2008年8月25日

『辞めない採用即戦力の育成で儲かる会社になる!』小山昇・編

【中小企業のための採用の秘訣】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860632915

本日の一冊は、落ちこぼれ集団を率いて赤字続きの会社を年商35億、2000年度には日本経営品質賞を受賞するまでに導いた、株式会社武蔵野の小山昇さんによる一冊。

今回の内容は、中小企業のための採用のノウハウで、自社だけでなく、計24社の事例つきで詳しく論じています。

著者いわく、人事に関して、社長が自ら先頭に立って取り組むべき課題は2つ。

ひとつは、「優秀でなくても、自社に合って、なおかつ簡単に辞めない人材を採用する」こと、そしてもうひとつは「社員教育を徹底して、既存社員も含め、それなりの社員を仕事がデキる人材へと成長させる」こと。

「中小企業は優秀な人を採用してはいけない」という部分は、確かに納得できる点が多く、組織づくりの参考になりそうです。

ほかにも、新卒を募集する時、学生にさり気なく自社をアピールするための手段、求人広告のノウハウ、採用面接で相手を見極めるための質問など、細かいノウハウが参考になります。

自分をアピールしようと一生懸命に話す人や、ボランティア活動の経験はマイナスなど、一見「えっ?」と驚くような採用の指針が示されていますが、理由を読めば、確かに納得できます。

長く働く人を採りたい経営者に、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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応募者が2時から面接なら、その前後に、定期的に行っている社員の進捗チェックの面接を入れます。応募者が2時少し前に到着すると、誰かが面接を受けています。この時点で、「応募してきたのは自分だけではない」と錯覚してもらえる

人の成長に時間がかかるからこそ、逆に差別化になる。他社に先駆けて人を成長させれば、ライバルは簡単に真似できません

中小企業に勤める人は、何を基準に会社を選び、長く勤めるのか。答えは「社長が好きだから」です

いまや世界を代表する自動車メーカーであるホンダも、最初は小さな町工場でした。当然、給料はよくないし、事業も安定していません。おまけに創業者の本田宗一郎は、社員が失敗すると容赦なくげんこつを食らわせる熱血社長。私なら逃げ出します。それでも、本田宗一郎に惚れた社員は残ったし、「世界一のメーカーになる」という夢に共感して優秀な技術者が続々と入社した。給料や労働環境より、社長の魅力が上回ったのです

定着率を高めるには、最初から価値観の合う新卒を選んで、戦力として育て上げたほうが早い

中小企業は優秀な人を採用してはいけない

全力で走るのは、自分より遅いタイムの人がいるときです。人は自分より実力のある人や同レベルの人に負けるのは許せても、自分より実力が下の人に抜かれることは許せない。それが人間の心理です

重視すべきは、頭のよさよりも、社長の方針を守れるかどうかです

企画という言葉に釣られて入社した人は、本当の仕事内容を知って辞めていくだけ

頼りない文字を書く人は要注意

面接で見極めるべきは「経験」と「価値観」

最近顕著なのが地方の学生の優秀さです

教育とは、形から入って心に至ること

よいことを強制するには、社員が得する仕組みが欠かせません

どのような理由であれ、最後に退職希望者の背中を押すのは、いつも1つ。コミュニケーションの不足です

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『辞めない採用即戦力の育成で儲かる会社になる!』小山昇・編
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860632915
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◆目次◆

はじめに
序 章 どうして中小企業は人に困るのか?
第1章 優秀な人材は、会社をダメにする!
第2章 失敗しない採用で、会社は強くなる
ステップ1 採用計画を立てる
ステップ2 人を募集する
ステップ3 書類選考でウソを見抜く
ステップ4 筆記試験で適性や価値観を見極める
ステップ5 面接で自社に合う人を見抜く
ステップ6 採用/不採用の判定・通知
第3章 新卒に「ここで働きたい」と言わせる採用活動
第4章 即戦力! 中途採用はここに注意せよ
第5章 社員を育てない会社に未来はない
第6章 社員が辞めたくならない仕組みを作る

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