2013年1月30日

『リフレはヤバい』小幡績・著 Vol.3116

【アベノミクスで日本経済は今度どう変わるか?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799312936

今日の日経平均株価は1万1000円の大台を突破。それに伴い、『アメリカは日本経済の復活を知っている』はじめ、リフレ派の書籍が売れています。

※参考:『アメリカは日本経済の復活を知っている』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062181517

もちろん、ここまで強気な政策を打ち出せば、短期的に株などの金融商品は上がると思いますが、はたして、その後はどうなるのか。

その見通しを立てるのに役立つのが、本日紹介する『リフレはヤバい』です。

著者は、大蔵省(現財務省)を経て、ハーバード大学で経済学博士を取得した人物で、現在は慶應義塾大学ビジネススクールの准教授を務める小幡績氏。

本書では、リフレにどんな危険性があるのか、円安が日本経済や家計にどんな影響を及ぼすのか、論点を整理しながら説明しています。

なかでも読みどころは、リフレ派が主張するインフレの6つのメリットを、ひとつひとつ否定していること。

◆リフレ派が主張するインフレ6つのメリット
1.お金を貸している人から、借金をしている人への所得移転
2.預金者から銀行への所得移転
3.日銀からの贈りもの
4.実質賃金の引き下げ
5.駆け込み需要
6.デフレスパイラルを防止する

現在の日本経済の状況を考慮し、丁寧に論じていますが、前述の『アメリカは日本経済の復活を知っている』と比べた結果、最大の争点は、「今後需要がどうなるのか」だと感じました。

リフレ派が、インフレで日本経済は良くなると主張するのに対し、この『リフレはヤバい』の著者は、将来の需要増の見込みがない状況では、株価は上昇しても経済は良くならないと主張。

さらに、リフレ政策をとっても、<インフレ期待は、金利と資産価格には反映されますが、モノの値段には反映されない。だからインフレは起きない><今の日本でインフレが起きるとすれば、輸入インフレしかない>と述べています。

また、ここが問題ですが、名目金利の上昇を伴う円安が続いた場合、国債価格の暴落が起きる可能性があると述べ、そのメカニズムを説明しています。

未来のことは誰にもわかりませんが、本書を読めば、今後どんな企業が有望なのか、どんな資産を買っておけばいいのか、どんな経営をすればいいのか、ヒントが見えてきます。

ぜひ、『アメリカは日本経済の復活を知っている』と比べて読んでみてください。

—————————————————
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
—————————————————

端的に言うと、買うのなら、モノを買うのではなく、資産を買っておくのではないか、ということです。ですから、家の値段は上がるでしょう。金利も上がるでしょう

買うのは、株式や投資用不動産となるでしょう。ですから、インフレ期待は、金利と資産価格には反映されますが、モノの値段には反映されない。だからインフレは起きないのです

ふつうのモノは必ず値上がりすると言えるのに、サービスの場合はなぜそうとも言えないのでしょうか。物であるモノとサービスに該当するモノとは、何が違うのでしょうか。それは、サービスを提供する場合のコストのほとんどは人件費だからです

所得が増加しないなかで、物価が上昇すると、買い手はお金がありませんから、物価が上がった分、節約して消費を減らします

今の日本において可能性が高いのは、先ほど述べた円安によるインフレです。円安により、輸入価格が上昇し、資源や穀物の値段が上がって、インフレになるということです

実際は、輸出はドル建てで行っているものよりも円建てのもののほうが多い(中略)一方、輸入のほとんどはドル建てです

ガソリンが二割上がれば、買い物には車で行くが、車でレジャーに行くのは我慢する

円安で注意しなければならないのは、国債価格の下落、すなわち名目金利の上昇なのです

駆け込み需要は、単なる先食いです

物価が下がるから景気が悪くなるのでも、価格破壊競争が起きるのでもなく、所得が下がり、景気が悪くなっているので、需要が弱く、価格競争が厳しくなり、物価も結果として下がるのです(中略)不況の継続を止めたいのであれば、所得を増やして、需要を増やす以外に方法はありません

日本経済にとって必要なのは、雇用です。それ以外はありません。なぜなら、人間こそが、経済を動かす力であり、社会を豊かにするものだからです

————————————————

『リフレはヤバい』小幡績・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799312936

————————————————-

◆目次◆

はじめに
第〇章 リフレ政策とは何か?
第一章 そのとき、日本経済に何が起こるか?
第二章 円安はどのようにして起きるのか?
第三章 円安で日本は滅ぶ──円安で金融市場と日本経済は?
第四章 リフレ派の二つの誤り その1 インフレは望ましくない
第五章 リフレ派の二つの誤り その2 やはりインフレは起きない
第六章 それでもリフレを主張するリフレ派の謎
    ──なぜ、かれらはインフレが好きなのか?
第七章 リフレ派の理論的な誤り
第八章 円安戦略はもう古い
おわりに

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー