2012年4月22日

『人は語感でいい・悪いを決める』黒川伊保子・監修 感性リサーチネーミングラボ・著 Vol.2832

【語感の力?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309498353

本日の一冊は、『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』で話題を呼んだ、黒川伊保子さん監修による一冊。

※参考:『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106100789

『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』は、言語学者の間では、批判が多い作品だったようですが、一般書としてはなかなかない切り口だったため、好評を博しました。

今回の本は、黒川さんが代表を務める株式会社感性リサーチの研究員である2人が執筆を担当。

会話やネーミングにおける「語感」の大事さ、同じ意味でもまったく印象の違う複数の言葉を取り上げ、「語感」の本質に迫っています。

なぜ「ありがとう」がみんなを幸せにするのか、また会いたい人へは「さようなら」より「またね」がいい理由、男をとりこにするほめ言葉、世代ごとに異なる好きな言葉・嫌いな言葉など、マーケティングに使えそうなヒントがたくさん載っています。

同じような記述が続き、読み疲れしてしまう点や、こじつけ感のある記述は気になりますが、男女で違う語感力など、気づかない点がいくつもあり、参考になりました。

教養として、軽い気持ちで読むには、いい一冊だと思います。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「オレ」は、口腔に大きな閉空間をつくり上げる「オ」と、口腔を低く広くして、舌をぐっと引く「レ」の組み合わせ。この、大きさを感じさせる「オ」と、ぐっと引く感じの「レ」の組み合わせは、「大きく偉そう」「たいそうで、もったいぶった」印象をつくり出します

「ワタシ」は、膨らむ印象の「ワ」、しっかりした「タ」、爽やかな風「シ」の組み合わせ。たしかな信頼感と颯爽とした印象を残す、オトナの一人称

「アイウエオ」の母音は、自然発生音で、息を擦ったり破裂させたりするなどの威嚇効果がないため、「心の素直な開示」を感じさせます

「さよなら」の「サ」は、狭くした口の中で起きた風が、母音「ア」で、高く開けられた口から放出され、発音される音。サッと息が消えて、後腐れのない感じをつくります

じつは、男性陣に圧倒的な支持を誇る褒めワードが存在するのです。それは「さすが!」と「すごい!」のふたつ(中略)音韻からみると、ふたつには共通点があるのです。それは、サ行音+ガ行音の音並びであること。「サスガ」はサ行音がふたつ連続したあとに「ガ」のガ行音が追随します。「スゴイ」はサ行音のあとに「ゴ」がきますね。ガ行音(ガギグゲゴ)は、男性の好む代表的な音なのです

もうひとつ。男性が女性に言われてうれしい珠玉のことばがあるのです。それは「初めて」

次なるステージに向かって重い壁を突破する、切り拓く力を「キ」の語感ははらんでいます

「感謝しております」「恐縮ですが」「かしこまりました」でクレバーな印象に(中略)カ行音のもたらす合理的な印象は、ビジネスシーンで大活躍してくれるのです。“デキるヤツ”と思われたかったら、このカ行で始まる音を多用してみてください

結論を出すときは「では、こうしましょう」が効く

45歳~60歳の男性はサ行音が嫌い

ガ行音の偉大さを女性は感じない

あらゆる世代の女性はラ行音を愛する

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『人は語感でいい・悪いを決める』黒川伊保子・監修感性リサーチネーミングラボ・著 河出書房新社
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◆目次◆

第1部 コミュニケーションの力が断然アップする!「ことば」の語感
第2部 18タイプの音の印象をまとめて紹介!「音韻」の語感
第3部 あなたやアノ人の性格や特徴がみえてくる!「名前」の語感

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