2009年3月27日

『弁護士が書いた究極の文章術』木山泰嗣・著

【文章が苦手な人もすらすら書ける】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4587233609

本日の一冊は、「弁護士が書いた究極の~」シリーズで知られる木山泰嗣さんが、ビジネスマンの文章術について書いた本。

土井も仕事がら、たくさんの文章術の本を読んでいますが、本書ほど、文章が苦手な人に最適な本も珍しいと思います。

まず、文章が苦手な人がやってしまいがちなミスに、主語と述語の対応関係がありますが、著者はこれを前半部分でズバリ指摘しています。

いわく「一文が長いと主語と述語の関係が不明瞭になる」。

読者は、「あなたが書いた『接続詞』や『論理の流れ』をみて、次にくる文章を予測しながら読んで」いるのであり、だからこそ、

「『なぜなら……』とあるのに、理由が書いてないとガクっときます。『しかし……』とあったのに、逆の内容にならないと『あれ?』とな」るのです。

ほかにも、一度述べた用語を、既知のものとして進めた結果、読者を路頭に迷わせたり、キーワードの表記統一ができていないため、読者を混乱させたりと、意外なところで評価を落としているもの。

「自分は文章が書けるから大丈夫」という人にはおすすめしませんが、もし自分の文章に自信がないのであれば、一読の価値はあります。

美文の書き方に走る前に、まずはビジネス文書の基礎を押さえる。

表紙はちょっと地味ですが、読み応えのある一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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読み手は、あなたが書いた「接続詞」や「論理の流れ」をみて、次にくる文章を予測しながら読んでいます

「なぜなら……」とあるのに、理由が書いてないとガクっときます。「しかし……」とあったのに、逆の内容にならないと「あれ?」となります

一つの文書に同じキーワードを何度も散りばめるのです。これが文書をキラリと光るものに変える方法です

キーワードは固定して、繰り返す。そのことがあなたの文章をわかりやすくし、記憶に残りやすくしてくれます

書き手は徹底してサービスをする必要があります。そのサービスのひとつがリフレインです

一文が長いと主語と述語の関係が不明瞭になる

どのようなことを、どのような順序で、どのくらいのバランスで書くのか。この構成に時間をかけます

書くまえに結論を決める

◆論証のパターン
1.問題提起をする
2.反対説を紹介する
3.反対説の問題点を指摘する(反論する)
4.自説の根拠を述べる(理由づけを書く)
5.結論を書く

読み手のメンタリティをきちんと知っておくこと

ロングセラーといわれる本を読むと、三〇年以上まえに書かれた本なのにひらがなの使用率が高いことが多い

説得力のある文章を書くコツは、論拠を示すこと

論拠が最初に書かれていると、そのあとに来る「あなたの意見」は、単に論拠に追従しただけのような印象になってしまう

あなたにとってはあたりまえのことでも、省略しないで丁寧に書く

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『弁護士が書いた究極の文章術』法学書院 木山泰嗣・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4587233609
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◆目次◆
まえがき
1.キーワード
2.用語を統一する
3.大事なことは繰り返す(リフレイン)
4.一文は短くする
5.構成に時間をかける
6.書くまえに結論を決める
7.論証パターンという考え方
8.メリハリをつける(しかも大胆に)
9.限定の威力(時間の限定)
10.限定の威力(紙面の限定)
11.細かい議論は捨象する
12.ひらがなと漢字のバランスを意識する
13.事実と意見を区別する
14.論拠を示す(後出し証拠の法則)
15.どんな場所でもすっと読める文章にする
16.書く目的を考える
17.業界の決まりを重んじる(用語の表記)
18.アクセントをつける(読み手へのサービス精神)
19.メンタルモデルという考え方
20.接続詞のパターンを使う
21.読み手をリアルに意識する
22.問題提起をきちんと示す
23.必ず理由を書く
24.反対説を意識する
25.抽象論とあてはめ
26.「必要性と許容性」という視点を意識する
27.その文書にふさわしい文体を使う
28.形式面(誤字脱字)のチェックにも時間をかける
実践編 28のヒントを実践してみよう!

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