2010年2月22日

『あの社長の羽振りがいいのにはワケがある』 見田村元宣・著 vol.2044

【羽振りがいい理由?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883998878

昔、経営者だった父がいつも資金繰りの話をしているのを聞いていて、なぜこんなに頑張っているのにお金に困るのだろう、と疑問を抱いたことを覚えています。

その後、大学で経営を学び、企業が本業に集中するため、何をすればいいのか、自分なりに考えて今の会社を作りました。

創業する際、もっとも気をつけたのは、資金繰りです。

この資金繰りがうまくできれば、お客様に貢献する仕事だけに専念できる。

しかしながら、ほとんどの会社は、お金が足りないという理由だけで、本業以外の仕事に追われています。

本日ご紹介する一冊は、そんな余裕のない会社を、「羽振りのいい会社」に変える、ちょっとしたヒントを書いた一冊です。

ここでいう「羽振りがいい」とは、「地味であっても着実に利益を出し、市場が変化しても対応でき、長く経営を続けていける」会社のこと。

つまり、長期にわたって社会の公器となるために、会計上、どんな経営をすればいいかを指南したのが本書なのです。

出だしでいきなり面白かったのは、3月決算をやめ、「1年の間で最も儲かる月を期首にしてしまう」というアイデア。

エリエスも3月決算は避けていますが、こういう視点は正直、ありませんでした。

また、変動費中心型ビジネスと固定費中心型ビジネスの違い、それぞれのビジネスで利益を出す考え方など、マクドナルドの例などを挙げながら示しています。

本書には、このほかにも、キャッシュフロー経営を実現し、「羽振りがいい」会社になるためのヒントがいくつも示されています。

中小企業の経営者はもちろん、経営者目線でお金を考えられるようになりたい人にも、おすすめの一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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同じ市場、同じ規模、同じビジネスモデルでもA社はうまくいっているけれど、B社はうまくいっていないということが普通に起こる

私は子供のころから「情を忘れるような冷たい人間になってはいけない。しかし、情に流されていいことはひとつもない。だから、お前は絶対に情に流されてはいけないよ」と教えられて育ちました

会社にとって一番得なのは、1年の間で最も儲かる月を期首にしてしまうことです。なぜなら、期首に上がった利益を最大限有効活用できるからです

◆最も儲かる月を期首にするメリット
・期首で上がった利益は節税にかける時間がある
・税引前の利益を設備投資や広告宣伝費などに使える
・儲かったお金で固定資産を買った場合、減価償却費をまるまる1
年分計上できる
・予想より利益が少なかった場合、1年間かけて経費削減等をし、
黒字化対策ができる

「売掛金」と「在庫」を一刻も早く現金化しよう

売掛金を小さくする方法は、ひとつが確実に回収し未収をなくすことです。新規の会社との取引きであれば、取引前に営業保証金をもらうこともひとつの手段でしょう。そうすれば、回収できない場合、その営業保証金と相殺することができるからです

回収までのサイトをできるだけ短く設定すること

変動費中心型ビジネスは、固定費中心型と比べると、比較的安定した経営を行うことができます

変動費を減らすには、小売業だと、現金による大量仕入れ、支払手形などの決済方法を現金決済に変更することによる値引き交渉、仕入先の見直しで仕入単価を下げることなどが考えられます。製造業だと、製造工程の変更、物流コストの見直しなどが考えられます

消費者にとっては一見同じに見える「5個買うと1個はタダ」と「全品20%引き」ですが、実は前者のほうが利益率も高く、利益額も大きくなる可能性が高くなります

固定費中心型ビジネスの場合、値下げしたことが大きく販売個数の増加に結びつくならば、利益は一気に増える可能性がある

効率よく稼げるのは「回転率」のいい商品

前受金をもらえば「資金ショート」は防げる

資本金が1億円以下であれば、交際費は一定額までは経費になりますが、資本金が1億円を超えている場合、交際費は1円も経費になりません

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『あの社長の羽振りがいいのにはワケがある』すばる舎リンケージ 見田村元宣・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883998878
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◆目次◆
はじめに 羽振りのいい社長たちが共有する「お金に困らない方法論」
第1章 会社を潰さないための絶対法則
第2章 社長が知らない「人」と「モノ」と「カネ」の制し方
第3章 投資を確実に回収するためのシミュレーション
第4章 「羽振りのいい社長」がこだわる意外なポイント
第5章 ここからが本番!会社に蓄えを作る方法

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