2009年6月1日

『小さな経営論』藤尾秀昭・著 vol.1778

【天敵は自分の中にいる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4884748484

本日の一冊は、致知出版社の代表取締役社長にして、月刊「致知」編集長、藤尾秀昭さんによる講話集です。

中国古典に精通し、安岡正篤、松原泰道、稲盛和夫、渡部昇一などからも薫陶を受けた著者が、「人生を経営するヒント」と称して、自己修養のための心構えを説いています。

「十ある心を一つに定めていく」という「志」という言葉の意味から、松原泰道氏が教えてくれた仏教の3つの教え、人間を滅ぼす三毒と五鈍使まで、自らの自尊心を飼いならし、謙虚になるためのヒントが満載です。

個人的に心に刺さったのは、「自分一人の時間に何をしているか」という言葉と、「人間を襲い、蝕む天敵。それは心の中に巣くう不平不満である」という言葉。

まるで自分のことを見透かされているかのような言葉で、思わず背筋がピンと伸びました。

事業も大切、技術も大切。

でも、一番大切なのは人としてどう生きるか、ということ。

自らの生き方を振り返る意味で、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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時代や場所が違っても変わることなく通用する原理のことを「経」という。その不変の道、原理を営み、実践していくこと――それが経営の本義ともいえる

「志」という字を見てください。「十」を書いて「一」を書いて「心」と書くでしょう。「十ある心を一つに定めていく」のが志な
んですね。常にチラチラと散らばっていく心をまとめて一本に絞りあげていく。それが志なんです

立志とは人生に対する決意です。人生に対して、自分はこういう生き方をすると決意をして、覚悟を決めていくことが立志なんです

誰も見ていないときに自分は何をしているか。自分を高めるような勉強をしているか。誰も見てないからと思って、いい加減なことを
していないか

一人の時間をどうやって使っているかが人生を決める、運命を決める

人間の花は十年後に咲くんです(中略)だから人間の花は、「よし、やるぞ!」と決意して三年ぐらい経ったときに「三年経っても効果がない」とやめてしまったら駄目なんですよ

人間はエネルギーのある間だけです。その間にエネルギーを何に使うか。それが人生です

◆仏教の教えは三つに集約される
1.厳粛:今というひとときは二度と帰ってこない
2.敬虔:「おかげさま」のこと
3.邂逅:めぐり合うこと

めぐり合いは「はい」という形で受け止めていかないと、めぐり合いにならない

人間を襲い、蝕む天敵。それは心の中に巣くう不平不満である

人間を損なう天敵の対極にあるもの、それが感謝である

「自分の天職は何だろう?」なんて考える必要はない。今、目の前にある仕事に一所懸命、一心不乱、死に物狂いで打ち込んでいけばいい。そうしたら人格が磨かれていくんです

人間には自分を振り返って、じーっと内省していく時間が絶対に必要

人にはそれぞれ重大な任務がある。しかるに、その任務に対して本当に心をくだいている人はむかしから多くはない

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『小さな経営論』致知出版社 藤尾秀昭・著

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◆目次◆
第一章 人生発展の法則
第二章 人間という奇蹟を生きる
第三章 人間を高める六つの行
第四章 人生経営の要諦―誠を貫いて生きる

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