2009年7月28日

『徹底のリーダーシップ』ラム・チャラン・著、柳井正・解説 vol.1835

【ラム・チャランが緊急出版!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833419149

本日の一冊は、世界で200万部を売り上げた『経営は「実行」』の著者であり、名だたるグローバル企業の経営アドバイザーとしても知られる、ラム・チャランによる注目の最新刊。

※参考:『経営は「実行」』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532310377/

難局においてリーダーがなすべきことを、販売・マーケティング面、ファイナンス面、オペレーション面、研究開発面など、さまざまな角度から検証し、提言した内容です。

危機を脱するためにリーダーに求められる資質を6つにまとめ、さらに具体的行動へのアドバイスを示しています。

不況下において著者が重視するのは、やはりキャッシュフロー経営。

キャッシュを得るために、一部の事業や顧客を切ることもやむなし、という姿勢で論が進められており、本当に窮地にある企業にとっては、一読に値する内容です。

またこの不況に乗じて、経営を合理化したい考える向きにも役立つ内容で、どこをどう削ればいいか、何に投資すべきか、具体的な指針が示されています。

かなり厳しい内容も含まれていますが、経営者にとっては重要な決断をするいいきっかけとなるはず。

前著同様、実際に経営者にならないと価値がわからない本ではありますが、最前線に立つ経営者・マネジャーが読めば、必ずや効果が得られる本だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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<柳井正氏 解説>
いい会社と悪い会社でやっていることは、表面上はほとんど一緒です。やるべきことも一緒です。何が違うかといえば、どの程度までやるのか、どの水準を目指すのか、それだけです

いまのピンチは、時代が大きく変わったことからきています。ならばその次はどうなるのかを考えて、能動的に「自分はこういうふうに動こう」と思わない限り、チャンスはつかめない

商売の本質は、どれだけはやく、どれだけ多くキャッシュを得るか

<本文より>
経営者は、重点を損益計算書から貸借対照表にシフトさせなければならない。意識しているといないとにかかわらず、キャッシュを確保することは、ほとんどすべての会社にとって、最も重要な課題である

キャッシュの源は三つある。ひとつは事業収益、もうひとつは運転資金(在庫、売掛金)、そして資産売却である

「最悪のシナリオ」を前提に、キャッシュベースでの損益分岐点をできるだけ早く引き下げておく

規模を縮小することは、プロセスを簡略化し、マネジメントの階層を減らす機会にもなる。結果として、より少ない顧客、より少ない製品、より少ない施設、より少ない人員、より少ないサプライヤー、そしてより強くなった会社が残るのである

たとえば、ウォルマートでは、創業以来初めて、ベビーフードの売り上げの推移が月二回の給料周期と一致したことにより、家計が給料日から給料日へ食いつなぐという逼迫した状態にあることがわかった。これこそが最前線の情報である

◆難局においてリーダーに絶対必要な6つの資質
1.誠実であり、信頼できる存在であること
2.社員、部下を鼓舞し、勇気づける存在であること
3.現実と「生の情報」でつながっていること
4.楽観的な現実主義者であること
5.細部にまで徹底的に踏み込んでいくこと
6.未来に打って出る勇気があること

最も優秀な人材の流動性はいつの時代においても高い

世の中への露出が多い経営者の場合は、向こう二年、露出を極端に減らさざるをえなくなるだろう。公的、儀礼的行事への出席は、必要最低限に抑えるべきである。経営者は、社外においては顧客、原材料のサプライヤー、そして資金調達先との関係に最も時間を費やすべきなのだ

どのプロジェクトを継続し、どのプロジェクトを中断するかの決断は、必要な追加投資とそれに対するリターンに基づくべきであり、これまでの投資額や個人的な思い入れは排除する

変化する世界についていけない人、技術の最新事情に通じていない人には去ってもらわなくてはならない

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『徹底のリーダーシップ』プレジデント社 ラム・チャラン・著、柳井正・解説
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833419149
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◆目次◆
解説 危機の今、まさに全リーダー必読の一冊
序章 六週間で「一〇〇年に一度の危機」に対応した会社
第1章 「キャッシュと情報」こそ命綱である
第2章 本物のリーダーはどう行動するか
第3章 販売、マーケティング責任者のすべきこと
第4章 CFOのすべきこと
第5章 現場のリーダーがすべきこと
第6章 研究開発部門をどうするか
第7章 サプライチェーンをどうするか
第8章 スタッフ部門のトップがすべきこと
第9章 取締役会のすべきこと
おわりに

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