2009年11月1日

『ビジネスマンのためのクオリティ・リーディング』三輪裕範・著 vol.1931

【量より質の読書術?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4422100831

本日の一冊は、伊藤忠商事、丹羽宇一郎会長の懐刀として知られ、「週刊東洋経済」の「最強の『読書術』」特集で「読書の達人」として紹介された三輪裕範氏が、その読書法を公開した一冊。

氏いわく、「年間40冊から50冊程度の本を厳選した上で丹念に精読していくほうが、一般のビジネスマンにとってはよほど有益」。

よって本書では、量を追求する速読ではなく、質を高めるための、「クオリティ・リーディング」をすすめています。

では、この量より質の読書を、どうやって実現すればいいのか。

まずは、読む対象について、「一読してすぐに理解できるような簡単な軽い内容のものではなく、多少『頭にもたれる』くらい歯応えのある高カロリーな本を、自ら意識して選んで、読んでいく」ことをすすめています。

また、悪書を排するという意味で、1.ジャーナリストの書いた本、2.口述筆記本を排除することを提案しています。

さらに、知的忍耐力をつけるための読み手の態度として、「一度読みかけた専門書はどんなに退屈で理解しにくくても、一冊読み終わるまで、とにかく決して途中で投げ出さない」「常に批判的精神を持って、著者の言うことに常に疑問を持ち、簡単に納得しない」

など、骨太の読書論を展開しています。

ほかにも、「適時適書」「適法適書」の読書術、読後のフォローとしてのノート術など、ビジネスマンの読書に役立つ視点・情報が満載。

読書の質を向上させるためのアイデアとして、きっと役立つ一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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できるかぎり、書き手の論理の進めかたを、他の可能性も含めて検討していく(苅谷剛彦『知的複眼思考法』講談社)

目的先行型インプットは能率はあがるが、能率をあげすぎると欠陥が出てくる。目的に関係しない部分をどんどん切り捨てていけば、自分が設定した目的から一歩も出られないことになるからである。(立花隆『「知」のソフトウェア』講談社)

一読してすぐに理解できるような簡単な軽い内容のものではなく、多少「頭にもたれる」くらい歯応えのある高カロリーな本を、自ら意識して選んで、読んでいく必要があります

本を読んだあとのフォローアップをしっかり行うこと

30代の末頃までは自分の知的関心領域を広げるという意味で「拡張志向」でいき、40歳以降は、それまでとは逆に、自分の知的関心領域を絞り込んでいくという「収束志向」でいくべき

◆フォーク型読書法
フォークの形のように「T字型読書法」によって深く掘り下げたテーマや分野を、常に3つ、4つ持っておく

30代末までにどこまで自分の知的関心領域を広げることができるかによって、その後、フォークの先のT字部分がシングルT字のままで終わるのか、それとも、ダブルT字、トリプルT字と増やしていけるのかが概ね決まってしまう

一旦、自分のホームグラウンドを持つことができれば、読書を中心とした知的生活を営む上での大変心強い支えになります

本の中で紹介されている本に注意を払う

◆著者が買わないと決めている「質の悪い本」
1.ジャーナリストの書いた本
2.口述筆記本

「適時適書」:時間に応じて、読む本の種類を変える
「適法適書」:本の種類に応じて読み方を変えていく

一度読みかけた専門書はどんなに退屈で理解しにくくても、一冊読み終わるまで、とにかく決して途中で投げ出さない

自分にとっての究極の1冊とも言うべき「ザ・ブック」を持つ

常に批判的精神を持って、著者の言うことに常に疑問を持ち、簡単に納得しない

新しいアイデアを創出するためには、情報と情報の間に化学反応を起こすことが最も重要である

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『ビジネスマンのためのクオリティ・リーディング』創元社 三輪裕範・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4422100831
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◆目次◆
第1章 クオリティ・リーディングという考え方
第2章 クオリティ・リーディングのための時間確保術
第3章 クオリティ・リーディングのための本の選び方
第4章 クオリティ・リーディングのための本の読み方
第5章 クオリティ・リーディングのためのフォローアップ

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