2012年12月8日

『絶対に会社を潰さない社長の営業』小山昇・著 vol.3063

【トップ営業こそ中小企業繁栄のカギ?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833420287

人材、あるいは組織の能力を論じる際に、重要なポイント。

それは、「保有能力」と「発揮能力」を分けて考えることだと思います。

どんなにノウハウを持っていても、それを実行し、現場で成果を上げなければ意味がありません。

ビジネス書には、「保有能力」を高めてくれる本と、「発揮能力」を高めてくれる本があると思いますが、本日ご紹介する『絶対に会社を潰さない社長の営業』は、まさに後者にフォーカスした本だと思います。

以前読んだ、『1000人のトップセールスに学ぶ「売れ続ける会社」の営業法則』にも書いてありましたが、ほとんどの会社で営業成績が上がらないのは、実際に営業マンが営業(面談)に割く時間があまりにも少ないから。

ほとんどの会社では、営業マンの時間は移動時間や社内での事務作業に費やされているのが現実で、それゆえ成績が上がらない、というのが前出の書籍の主張でしたが、土井の経験上、原因はほかにもあると思います。

それは、最強の営業マンであるはずの「社長」が営業をサボっているから。

その点を指摘し、トップ営業を成功させるためのノウハウを書いたのが、本日ご紹介する『絶対に会社を潰さない社長の営業』です。

著者は、2000年度日本経営品質賞受賞以来、10年連続増収増益を続けているという、株式会社武蔵野の小山昇社長。

本書では、氏が指導したクライアントの実例と自身の体験から、社長の営業がどうあるべきか、その実際を紹介しています。

<社長が出ていけば、決裁権を持つ人に会うチャンスが増える>
<冷たくされたりしないか、受け入れてもらえそうかの基準ではなく、「どれくらい商売になるか」という基準で訪問先を選ぶ>
<「スモールテリトリー・ビッグシェア」が儲かる>
<同じ六〇分なら、一回で六〇分話すよりも、一〇分間×六回のほうがいい>

多少きわどい話も入っていますが、これも経営の現実ということで、ぜひ押さえておいていただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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中小企業の社員は、機会があったら、もっといい会社に移りたいと常に思っています。でもそうしないで、働いてくれている。ということは、今いる社員が一番いい社員だということです

社長が常に会社に居ると人が育たない

新しいことに挑戦して失敗するのは失敗とは言いません。「一歩前進」です。二回目の失敗も失敗ではありません。これを「確認」といいます(ただし三回目の失敗は「単なるバカ」になるので気をつけなければなりません)

たとえばお客様のところで、「お宅、こんな商品扱ってる?」と聞かれることがあります。こんなとき普通の社員は、自社でそれを扱っていなければ、「いえ、扱っていません」と言います。これが社員の反応です。社員にとっては聞かれたことに正しく答えただけですから、「実はお客様のところで、こんなことを聞かれました」と上司に報告などしません

ヒラの人にいくら営業しても、その人に決裁権がなければ、その先は長い。その点、社長が出ていけば、決裁権を持つ人に会うチャンスが増える

冷たくされたりしないか、受け入れてもらえそうかの基準ではなく、「どれくらい商売になるか」という基準で訪問先を選ぶ

「スモールテリトリー・ビッグシェア」が儲かる

昼間一生懸命やって夕方に上がる人と、昼はサボっていて夜六時過ぎてから営業に行く人では、どちらが熱心か。本当に熱心なのは、かんかん照りの昼間から汗水垂らして訪問している人のほう。でもお客様が「熱心だ」と思うのは私のほうです

同じ六〇分なら、一回で六〇分話すよりも、一〇分間×六回のほうがいい

お客様から問い合わせが来たら、どうして自分の店や会社の存在を知ったのか、つまり認知経路を聞くのです。それから、どうして買ってくれたのか、つまり購買動機を聞き出す

花は半年もしないうちに枯れるから、また新しい花を持って訪ねて行ける

売るためのお金をケチらない

お客様はお客様に紹介してもらうのが一番

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『絶対に会社を潰さない社長の営業』小山昇・著 プレジデント社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833420287

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◆目次◆

第1章 社長よ、NO.1営業マンになれ!
第2章 新規開拓で社長の本領を本揮せよ
第3章 社長がお客様を囲い込め!
第4章 社長が営業に行く仕組み

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