2012年12月6日

『仏の心で鬼になれ。』田中健一・著 vol.3061

【デキる上司の「見えない仕事」とは】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872905881

本日の一冊は、東レインターナショナルを年商500億円から10年で3000億円に成長させ、その後赤字続きで再建不可能と見られていた蝶理を黒字化させた辣腕社長、田中健一さんによる上司論。

ちなみに田中健一さんは、ベストセラー作家である佐々木常夫さんの先輩にあたる方です。

ビジネス書における上司論のトレンドは、「叱る」と「ほめる」の間を行き来しており、本書もまた「叱る」系の本と単純に思っていました。

しかし、実際に読んでみると、これは上司が成すべき「見えない仕事」の要諦をまとめたものであり、上司になる方は、全員が読むべき一冊であると確信しました。

・部下の能力の根底にあるものは何なのか
・どうすれば一見「有能」な部下を排することができるのか
・初めての職場で部下の心を掴むには
・社内政治に負けない上司になるには
・尊敬される上司になるには

良い上司ほど、見えない仕事で部下を支えているものですが、本書には、その詳細が丁寧に書き込まれています。

上司であれば、誰もが悩むことへの答えが、著者の実体験、エピソードとともに綴られており、じつに有用な一冊です。

<リストラは「上から」する>
<「行動指示」をするな、「結果指示」をせよ>
<自分の組織を守り、部下を守るためには、組織の長は社内に無理を聞いてくれる人間をたくさん持っとく必要がある。そのためにも、「交際費」をうまく使う知恵をつけたほうがええ>

実践的なアドバイスも満載で、本当に参考になりました。

これは、上司必読の一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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仕事というのは、問題解決そのもの。お客さんの問題を解決できるからこそ、お金がもらえるわけや。そのためには、まず「問題」を把握できないといけない。そして、その問題を解決するにはどうしたらいいかを、とことん考え抜く問題意識が本物でなければならない。これが、「能力」の根底にあるんだよ

「私に任せておいてください」という部下が最悪

リストラは「上から」する

なんとか味方をつくらんと、リーダーシップの発揮のしようがない。しかし、見渡してもすぐには味方になってくれそうな人間はいない。こういうとき、確実に味方になってくれるのはただ一つ。それが、「数字」や

「行動指示」をするな、「結果指示」をせよ

本当に部下を観ていたら、「褒め方」にしても「叱り方」にしても、一般論で終わるはずがない

「人に好かれたい」と心の底で願っている自分に対して「心を鬼」にする。それが上司の基本だよ

都合の悪いことは早めに耳に入れてくれ──。これを、部下に徹底しておかんと上司は危ない

トラブルが発生したら、とにかく現場に急行する。動いたら、現場には「解決の天使」が待ってくれている

上司の仕事は「事の軽重」を見極めること

自分の組織を守り、部下を守るためには、組織の長は社内に無理を聞いてくれる人間をたくさん持っとく必要がある。そのためにも、「交際費」をうまく使う知恵をつけたほうがええ

部下を売り込む──。これができなければ、上司として一人前とは言えない。そのためには、まず、「手柄」を立てさせてやらねばならん

「情け」を水に流したとき、大きな存在になれる

「田中君、愛情をもって仕事をしろ」
僕は若かったから、「そんな甘いこと言って、それよりも実績でしょう、数字でしょう」とずっと思っていたもんだ。だけど、違うんだな。感謝を求めず、わけへだてなく部下を愛する。それこそが、大きな仕事をするためには大切なんや

信念は、時に決断を大きく誤らせる。人の上に立つ者は、決して信念という美名に酔ってはならない

ただ公なれば則ち明を生じ、ただ廉なれば則ち威を生ず

一人の百歩より、百人の一歩

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『仏の心で鬼になれ。』田中健一・著 WAVE出版

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872905881

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◆目次◆

プロローグ 「捨て駒」のリーダーシップ
第1章 部下を幸せにする義務だけある
第2章 上司は「結果」を出せ
第3章 部下とは真剣勝負せよ
第4章 上司は、上司の仕事をやれ
第5章 上司は断じて行え
第6章 逆境では笑え
エピローグ 一人の百歩より、百人の一歩

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