2009年9月15日

『主体的に動く』ロジャー・コナーズ、トム・スミス、クレイグ・ヒックマン・著 vol.1884

【全米50万部突破のベストセラーが邦訳!】
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人間は、快を求め、不快を避ける。

これは以前読んだ、ある自己啓発書に書かれていたことです。

人間は、快を求めるがゆえに騙され、不快を避けるがゆえに問題を先送りする。

これは悲しいことですが、人間の真理なのかもしれません。

本日ご紹介する一冊は、リーダーシップ研修やコンサルティングで実績のある著者らが、童話『オズの魔法使い』をもとに説いた、組織づくりの心構え書。

「成果は、その達成の責任を引き受けて、初めて生まれるもの」という信念のもとに、アカウンタビリティ(主体的に仕事や事業の責任を引き受けていく意識のこと)を高めるためのノウハウを説いています。

どうすれば社員がもっと主体的に動くようになるのか。

これは、マネジャーにとって共通の悩みですが、本書には、そのヒントが書かれています。

アメリカ企業の例をもとに、アカウンタビリティが欠如するとどういうことになるのか、逆にアカウンタビリティを高めればどんなすごいことが起きるのか、具体的に説明しています。

基本的にはマネジャー目線の本ですが、自身を高めたい、成果を出したいと思うすべての人におすすめの一冊です。

会社に不満を持つ人や、転職を考えている人がなぜ「使えない」のか。

その答えは、まさにここに書かれています。

自らを戒めるためにも、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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成果は、その達成の責任を引き受けて、初めて生まれるものである

「私たちが会社から追い出されたら、新しい経営陣はどんな行動に出るだろう?」(日本企業にメモリーチップ事業で押されたインテルのアンディ・グローヴCEOがゴードン・ムーアCOOに問いかけた言葉)

◆アカウンタビリティのステップ
1.現実を見つめる
2.当事者意識を持つ
3.解決策を見いだす
4.行動に移す

「組織の業績に対し、自分はどのような貢献ができるだろうか?」
(ドラッカーが『経営者の条件』で掲げた命題)

他人に迷惑をかけること──これは現代人が最も避けたい行為のひとつである。だが、被害者意識という隠れみのがあると、誰かに迷惑をかけても平気になる

被害者意識の悪循環から抜け出すにはどうすればいいか。それにはまず、自分は<ラインの下>の行動をとっているのだからそれなりの代償を払うことになる、と認識しないといけない。それが認識できて初めて、<現実を見つめる>ことができるようになり、<ライン上>にのぼる必要性を実感する

他人に具体的な行動の指示を仰ぐのは、しょせん言い訳の延長にすぎない

様子を見るという行為は、一種の落とし穴である。可能性のある解決策を飲み込んでしまう怠惰の沼なのだ

「アレキサンダー大王の話を知っているかい? 彼が軍隊を率いて今のインドの海岸に到達したとき、彼は船を燃やすように命じた。突拍子もない命令に部下がためらっていると、アレキサンダーは『われわれはここの住民の船で帰国する。それができなければ国に帰れないと思え』と言い放った」

ある企業の社長は、自分にとってジョイント・アカウンタビリティとは「ひとつのボールを落とさないよう全員が協力し合って働くこと。ボールが落ちたときは、それを拾おうと全員が飛びつくこと」だと解釈している

アカウンタビリティの高い人は、同僚や友人、家族、コンサルタントなど、さまざまな人々に絶えずフィードバックを求めている

「君にできることは何か?」と社員に問いかける

リーディング企業という会社の評判に対して全員が当事者意識を持たないと、リーディング企業にはなれない

人は、批判者ではなくコーチからの誠実で率直なフィードバックには好意的に応じるものだ。そしてコーチは、相手の目標達成を願うと同時に、コーチ自身に対するフィードバックをも積極的に受け入れる態度を持っている必要がある

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『主体的に動く』ディスカヴァー・トゥエンティワン ロジャー・コナーズ、トム・スミス、クレイグ・ヒックマン・著
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◆目次◆
第1部 アカウンタビリティが結果を出す──オズの原則
第1章 ビジネスにおける本当の意味の「責任」とは
第2章 被害者意識の悪循環に気づく
第3章 結果を出すことに責任を持つ
第2部 自分のアカウンタビリティを伸ばす
第4章 勇気を持って「現実を見つめる」──臆病なライオンのように
第5章 「当事者意識を持つ」ためのハートを手に入れる
第6章 「解決策を見いだす」ための知恵を手に入れる──かかしのように
第7章 すべてを<行動に移す>──ドロシーのように
第3部 組織全体がアカウンタビリティを身につける
第8章 <ライン上のリーダーシップ>を身につける
──善い魔女グリンダのように
第9章 組織全体をライン上へ導く──エメラルド・シティを超えて
第10章 組織が抱える問題に<オズの原則>を応用する

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