2012年6月30日

『あきないの心』倉本初夫・著 Vol.2901

【商売十訓+倉本長治の名言】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785504331

本日の一冊は、商業界の創始者で、日本の商業近代化に貢献した故・倉本長治氏の教えを、現在の商業界主幹、倉本初夫氏がまとめた一冊。

有名な「商売十訓」にはじまり、氏が遺した数々の教え・戒めがコンパクトな新書サイズにまとめられており、商売人にはそそられる企画です。

土井の父親も生前、信用の大切さや適正利潤の話、不況にこそ稼げる会社を作れ、などといった教えを遺して亡くなりました。

商売人の子どもであれば、幼少期に多かれ少なかれこうした教えを受けているものだと思いますが、本書はそんな教えを、倉本長治氏の名言と、倉本初夫氏の解説で読める一冊です。

「お客の求めるものと必要なものだけ扱う」「お客に有利なことは何より早く広告する」「自分と差別なくお客や従業員を尊重する」などと綴った「善き商人のための処方箋」や、つつましやかな生活で、消費者の負担を減らせと説いた「商人の信条」など、ポケットに入れて持ち歩きたい名言が満載です。

個人的には、氏が大事にしていたという、「なくてはならぬ人間になれ、いなくても判る仕事をせよ」という言葉が気に入りました。

若干、同じような内容の繰り返しが気になりますが、それでも商売人は必読の一冊。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆商売十訓
一、損得より先きに善悪を考えよう
二、創意を尊びつつ良い事は真似ろ
三、お客に有利な商いを毎日続けよ
四、愛と真実で適正利潤を確保せよ
五、欠損は社会の為にも不善と悟れ
六、お互いに知恵と力を合せて働け
七、店の発展を社会の幸福と信ぜよ
八、公正で公平な社会的活動を行え
九、文化のために経営を合理化せよ
十、正しく生きる商人に誇りを持て

商人はお客の「幸せ」を一層増やすために、つねに適正な儲けを得る義務があり、その責任を負っているのだ

店はお客のためにあるのであり、その商店のためにあるのではない。店が狭いからとて恥じることはない。その店が正しいかどうかこそ問題なのである

「正しきに依りて滅ぶる国あらば滅びてもよしかならず滅びず」
(平田篤胤の歌から)

◆善き商人のための処方箋 ※一部紹介
・お客の求めるものと必要なものだけ扱う
・お客に有利なことは何より早く広告する
・自分と差別なくお客や従業員を尊重する

無駄のない経費とつつましやかな生活とで、消費者の負担を出来得る限り軽くするよう努めることが、正しい報酬と永遠の繁昌をもたらす唯一の道である

商売は、誰かに勝つためにあるのではないから、負けるという相手方などがあるのが不思議なのである。商売というものは、お客さまのためにあるのであって、相手と考える唯一のものは、そのお客さまなのである

なくてはならぬ人間になれ、いなくても判る仕事をせよ

諸君が商品やサービスを売るたびごとに、支払いをせずして買えるものがある―それは悪評か好評かのどちらかである

不況は商人を鍛える

大衆の不幸や災害につけこんで、「一時の儲け」を狙うバカは、店の永遠の繁栄を自ら捨てる者である。人というものは、ある一時の親切をも生涯恩に感じるものなのである。それなのに、何故、人びとが困っている時、親切を尽くすという本当の商売ができないのか

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『あきないの心』倉本初夫・著 商業界
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785504331
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◆目次◆

※多過ぎるので省略します。

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