2012年5月17日

『「処方せん」的読書術』奥野宣之・著 Vol.2857

【心を強くする読書とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041102375

本日の一冊は、ベストセラー『情報は1冊のノートにまとめなさい』の著者、奥野宣之さんによる読書論。

※参考:『情報は1冊のノートにまとめなさい』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901491768

サブタイトルに「心を強くする読み方、選び方、使い方」とあるように、心を強くするための読書術を説いています。

普段、ビジネス書ばかり読んでいると、上手くいくための方法論ばかりに目が向きがちですが、理念を実現するためには、やはり心の強さが不可欠。

そういう意味で、本書は一読に値する内容だと思います。

本書のなかで著者は、<「徹底した主観」に基づく「自分のためだけの読み方」>を推奨しています。

なぜなら、<「主観的な読み方」でしか、自分は救えない>からです。

最近は、SNSが流行し、まさに衆人環視のなかでみなさん発言をするわけですが、そこではどうしても客観的な視点を意識せざるを得ない。

しかし、大事なのは客観評価ではなく、自分にとってどう役立つかであり、今の気分にどう作用するか。

そこで著者は、徹底した自分主義で読書を心のビタミンにする、あらゆる読み方を提唱しています。

「他人の不幸に癒される」ための本選び、清濁併せ飲む読書、小説の感動シーンをマーキングする習慣、本棚の中に「神棚」を作る試み、「読む環境」と「読む内容」を組み合わせる方法…。

<「読む環境」と「読む内容」を組み合わせる>は、土井も旅行の際などにやっていますが、<小説の感動シーンをマーキングする>は、やっていなかったので、さっそく実践してみようと思います。

また、自宅に「殿堂入り本」専用の本棚はありますが、「神棚」までは行かないので、これもやってみようと思いました。

自分主義の生きた読書をするために、ヒントがたくさん見つかる一冊です。

これはぜひチェックしておきましょう。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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文芸評論家の加藤周一氏は、『読書術』(岩波書店)で、「どんな本を読んでも、人はみな自分をその中に発見する」と言いました

「不景気の日本で急成長を続ける業種の一つは間違いなく不安産業だ」作家の橘玲は『知的幸福の技術』(幻冬舎)の中でこう書いています

レビューを書いたり、友達に話したりするための「客観的な評価」とは別回路として、「徹底した主観」に基づく「自分のためだけの読み方」を持っておく。「主観的な読み方」でしか、自分は救えない

昔から本には、自分より悲惨な人を見て、自分の幸せを確かめる、言い換えれば「他人の不幸に癒される」という役割があるのです。だから読者は、堂々と「他人の不幸」を求めて、本を選べばいい

清濁併せ飲む好奇心を持つ

競争、評価、比べ合い、勝ち負けといった尺度から距離を置いて、群衆の中のひとりの人間として、自分のことを見ることができる。図書館は、本を借りたり読んだりするだけの場所ではありません。その誰をも拒まない空気が貴重なのです

小説を読んでいて心が動かされたシーンがあれば、ページの角を折っておくことにしています。で、読み終わったら、二、三の「ぐっとくるシーン」をマーカーなどでマーキングしておく。こうすれば、いつでも名シーンだけを読み返すことができます

「こういう本を読む人間でありたい」「こういう本を愛する人間だと思われたい」という意識で本棚に本を並べることで、本当にそういう人間になっていく

窒息するような、「空気」の読み合い。その隘路にはまりこまないためにも、自分を扇動する本を持っておくべきでしょう

本棚の中に「神棚」を作る

折れない心を持つためには、世界の暗部を見つめることが必要

感動は共有したら減る

「読む環境」と「読む内容」を組み合わせる

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『「処方せん」的読書術』奥野宣之・著 角川書店
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041102375
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◆目次◆

序章 生きづらい時代だから本を読む
第一章 不安をしずめる読書―鎮静剤
第二章 前向きな気持ちを起こす読書―気付け薬
第三章 折れない心を作るための読書―栄養剤
第四章 自分を取り戻すための読書―体質改善
第五章 もっとメンタルに効かせるための工夫

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