2008年10月22日

『面白いことをとことんやれば、「起業」は必ずうまくいく。』栗原幹雄・著

【さわやかな起業論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757215444

本日の一冊は、ほっかほっか亭の創業者の一人であり、フレッシュネスバーガーの創業者でもある栗原幹雄さんが、その起業ノウハウと仕事の理念を語った一冊。

起業モノ特有のさわやかさと、立ち上げ前夜のワクワク感が伝わってくる文章で、時々、目を見張るようなノウハウが登場する、ライトタッチの起業読み物です。

とかく何かを始めようとする時は、制約条件にぶつかり、その都度ダメな理由を考えてしまうものですが、著者の発想は、まったく逆。

最悪な立地に常識はずれの外装、ハンバーガーショップなのに客を待たせる…。

飲食業界のベテランが業界の「常識」をことごとく破って成功していく様は、読んでいてじつに痛快です。

最近は、自己啓発書が普及したこともあり、成功法則などに通じた人が増えていますが、一方で柔軟な思考の方が減ったと感じます。

著者いわく「予想もしないことが起きるほうが、毎日が楽しい」のであり、そういう意味で現在のビジネスマンはちょっと腕が縮んでいる気がします。

ワクワクした毎日を送るために、どんな気持ちで仕事に取り組むか。

起業家ならずとも、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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都市は発達しても、アナログなものって残る

夜はその看板をライトで照らすスタイルにしよう。これは外照式と呼ばれる看板で、アメリカのカフェやレストランで多く採用されているスタイルだ(中略)しかし、雨と湿気の多い日本で直接ペイントをやると、看板は一年以内に確実に腐ってしまう。僕はそれを知っていたので、ちょっとひねってアルミフレームにコンピュータグラフィックで看板を作ることにした

だいたい業界の常識と呼ばれていることは、業界大手各社の都合のいいように作られているもの。だからみんなが常識に従えば従うほど、じつは既存大手が得するようになっていることが多い

飲食店の経営はFLコストで決まる(中略)FLコストとはフードコスト(食材の原価)とレイバーコスト(人件費)のこと。二つ合わせて売上げの六〇%以下に抑えるのが一つの基準だ

目の前でベーコンやオムレツが焼ける音、香りを感じてもらえば、お客様はきっと待つ時間さえ楽しんでくれるに違いない。そんな時間を大切にしてくれるお客様が集まる空間にしたいと思っていた

◆店舗成功のための指標「四格のバランス」
「品格」「価格」「店格」「人格」

その時の妻の売り方は秀逸だった。焼き上がったケーキをオーブンから取り出すと、トレイに入った状態のまま厨房から持ち出し、お客様の前を通って店の奥の控え室に持っていくのだ。それで店内にはたちまちバナナの甘い香りが立ち込める。その香りに刺激されて、お客さんが言う。「あれ、なんですか?」

人は未知の味を知ってもあまり感動はしないが、他の店よりもおいしいものには感動するものなのだ

人生が大きく変わるチャンスが目の前に現われた時は、積極的に乗ってみることが大事だ

わかりきった結果のためにあくせく努力するよりも、予想もしないことが起きるほうが、毎日が楽しい

オリジナリティとは半分の人に嫌われること

強みとは自分では弱みと思っているもの中にある

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『面白いことをとことんやれば、「起業」は必ずうまくいく。』栗原幹雄・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757215444
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◆目次◆

まえがき
第一章 弱者を強者にするために
第二章 楽天的、意識改革
第三章 再生の極意は気づきにあり
第四章 弱い組織を再生させる
第五章 私の人生もまた再生の歴史である
あとがき

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