それに見合う低コスト基盤を作らずに模倣したのである

アップルはアセンブリーイミテーションの達人

グーテンベルクの活版印刷は、油性インクと、オリーブオイルやワインの生産に使われる搾り機を組み合わせて生まれた

◆学術論文における模倣の3分類
1.頻度ベースの模倣(最も広く行われている行動を真似る)
2.属性ベースの模倣(自分に一番よく似ている企業を真似る)
3.結果ベースの模倣(良い結果を生んでいるものを真似る)

ビジネスモデルは法的な保護が一番弱い。うまくいくことが証明されているシステムを複製できる機会であることから、模倣のターゲットとしては最も有望であることが多い。ところが、これまでに見てきたように、モデル全体をコピーするのは一番難しいことでもある

◆イモベーションを成功させるための一〇カ条 ※一部紹介
1.車輪の再発明はするな
2.模倣を熱狂に変えろ
模倣を正当に評価して、報酬を与えることは、この目標を達成するための大きな一歩となるが、真の熱狂を呼び起こすには、企業文化の変革を強く推進する必要がある
4.すぐに頭に思い浮かぶものを集めるな
自分のテリトリーの外に目を向け、地理的にも視野を広げること、小さくて目立たない企業だけでなく、失敗した企業も探すこと、そして、最近の出来事よりも過去の出来事から学ぶようにすることが求められる
5.物事の脈絡を読み取れ
6.ピースを正しく合わせろ
8.より価値の高い新製品を作れ
9.攻撃して防御せよ

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『コピーキャット 模倣者こそがイノベーションを起こす』オーデッド・シェンカー・著 東洋経済新報社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492533214

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◆目次◆
第1章 繁栄するコピーキャットたち
第2章 模倣の科学と技法
第3章 模倣の時代
第4章 偉大なる模倣者たち
第5章 模倣の能力とプロセス
第6章 模倣という戦略
第7章 イモベーション 成功の条件
特別寄稿 日本企業のイモベーション

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