2009年12月17日

『新・プラットフォーム思考』平野敦士カール・著 vol.1977

【プラットフォームを制する方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023304778

グーグル、楽天、ヤフオク、Suica、iPhone、グリー…。

みなさんは、成功しているこれらの企業に共通する戦略が何だかおわかりでしょうか?

そう、答えは「プラットフォーム戦略」。

自分で商品を作るのではなく、他人の商品やコンテンツ、あるいは人を集めてプラットフォーム化する、そんな戦略を採用した企業が、ことごとく成功を収めているのです。

ただし、このプラットフォーム戦略、単純に人やモノを集めただけでは成功させることはできません。

そこで、ご紹介したいのが、本日の一冊『新・プラットフォーム思考』。

かつてNTTドコモのおサイフケータイ普及の責任者を務め、最近では、ハーバード・ビジネススクールの最年少准教授、アンドレイ・ハギウ博士とともに戦略コンサルティング会社を経営しているという平野敦士カールさんが、これまでに得た経験から、このプラットフォーム戦略を体系化した、注目の一冊です。

「自動車が無料になる日」という衝撃のレポートに始まり、楽天やNTTドコモ、グリーなどの事例、ビジネスモデル、そして実際にビジネスを進めていくためのフレームワークまで、じつに幅広く論じています。

また、このプラットフォーム戦略を実行に移せる新しい時代のリーダー像なども掲げられており、リーダーシップ論としても読むことができます。

著者はこれまで、自己啓発書など何冊か出されていますが、これこそが一番聞きたかった内容。

先日紹介した『フリー』同様、マーケターなら読んでおきたい一冊です。

※参考:『フリー<無料>からお金を生みだす新戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140814047/

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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いまは、自動車はモノとして販売されていますが、将来的に電気自動車が普及した際にはプラットフォームとして人々に無償で提供される可能性もあるといわれています。携帯電話のように電気自動車はゼロ円で販売し、充電料金で回収していくモデル、あるいは自動車がネットワークにつながれば現在のパソコンのように検索連動広告や行動ターゲティング広告、保険の販売やeコマースなどによる回収モデルなど多様なビジネスモデルが登場するかもしれません。すでにグーグルは電気自動車やスマートグリッド(賢い送電線網)への参入を表明しています

合コンでは幹事が一番得をする

楽天の収益は、当初は出店料だけでしたが、その後会員が増えて集客力が増してからは、売上連動の収入も得るモデルに変更しました。サーバー運営コストなどを考えればある意味合理的なものですが、当時はかなりの店側からの反発があったようです。しかしそれでも出店が後を絶たないのは約4000万人の会員網を築いてしまったプラットフォームの強さがあるからでしょう

集客ができるようになれば、「なにが売れているか」というマーケティング情報をいち早くつかむことができるため、たとえばコンビニのプライベートブランド製品のように「自社で粗利率の高い製品を売る」ことによって高い収益を得ることができる

プラットフォームの特色を、類似の他のものとは違う「一言でわかるようなキャッチフレーズ」であらわせるかどうかです。つまり、魚なら築地市場、ネットでの買い物なら楽天、検索ならグーグル、オークションならヤフオクというようなブランドイメージを作れるかどうかということです

◆プラットフォーム創造のフレームワーク
STEP1 社会の変化、規制緩和という大きな流れをとらえて不満を探す
STEP2 ターゲットとなるグループを特定する
STEP3 プラットフォーム上のグループが活発に交流する仕組みを作る
STEP4 キラーコンテンツを用意する
STEP5 価格戦略を立てる
STEP6 価格以外の魅力をグループに提供する
STEP7 プラットフォーム上のルールを決めて管理する

現代は、一人ではついていけないほど、ニーズや技術などの変化が速すぎる

一緒に考えてもらうメリットは、人の知恵が得られることだけではありません。モチベーションを高めることができるのです

相手のニーズを聞き出したら、まずはそれに応えること
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『新・プラットフォーム思考』朝日新聞出版 平野敦士カール・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023304778
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◆目次◆
第1章 なぜいま新・プラットフォーム思考のリーダーが求められ
ているのか?
第2章 「プラットフォーム」は億万長者のビジネスモデル
第3章 企業はなぜ中間管理職のリーダーを求めるのか?
第4章 誰でもリーダーシップが身につけられる15の鉄則
第5章 「プラットフォーム」を最大化する18のアライアンス術
第6章 時代を読むための知識が身につく「プラットフォーム」勉強法

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