2009年2月2日

『超・投資勉強法』松藤民輔・著

【カリスマ投資家が明かす、未来を読む10の「透具」】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062152169

本日の一冊は、ソロモン・ブラザーズ証券時代に日本のバブル崩壊を予言し、「ザ・エコノミスト」誌ではこの10年間でいちばん注目している日本人として紹介された松藤民輔さんが、投資の考え方と勉強法を説いた一冊。

「投資は自己責任」「プロ投資家になるには1万時間学べ」など、教訓めいた話も参考になりますが、何より注目は、「10の透具」と名付けられた、著者の投資指標。

金価格とNYダウをCPI(消費者物価指数)で調整した「ビッグピクチャー」、NYダウの先行指標であるDI(バルチック海運指数)など、計10の指標が紹介されており、じつに参考になります。

ほかにも、現在の金融不況の真相から今後の動向、金相場、ドル相場の見通しまで、投資家が知りたい情報がてんこもり。

さらには、古今東西の投資名言までが紹介されており、まさに投資家のための勉強本です。

もちろん、著者が言うように、「投資は自己責任」ですから、本書の主張もあくまで参考程度ではありますが、後の相場を読むヒント、銘柄を選ぶヒントとしては、おもしろいと思います。

「割安で買って割高で売」りたい投資家に、おすすめの一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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6200兆円という世界の株式市場の時価総額のうち、3000兆円が吹っ飛ぶのに1年かからなかった。これが金融恐慌の現実なのだ

金融恐慌が来る。金利も下落し、NYダウも日経平均株価も暴落する。上昇するのは金価格と金鉱株だけである

「金融資産1億円以上」が2・8パーセント、「退職一時金1億円」が0・1パーセントと、超リッチな団塊世代もいるけれども、「500万円未満」が34・4パーセント、「1000万円未満」が53・6パーセントとなっている。つまり、金融資産が1000万円に満たない層が圧倒的多数なのである

割安で買って割高で売る、割高で売って割安で買い戻す。投資で勝つための「鉄則」はこれに尽きる

銀行残高ばかり増やしてどうするのか。お金は、殖やすものではなく使うもの。なにに使うかという点にその人の人生観が表現されてしまうものだ。そして、投資は「夢」を買うものだと思う

いい漁師には潮目が見える。いい漁師には遠くの海鳴りが聞こえる

証券化商品の本質は、トランプの「ババ抜き」

いま、破綻や解散が相次ぐヘッジファンドを襲っているのは顧客の解約ラッシュである。2008年のヘッジファンド運用資産額は2007年(200兆円)から37兆円の減少(ヘッジファンドリサーチ調査)。そのうち、7兆円が解約によるものだ

もともと、ユーロがドルと円に対して強かったのは、ヨーロッパ経済が堅調だったからではない。ずばりいえ、ヘッジファンドや中東産油国の余剰資金(その額、なんと600兆円)がスイスやロンドンに流れ、これがユーロ高を演出したというのが真相である

大きな変化の前には必ず小さな変化がある

「情報とアイデアはタダだ」と勘違いしている人は、投資などやめたほうがいい

◆松藤流「10の透具」 ※一部紹介
1.ビッグピクチャー(金価格とNYダウをCPIで調整したチャート)
2.BDI(バルチック海運指数)
3.VIX(恐怖指数)
4.GSR(ゴールド・シルバーレシオ)
7.DX(米ドル指数)
9.石油株価指数
10.カナダドル指数

大きな記事はだれでも気づく

ビジネスモデルが独占的であるか、経営者の能力が秀でているか。ネットでデータを注意深くチェックして、時流に乗った伸びしろをぜひ読み取ってほしい

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『超・投資勉強法』講談社 松藤民輔・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062152169
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◆目次◆

はじめに
第1章 これまでの金融知識や投資法はもう通用しない
第2章 いまからが個人が底値で拾える千載一遇のチャンス
第3章 見えないトレンドを見抜く、松藤流10種の「透具」
第4章 蛇口の水一滴から黄金を掴む方法
第5章 投資力を鍛える
おわりに
投資力を鍛える19の参考文献

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