2009年11月23日

『仕事で大事なことは『坂の上の雲』が教えてくれた』古川裕倫・著 vol.1953

【『坂の上の雲』の教訓】
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本日の一冊は、司馬遼太郎作品のなかでも人気のある『坂の上の雲』から、名言を抜き出し、ビジネスパーソンへの教訓とした一冊。

明治維新から、日清、日露戦争まで、激動の時代を生きた男たちの名言が、経営コンサルタントの著者の解説つきで紹介されています。

「少年老イヤスク学成リガタシ、せっかちにゆかねば男子はどうなるものぞ」(正岡子規)といった生き方に関する名言や、「流血のもっともすくない作戦こそ最良の作戦である」(秋山真之)といった戦いで勝つための名言など、さまざまな名言が計32、紹介されています。

なかでも有用なのは、以下のマネジメントに関する教訓。

「第一線の状況に暗い参謀は、物の用に立たない」(児玉源太郎)
「功労者は、勲章をやればいいのです。実務につけると、百害を生じます」(山本権兵衛)
「人の頭に上下などはない。要点をつかむという能力と、不要不急のものはきりすてるという大胆さだけが問題だ」(秋山真之)

自らがどんなリーダーであればいいかという指針になるのはもちろん、これから重用する人間をどうやって選べばいいか、という指針にもなり得ます。

女性がビジネスに進出している今、戦争の話をマネジメントに、という従来のアプローチはあまり適していないと感じているのですが、個人的に『坂の上の雲』は例外ということで。

これから、NHKのドラマでも放送されるそうなので、ぜひこの機会に読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「人生や国家を複雑に考えてゆくことも大事だが、それは他人にまかせる。それをせねばならぬ天分や職分をもったひとがあるだろう。おれはそういう世界におらず、すでに軍人の道をえらんでしまっている。軍人というのは、おのれと兵を強くしていざ戦いの場合、この国家を敵国に勝たしめるのが職分だ」(秋山好古)

「少年老イヤスク学成リガタシ、せっかちにゆかねば男子はどうなるものぞ」(正岡子規)

「教育というのは力ずもうのようなものだぜ」(和久正辰)

「戦いは、出鼻で勝たねばならぬ」
「宣戦布告のあとで軍隊を動員するような愚はするな」(メッケル)

「功労者は、勲章をやればいいのです。実務につけると、百害を生じます」(山本権兵衛)
=時の功労者が、有能なリーダーであるとは限らない「創業時の功績者にはお金で報いるべきであり、地位ではない」(稲盛和夫)

「人の頭に上下などはない。要点をつかむという能力と、不要不急のものはきりすてるという大胆さだけが問題だ」(秋山真之)

「良句もできるが、駄句もできる。しかしできた駄句は捨てずに書きとめておかねばならない。理由はない。ちょうど金を溜める人が一厘や五厘のお金でもむだにせずにこれを溜めておくのとおなじである。そういう一厘五厘をむだにする者が決して金持になれないように、自分のつくった句を粗末にして書きとめておかぬひとはとてものこと、一流の作者にはなれない」(正岡子規)

「乱読よ。本は道具だからな」(中略)本はどういう名著でも数行、または数頁しか記憶しない。気に入ったくだりは憶えてしまい、あとは殻でもすてるように捨てる。人にやってしまうか、借りたものなら返してしまってそれでしまいである(秋山真之)

「実施するのは頭脳ではない。性格である。平素、そういう性格をつくらねばならない」(秋山真之)

「流血のもっともすくない作戦こそ最良の作戦である」(秋山真之)

「諸君はきのうの専門家であるかもしれん。しかしあすの専門家ではない」(児玉源太郎)

「第一線の状況に暗い参謀は、物の用に立たない」(児玉源太郎)

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『仕事で大事なことは『坂の上の雲』が教えてくれた』三笠書房 古川裕倫・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837978223
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◆目次◆
1.「人生でなすべきこと」を決める
2.「人の心に響く言葉」を持つ
3.“出鼻”で勝負を決める
4.「YESマン」にならない
5.仕事と「情」を分ける
6.「やらないこと」を決める
7.「メンター」を持つ
8.失敗を「データ化」する
9.自分を高める
10.学んだことは、即実行する
など

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