2013年2月15日

『1年で成果を出すP&G式10の習慣』杉浦里多・著 Vol.3132

【人材輩出企業P&G社内で行われていること】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396614411

「学ぶ」は「真似ぶ」だとよく言われます。

だとすれば、より良く学ぶには、真似することができるレベル、すなわち「行動レベル」まで落とし込まれた教えであることが重要です。

本日の一冊は、世界最大級の消費財メーカー(売上約7兆円)であり、数多くのCEOを生み出す人材輩出企業としても知られるP&Gの秘密に、「行動レベル」で迫った一冊。

著者は、LVMHで宣伝広報マネージャーを務めた後、P&GでSK-II、パンパース、ブラウンジレットなど多くのブランドのコミュニケーション戦略に関わり、最優秀社員賞を取ったこともある、杉浦里多(すぎうら・りた)氏です。

著者によると、<P&Gでは「言葉」「考え方」「行動」において、全員が行なうようにグローバルスタンダード化された数々の習慣がある>とのことで、本書では、まさにその行動・習慣を紹介しています。

具体的にどんな行動・習慣があるか、気になると思いますので、いくつか紹介してみましょう。

まず一つ目は、「目的の徹底」。

著者によると、<P&Gでは、「目的」がすべて>であり、プロジェクトや会議が始まる時、あるいは部下が上司に助言を求める時でも、必ず「目的は? あなたは私に何を期待しているの?」と確認されるそうです。

二つ目は、「達成できる現実的な数字」と「ストレッチゴール」を必ずセットで設定すること。

具体的には、<ゴールは昨対比105% ストレッチは昨対比110%>というように設定するわけです。

三つ目は、フィードバックを与える、もらう。著者によると、それぞれに作法があり、以下のようにすると、より良いフィードバックが可能になるそうです。

◆フィードバックを相手にあげる方法
1.必ず、相手が聞く耳をもつ状態であること
2.ポジティブで相手にとって意義のあることに集中すること
3.それにより、何がどうよくなるかというつながりと成功像を伝えること

◆フィードバックをもらう作法
1.具体的でピンポイントなコメントを求めること
2.よく分からない言葉やことがあれば、具体例を尋ねること
3.どんな小さなフィードバックの中にも価値を見出し、感謝すること

ほかにも、ネガティブな表現を使わず、

・「できていないところ」と言うのではなく、「これから伸ばす必要のあるところ」「伸びる可能性のあるところ」と言う
・否定的な意見は、「批判された」「注意された」ではなく、「アドバイスをもらった」「ご意見をもらった、教えていただいた」と、改善や成長のヒントをもらったことに感謝する

など、とにかく行動レベルでP&Gの秘密に迫っているのが特長。

デキるビジネスマンになりたい人はもちろん、マネジメントレベルを上げたい経営者にとっても、参考になる一冊です。

これはぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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P&Gでは、「目的」がすべて、です。本当に徹底されているので、プロジェクトがスタートするとき「目的は?」、上司に相談するとき「目的は? あなたは私に何を期待しているの?」、会議が始まるときは全体唱和のように「この会議の目的は?何がアウトプット?」、と、何をするにも目的の確認が入ります

ちなみにP&Gでは、ゴールとしての目標値に加え、さらに背伸びした数字をストレッチゴールとして設定します(例:ゴールは昨対比105% ストレッチは昨対比110%)

例えば、「できていないところ」と言うのではなく、「これから伸ばす必要のあるところ」「伸びる可能性のあるところ」否定的な意見は、「批判された」「注意された」ではなく、「アドバイスをもらった」「ご意見をもらった、教えていただいた」と、改善や成長のヒントをもらったことに感謝します

◆フィードバックを相手にあげる方法
1.必ず、相手が聞く耳をもつ状態であること
2.ポジティブで相手にとって意義のあることに集中すること
3.それにより、何がどうよくなるかというつながりと成功像を伝えること

◆フィードバックをもらう作法
1.具体的でピンポイントなコメントを求めること
2.よく分からない言葉やことがあれば、具体例を尋ねること
3.どんな小さなフィードバックの中にも価値を見出し、感謝すること

P&G元会長のブラッド・バトラーはこのように言っています。「『何が正しいか』は『誰が正しいか』よりずっと重要だというのが、社内に行き渡った姿勢です。P&Gでは事実、真実、論理のほうが個人よりもはるかに大きな権威をもちます」

エントリーポイントを押さえると、ブランドスイッチが起きづらい

元CEOのジョン・ペパー氏は、「最もふさわしいリーダーシップのスタイルは何ですか?」とよく聞かれることに、「質問が間違っている」と答えるそうです。「なぜなら、その答えを聞いてもあなたは何も得られないから。正しい質問は、『特定の状況においてどのような態度や行動を示すべきですか?』であるべきだ」

ホウレンソウ(報連相)、ではなく、ソウレンホウ(相連報)です。報告が先だと、どうしても上司が管理者で、そのとおりにするという、指示待ちの心持ちになります

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『1年で成果を出すP&G式10の習慣』杉浦里多・著 祥伝社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396614411

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◆目次◆

第1章 言葉を変える
習慣1 「目的は?」を口ぐせにする
習慣2 ダメ出しより、まずポジティブな言葉
習慣3 フィードバックの言葉をあげる・もらう
第2章 考えを変える
習慣4 「消費者がボス!」顧客志向で考える
習慣5 リーダーシップは「影響力」と考える
習慣6 「万が一」を想定する
第3章 行動を変える
習慣7 「1ページメモ」で頭を整理する
習慣8 他人の成功体験を徹底的にマネする
習慣9 「量」より「質」の時間管理
習慣10 ボスマネジメントをする

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