2012年2月29日

『第3の案』スティーブン・R・コヴィー、ブレック・イングランド・著 Vol.2779

【スティーブン・R・コヴィー博士、待望の新作】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863940181

本日の一冊は、世界的ベストセラーとなった『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー博士による待望の新作。

※参考:『7つの習慣』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4906638015

タイトルとなっている『第3の案』とは、二者択一の対立を超え、第3の道を模索するアイデアのことですが、まさかそこにわれわれの態度や不安心理、愛が影響しているとは知りませんでした。

本書によると、われわれが「第3の案」に至るには、以下の4つのパラダイムを手に入れる必要があるそうです。

1.私は自分自身を見る
2.私はあなたを見る
3.私はあなたの考えを求める
4.私はあなたとシナジーを起こす

著者によれば、「二者択一思考の人が他者を攻撃するのは、不安だから」であり、また「自分の領分、セルフイメージ、アイデンティティが脅かされていると感じてしまう」から。

本書には、読者がこういった弱い気持ちを乗り越え、より良い解決策を見い出すためのポイントが書かれています。

「シナジーに到達する四つのステップ」や、「公平という原則を超える基準を見つけること」など、視野狭窄に陥っている組織・個人には目からウロコの考え方が満載です。

なかでも、違反切符の代わりに「ポジティブ・チケット」を作った警察の話は、そのアイデアもさることながら、付随するエピソードに心を打たれました。

『7つの習慣』以来、ひさびさにインパクトのある一冊が登場しました。

これはぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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アルベルト・アインシュタインはこんな言葉を残している。「われわれが直面する重大な問題というものは、その問題を引き起こした時と同じレベルの思考では解決できない」最も困難な問題を解決するためには、考え方を根本的に買えなくてはならない

他者の意図、文化的背景、政治的・社会的プレッシャーにどっぷりと漬かっていると、自分が何者であるか、人生で何ができるのかを見失ってしまう

物語には英雄でも悪役でもない第三の声がある。それは物語を語る声だ。真の自己認識があれば、自分は自分の物語の登場人物であると同時に、語り手でもあることに気づく。私たちは物語に書かれる登場人物だが、それを書いているのは私たち自身なのである

有能なリーダーは、対立を否定もしなければ、抑えこもうともしない。前進する絶好のチャンスととらえる。対立を生む問題を明るみにし、それに本気で取り組まない限り、成長も、発見も、革新もなく、むろん平和もないことを彼らは知っている

感情移入、あるいは共感とは何だろう? イスラエルの哲学者ケン・ランパートは的確な定義を示している。「共感は、他者の心のなかに自分自身を見出した時に起こる。他者の目を通して現実を観察し、他者の気持ちを感じ、他者の痛みを共有するのである」

◆シナジーに到達する四つのステップ
1.「あなたも私も考えたことのない効果的な解決策を探してみないか?」と問いかける
2.「良いアイデアはどのようなものだと思う?」と質問する
3.基準を書いた紙を壁に貼ったら、その基準を満たす解決策を検討し始める
4.室内が興奮で包まれれば、シナジーに到達したと思っていい

第3の案を探す人にとって問題なのは、公平という原則を超える基準を見つけること

顧客の考えていることは何か、それに対して自分にできる貢献は何かがわかったら、それに従って自分が提供するサービスに値段をつけることができる。サービスの価値が価格リストを大きく上回るかもしれないし、逆に請求金額はごくわずかですむかもしれない

ごく簡単なカウンタータイプがビジネスのあり方を一変させることがある。たとえばレンタカー店のカウンタータイプは、客が車を借りにくるのを待つのではなく、客のもとに車を持っていく

「我々警察官は違反切符を切るのが普通です。それを逆さまにして、法律を守った切符を切ったらどうだろう?何かのためになった行いに切符を切るとしたらどうだろう、と考えたのです」こうして、「ポジティブ・チケット」というアイデアが生まれた(中略)育ての母親は目に涙をためながら、ポジティブ・チケットがジョンの部屋の壁にピンで留められたままなのだと話した。先日、なぜチケットを使わないのかジョンに尋ねたところ、こう答えたという。「絶対に使わない。おまわりさんが言ったんだ。君は素晴らしい子だ。何でもなりたいものにきっとなれる、とね。だからチケットはずっととっておく」

私は、幸福を長く続かせる鍵は奉仕であると思う。奉仕こそ人生の真の成功を測る基準なのである

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『第3の案』スティーブン・R・コヴィー、ブレック・イングランド・著 キングベアー出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863940181
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◆目次◆

第1章 転換点
第2章 第3の案 :シナジーの原則、パラダイム、プロセス
第3章 職場での第3の案
第4章 家庭での第3の案
第5章 学校での第3の案
第6章 第3の案と法律
第7章 社会における第3の案
第8章 世界における第3の案
第9章 第3の案の人生
第10章 インサイド・アウト─内から外へ

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