【給与が増える方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492261052

先日、大阪出張のついでに書店に立ち寄った際、おばちゃんが就活生らしき娘さんを連れていたので、つい「これおすすめですよ」といって、『スタンフォードの自分を変える教室』を紹介してしまいました。

※参考：『スタンフォードの自分を変える教室』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479793631
しかしながら、おばちゃんが手に取ったのは『うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ』。

結局買わなかったようですが、よほど娘さんのことが気になるのでしょう。

「こんなウケ狙いのタイトル、手に取っちゃって」と思いながら、結局気になって、その後土井が買ってしまいました（笑）。

読んでみた感想は、「おばちゃん、買えばよかったのに…」です。

この本、タイトルからは想像もできませんが、じつはものすごく戦略的で、実践的な本です。

どう実践的かというと、戦略的にどう給与を増やすべきか、人事システムの面から論じているのです。

具体的には、「定期昇給」「昇進」「配置転換」という三つのキーワードから給与を上げる方法を指南しており、アドバイスがじつに具体的。

「普通の企業」の場合、定期昇給を狙う、「ブラック型企業」の場合、昇進を狙う、「業績悪化型企業」の場合配置転換を狙うと、論旨が明快です。

さらに、普通の企業で定期昇給を狙う場合、「評価をする上司は、実際のところ、独断で評価をしていない」、だから「できるだけ誰かと一緒に仕事をする」、ブラック企業で昇進を狙う場合、「自分の給与を含めたコストの減らし方を考える」、業績悪化型企業で配置転換を狙う場合、「スポンサーをつくる」など、具体的なアドバイスが展開されています。

業種、職種別の給与の上げ方についても論じられているので一例を挙げると、建設業かつブラック型の場合、「資格を取る」、小売・飲食業かつブラック企業の場合、「ＰＯＳシステムを使いこなし、原価率を覚える」など、かなり具体的。

その理由も併せて読めば、きっと納得すると思います。（経営者の立場からも、「その通り！」と膝を打つ内容です）

給与を戦略的に上げる方法を書いた、ありそうでなかった本。

時代に逆行して給与を上げ続けたい野心的な方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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君の給与は今年増えただろうか。もし君の給与が五〇〇〇以上増えたのなら君はとても良い会社で働いている（中略）実は、日本の会社の四社に一社が去年、昇給をしなかったのだから。さらに、残る三社の内、二社では昇給額は五〇〇〇円未満だった。五〇〇〇円以上の昇給は残る一社。つまり全体の四分の一だった

給与が増えなくなった第二の理由は、人を相場の給与で入れ替えられるようになったからだ

レンジレートという仕組みが、増えない給与の根底にある。レンジレートは転職の相場に合わせて設定された。そして、レンジレートは給与の天井をつくった。そして、レンジレートによって年功昇給はその影をひそめた

一物一価の理屈が給与にもあてはまるようになってきている（中略）第一の理由は転職市場ができたから

君の労働力は、最終的に最安値で売買される。君を昇給させなくても、新しい人を雇えばいい（中略）一物一価は最安値に収れんするのだ

◆給与の増やし方は三つある
１．『定期昇給で給与を増やす』方法
２．『昇進で給与を増やす』方法
３．『配置転換で給与を増やす』方法

なぜ一人で仕事をしてはいけないのか。それは、昇給のための評価をする上司は、実際のところ、独断で評価をしていないからだ

◆ブラック企業で給与を増やす（昇給）ためのポイント
１．自分の給与を含めたコストの減らし方を考える
　　＝給与は増えないものと割り切る
２．売上を増やす活動に力を注ぐ
　　＝単純作業で人を育てる
３．上司の仕事を真似る
　　＝できない上司でも上司になっている理由があることを理解する

「伸び盛りで、経営層にも期待されていて、人員が少ない部門」を配置転換で目指すべきだ

製造業で昇進するために必須の知識は『生産管理』だ

明確に決まっている仕事は、人の入れ替えを簡単にしてしまう

小売・飲食業で配置転換を目指すのなら、重要なことは専門性だ。私が見てきた中で特に有効なものはマーケティングについての専門性だった

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『うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ』平康慶浩・著　東洋経済新報社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492261052

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◆目次◆

第１章　給与が増えなくなったのは君だけじゃない
第２章　君の給与を増やすための基本ルール
第３章　業種別の給与の増やし方
第４章　職種別の給与の増やし方
第５章　二重苦企業から脱出したい君へ
第６章　希望は人事制度の中に必ずある
第７章　ハケン・アルバイトから抜け出せない君へ