2012年9月14日

『10年先まで生き抜くリーダーの条件』長谷川和廣・著 Vol.2978

【今後10年、生き抜く経営とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761268557

本日の一冊は、22万部突破のベストセラー『社長のノート』シリーズの著者、長谷川和廣さんによる注目の新刊。

※参考:『社長のノート』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761266031

これまでに2000社を超える企業の再生事業に参画し、赤字会社の大半を立て直した実績を持つ著者だけに、社長には手厳しい。

・業績悪化の原因が見えていないリーダーは、その座にいる資格はない
・これから先、業績悪化企業は確実に見捨てられる
・3カ月で黒字化の見通しが立たない企業や部門は、将来の見込みはない

など、業績の悪い会社には、歯に衣着せずに最後通牒を突きつけています。

読んでいて興味深かったのは、現在、経営計画書作成の重要性が高まっているということ。

著者によると、<金融庁は、中期経営計画が提出できないような企業には、これから先融資をしてはいけないという指導を始めた>らしく、また経営計画が作れる企業には、アジア市場への進出支援という名目で、融資をする都市銀行も出始めているようです。(日本政策投資銀行が総合商社の双日と組み、中小企業のアジア市場への進出を支援する動きが始まっている)

ほかにも具体的な経営改善策として、以下のようなアイデアが
示されています。

・冗費を見抜く
・売掛金回収サイトの短縮化で資金繰りを好転させる
・2%の値下げに応じていただく
・不良在庫の償却を徹底
・企業の経営数字を全社員に公開

いずれも、再生の現場ではごく常識的な内容だと思いますが、できていない企業にとっては、改善のきっかけになる内容が多いと思います。

自社の現状をチェックするために、また改善のきっかけをつかむために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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中国とインドが国際競争力を手にした最大の要因は、良い製品を安い人件費で製造できる点にある。日本企業が中国やインドと伍していこうとするならば、日本人の賃金ダウンは必須条件

お客様のニーズを大切にするということは、お客様のニーズの変化に敏感である必要がある。製品やサービスがお客様に受け入れられなくなったという異常値を感知することが重要なポイント

これから先、業績悪化企業は確実に見捨てられる。金融機関の対応が変わってきたからだ。金融庁は、中期経営計画が提出できないような企業には、これから先融資をしてはいけないという指導を始めた

最近は、中小企業のグローバル市場への進出に対して都市銀行が支援の手を差し伸べている。日本政策投資銀行が総合商社の双日と組み、中小企業のアジア市場への進出を支援する動きも始まっている。かつてのように、資金の出し手は地方銀行や信用金庫に限定されていない。とはいえ、金融機関とて、盤石な経営計画を持たない企業には資金を出さない。リーダーは、金融機関を納得させるに足る経営計画を書けなければならない

業績悪化に陥っている企業や部門には、ほとんどのリーダーが気づいていない冗費が転がっている

売り上げを上げることに前のめりになるあまり、自社にとってあまり有利でない取引条件を認めてしまう。販売奨励金などを無尽蔵に与えて取引先とずぶずぶの関係にはまり込む。さまざまな無駄な経費が生まれ、顧客との取引関係を維持するためにそれが増える一方になる。業績悪化企業を詳細に調べていくと、こうしたケースに陥っている企業が圧倒的に多い

不良在庫の償却を徹底しなさい

消費者が望んでいる「競争条件」を洗い出せ

公開する経営数字は役職ごとに分けて考える

単調で辛い仕事を全社員で分かち合う

変えようと思わない人は、変えようと思っている人の足を引っ
張るもの

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『10年先まで生き抜くリーダーの条件』長谷川和廣・著 かんき出版

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◆目次◆

序章 企業の生死はリーダーで決まる
第1章 リーダーとは「利益を出すシナリオ」を描ける人である
第2章 「利益を出すシナリオ」の描き方
第3章 ヒット商品を生み出すのがリーダーの責任だ
第4章 「社員の意識改革のシナリオ」はこうすれば描ける
第5章 一人ひとりを戦力化する「部下指導のシナリオ」
終章 「利益を出すシナリオ」を実現した先にある企業の使命

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