2008年10月27日

『ザ・ドリーム・マネジャー』マシュー・ケリー・著

【部下の夢をマネジメントするとは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903212092

本日の一冊は、組織や人材をテーマにコンサルティング事業を展開しているフロイド・コンサルティング社の経営者であり、過去2500回以上、300万人以上に講演しているという著者が、社員の「夢」をマネジメントする方法を説いた一冊。

内容の半分以上は、アドミラル清掃サービスという架空の会社を舞台にした小説となっており、離職率400%の同社がいかにして離職率の低下に取り組み、かつ社員のやる気を引き出したか、その秘訣が書かれています。

興味深いのは、社員が辞めていく理由のほとんどが給料ではなく、通勤の足だったということ。

著者は、この事例をもって、現場の声を聴くことの重要性を説いたのであり、その結果、社員が求めることを経営者が聴く耳を持てば、大きなチャンスが到来するということを示したのです。

このアドミラル清掃サービスは、最終的に社員の夢を手助けする方法を見つけ出し、大成功するわけですが、このストーリーを読むことで、人がより良いチームを築き、互いの夢を助け合うことの素晴らしさが実感できます。

また、ノウハウとしても気づきの多い内容で、従業員の不満要因を取り除ためにただちに行動すること、夢を実現するための部の設立など、かなり参考になります。

ストーリー自体はシンプルなものですが、そこから得られる教訓は、経営者にとって重要なものばかり。

経営者、マネジャー、そして人事担当者はぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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組織を動かす1人ひとりが理想の自分になろうと懸命に努力すれば、その組織は理想の状態に近づく

離職率の高さは士気や作業効率、顧客の満足度の低下にもつながります

現場の従業員はビジネスについて、われわれの知らないことを知っている

直接金をばらまくことも可能ですが、それではたいしたインパクトは期待できない

アンケートは金がかかると思って嫌いだったが、じつはアンケートをやれば儲かるとわかったんだ

ここで働くことが自分の望む未来につながると具体的に示すことこそ、唯一の方法

人間を特別な存在にしているものは何か。それは、豊かな未来を想像し、未来に希望を託し、その未来に向かって歩む能力

おたがいの夢が実現できるように助けあうのが、あらゆる人間関係の大切な基本

人を仕事に引きとめるものは、大きくいってふたつあると思います。やりがいと、たしかに自分が進歩し成長しているという実感です

大切なのは完璧を求めることではなく”自分が進歩していることに注意を向ける”ということ

お金をうまく管理できない人は、管理すべきお金を持たない人と豊かさにおいてなんら変わるところはない

部下が具体的な夢を持てるようになり、さらにそれが実現できたとしたら、彼らはきっと顧客に対しても同じことをするようになる

常に1人ひとりにちがった夢があることを忘れてはいけない

社員にとって最大の関心は金でも福利厚生でも労働時間でもない。認められていると感じられるかどうかなんです

長く雇っているという理由で昇進させるサッカー・チームがもしあったらどうなるか。サッカー・チームの監督は常に、ベストメンバーをグラウンドに送りだします

本当の貧しさとは、機会が与えられないこと

新時代の忠誠心は、「たがいの価値を高めあう」ことで築かれる

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『ザ・ドリーム・マネジャー』マシュー・ケリー・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903212092
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◆目次◆

活力ある社員、活力ある会社を生みだす卓越したアイデアはじめに――社員のモチベーションを左右するものは何か?
I.物語
1.変化のきざし
2.夢はかなう!
3.ハッピーエンド
II.実践ガイド

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