2010年5月26日

『人間交際術』アドルフ・F・V・クニッゲ・著vol.2135

【100年読み継がれる、ドイツ人の社交バイブル】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781603890

本日の一冊は、ドイツを中心に、ヨーロッパで100年以上読まれている社交および人間関係の名著。

以前にご紹介した『オスカー・ワイルドに学ぶ人生の教訓』も社交の本で、オスカー・ワイルドらしいウィットに富んでいましたが、本書は、どちらかといえば、ビジネスにおいて求められるベーシックな人間関係術です。

※参考:『オスカー・ワイルドに学ぶ人生の教訓』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763199579

得をしても自分の手柄にしない、苦境を訴えない、軽率でおしゃべりな人には、秘密を打ち明けてはいけないなど、ビジネスで足元をすくわれないための処世の術が満載。

どんな人でも、ひとつは身につまされる話が入っているはずです。

最近は、ツイッターの影響で、「他人あるいは真実を犠牲にしてまで座を盛り上げようとする」人が見受けられますが、著者によると、これは「最終的には遠ざけられ、軽蔑され」るとのこと。

やはり人生で成功するには、人間を知ること、そして自分を戒めることが必要なのでしょう。

見開き2ページで1つの教訓、というシンプルな構成のため、細切れ時間を使った読書には最適です。

ぜひこれは買って、手元に置いておきましょう。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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他人の評価を気にしすぎない

人のおかげで得をしたのに、自分の手柄だと思ってはいけません。社会的地位のある人物とつながりがあるために丁寧な扱いを受けたり特別扱いされたりしても、鼻を高くしてはいけません。謙虚になって、その人がいなければ自分はこんな扱いはしてもらえないのだと思いなさい。そして、人の助けを借りなくても尊敬される人間になるよう努力しましょう。彼方の太陽から光を受けて輝く大きな月よりも、惑星の周りをぐるぐる回って光る衛星よりも、ほの暗い片隅で、みずからの光で輝いているあなたのほうがずっと尊いのです

自分の苦境を訴えない

多くの有能な人が、自分から懇願したり頭を下げたりできなかっただけで、同胞の役に立つ機会を得ることなく、埋もれたまま一生を終えてしまうのです

知っておくべき事実なら、愚者から聞くのが一番です。愚者なら話を面白くしようと誇張したり尾ひれをつけたりしませんし、よけいな感情を込めたり、巧妙な作り話もしないからです

最後まで話すつもりがないなら、初めから口をつぐんでいるほうがよほどましです

他人の家庭に意見しない

言葉や知識は小出しにする

人の容姿、体形、顔立ちを嘲笑してはいけません。誰にもそれを変える力は備わっていないのです

社交の場へ出かけていくときは、過大な自尊心は持ってはいけません

あなたにとって最も誠実な友である自分自身を軽んじてはいけません

恩知らずな人は、ときに私たちを裏切ります。あなたが慈悲深く寛容であれば、たとえ恩知らずな仕打ちをされようと、そこからまた別の満足感を見出すことでしょう。すなわち、自分は人間としてやるべきことを、愛のみから行ったのだと自覚することで、新たな喜びを感じるのです

軽率でおしゃべりな人には、秘密を打ち明けてはいけません

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『人間交際術』イースト・プレス アドルフ・F・V・クニッゲ・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781603890

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◆目次◆

はじめに
第1章 人づきあいが楽になる智恵
第2章 自分も周りも愉快になる会話
第3章 一歩抜きん出る人づきあいの秘訣
第4章 どんな人ともうまくつきあえるコツ
第5章 友人や家族、隣人、異性とのつきあい方

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