2011年5月27日

『矛盾があるからヒットは生まれる』稲船敬二・著 Vol.2501

【カリスマゲームクリエイター初の著書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163740406

本日の一冊は、あの『ロックマン』のキャラクターデザインを手掛け、シリーズ総販売数2800万本を達成、その後『バイオハザード2』、『鬼武者』シリーズなど、数々のヒットを生んできた稲船敬二氏による一冊。

カリスマゲームクリエイターの初の著書ということで、当然注目が集まりますが、正直、コンセプトがあいまいです。

本書の主題が「コンセプト」だっただけに、書籍でも斬新な切り口を期待していましたが、やはり商品が変わると、表現も変わってしまうものなのかも知れません。

ただ、仕事術としては参考になる一冊で、人員を確保するために頭を下げる話や、「一番よいプロデュースは、プロデューサー自身が何もしないこと」という話、「オリジナルを求められているなら、まずはいろいろなものを混ぜる」という話など、いくつも仕事のヒントが提示されています。

どんなお仕事の方でも参考になると思いますが、クリエイター系の方には、とくにいい刺激になることと思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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面白いゲームを作るためなら頭を下げてだって人を借りてくる

大きい会社だと看板作品を作っている人間がエリートです。たとえば、カプコンなら『モンスターハンター』、スクウェア・エニックスだったら『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』を作っている人が、社内のエリートです。新しい挑戦に参加することは、厳しい言葉でいうなら二軍に行くことになるのです。ほとんどの人は一軍になりたいわけですから、わざわざ苦労する二軍に行こうとはしません

「儲からなくても金持ちにしてあげよう」という甘やかしのままでは、決して良い結果は生まれない

一番ダメなのはブランドを確立していないときに独立してしまうこと

一番よいプロデュースは、プロデューサー自身が何もしないことです。仲間が自分の意図を汲んでくれた上で、自由に作品を作っていくことが、ボクは最上のプロデュースだと思っています

あくまでも仲間たちに「作ってもらう」のがプロデューサーの仕事なのです。ですからクリエーターが「作りやすい」、営業が「売りやすい」、広報が「宣伝しやすい」という環境を作ることが一番大事な仕事です

ペットボトルそのものを考え出したことが一番素晴らしいこと

矛盾している人間こそ、コンセプトを生み出すコンセプターになれる可能性が高い

言い訳をしてしまうと「反省」という大切なものをなくしてしまいます

この人はこの部分だけ尊敬すればいい、と割り切ってしまえばよい

運というのは不思議なもので、波が大きくあります。これまで絶好調だったものがストンと落ちます。こういうとき運が良かっただけの人は、実力がないから何もできない

他人を見る距離と自分を見る距離を同じにすること

オリジナルを求められているなら、まずはいろいろなものを混ぜる練習をしてみてください

忘れてしまうような情報は捨てる

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『矛盾があるからヒットは生まれる』稲船敬二・著 文藝春秋
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163740406

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◆目次◆

1.ボクはコンセプターになります
2.コンセプターはどんな仕事をする人か
3.コンセプトを決めて自分と向き合う
4.コンセプトが生まれたらとにかく周りに話す
5.英語が話せなくても海外で仕事ができる

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