2008年9月8日

『弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術』谷原 誠・著

【相手の欲を利用し、交渉に勝つ方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/453404433X

本日の一冊は、企業法務、事業再生、不動産問題などを得意とし、「報道ステーション」「スーパーJチャンネル」などの解説でも活躍する著者が、プロ弁護士の交渉術を披露した一冊。

幼少の頃、体が小さく、気が弱く、いじめられっ子だったという著者が、いかにして交渉の達人となったのか、その過程と具体的な交渉テクニックが紹介されています。

ベースとなっているのは、『ハーバード流交渉術』や社会心理学のバイブル『影響力の武器』の理論ですが、それをいかに実践に活かすか、という視点が盛り込まれています。

※参考:『ハーバード流交渉術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837903606/

※参考:『影響力の武器』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4414304164/

なかでも参考になるのは、相手の期限、限界値、交渉が決裂したときの代替手段を含む、「交渉で聞き出したい5つの情報」。

仮に期限を知られてしまった時にどうするかなど、実践的なアドバイスもなされており、重宝する一冊です。

普段、交渉上手を自認している人も、この本の手法を使われたら、かなり苦戦するはずです。

交渉のセオリーと実務を同時に学びたい方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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交渉の過程でいったん表明した立場に固執するな

人は、好きな人からの依頼は応じますが、嫌いな人からの依頼は、応じない傾向にあります

交渉においては、相手の有利になることなど言う必要はありません

人は信じても、事実は検証せよ

トマス・ジェファーソンは、「怒れるときは10数えよ。怒りがさらにはなはだしいときは、100を数えよ」と言っています

交渉上手になるためには、まず、「勝ち負け」という考え方を捨てること

交渉において勝ち負けなど不要です。勝ち負けを超越した多くの利益こそを目標にすべきです

アメリカの自動車王フォードは言っています。「成功に秘訣というものがあれば、それは他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場からも物事をみることのできる能力である」

「こちらの主張について聞く耳をもっている状態」とは、どのような状態でしょうか。それは、相手が「自分の言いたいことを言い切
った状態」です

◆交渉で聞き出したい5つの情報
1.相手のニーズ
2.相手の強みと弱み
3.相手の期限
4.相手の限界値
5.交渉が決裂したときの代替手段

人間の性質がそんなにも欲深いものであれば、これを交渉に利用しない手はありません。方法は、簡単です。いったん手に入りそうな状態にしておいて、それを奪い取ってしまえばよいのです

仮に自分の期限が相手に知られてしまった場合には、その期限を延長するよう内部で調整する必要があります

はじめのほうの譲歩幅は大きく、最後のほうでは小刻みになっていきます。そうすることで、限界点に近づいていることが相手に伝わ
ります

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『弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術』谷原 誠・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/453404433X
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◆目次◆

序章 気弱なあなたのままで、交渉は突破できる
1章 あなたはどこで負けている? タイプ別負けパターン分析
2章 話ベタ・交渉ベタだからこそあげられる成果がある
3章 これなら勝てる! 気弱な人のための逆転交渉術
4章 「NO」と言えないあなたのための「お断り」の技術
5章 弁護士直伝 交渉シナリオの作り方
6章 その場で動揺しないために当日までに備えたいこと
7章 実践! 3つのケースでわかる交渉テクニックの使い方
おわりに 気弱なあなたが、最強だ
気弱なあなたが交渉上手になるための本

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