2008年6月22日

『バカ社長論』山田咲道・著

【バカ社長から見える儲けのルール】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532260051

本日の一冊は、公認会計士・税理士である著者が、儲かる会社のメカニズムとそれを実現する社長の考え方・行動を示した一冊。

ダメな上司、社長の批判本は山ほどありますが、本書の特徴は、会計的視点からいい社長、ダメな社長を論じた点でしょう。

いわく、「バカ社長と良い社長の違いを解くカギは、時間効率や人件費の本質を理解しているかどうか」。

つまり、稼ぐ会社を作るには、企業のなかでももっとも大きな費用である人件費にフォーカスし、「『お金の節約』と『お金を稼ぐこと』を時間をかけずに行うこと」。

本書では、こういった理論的には当り前で、実行はなされていない経営の原則を取り上げ、読みやすい語り口調で説明しています。

投資しないと売上や利益は伸びない、会社が成長しないと社員は定着しない、ダメ社員を排除すると売上が減るなど、会計的に考えれば当たり前のことが、実際の経営では行われていないことが多く、そういう意味では本書を読むことの意義は大きいと思います。

経営の根幹には人があるべきですが、その人を幸せにしようと思ったら、常に数字で考えることが必要不可欠。

そういう意味で本書は、数字とマネジメントのバランスが取れた一冊といっていいと思います。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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会社にとって本当に高いのは人件費です。それも毎月払っている給
料ではなく、目に見えない人間のムダな動きの部分に払っている人
件費、これがもっとも高いのです

八〇〇万円のコストで売上五〇〇〇万円の組織よりも、一〇〇〇万
円のコストをかけて、一億円の売上を生む組織のほうがいい

「ダメ社員」がいなくなれば、その人の仕事を残った人が担当しな
ければいけません。すると「優秀な人」にとっては、そのぶん仕事
が増えるので、会社のもうけにつながる仕事に割く時間が減ります。
だから売上が下がります

もし、みんなが頑張っているのにもうからないなら、それは社長の
戦略や人員の割り振りの仕方やお金の使い方が間違っている。つま
り社長が「仕事をしていない」

難しいのは、時間をかけずにお金を稼ぐことです

会社にとって優秀な人とは、利益の高い仕事を自分で創り出し、や
り遂げられる存在のこと。そういう人に、雑事を押しつけると、持
てる能力を十分に発揮できません

こんな人はいませんか。仕事の能力もやる気もないので職場のモラ
ールを悪化させている。けれども、一人で特定の仕事を抱え込んで
いるので外すに外せない……。縦割りって、絶対に避けなければなりません

会社が求める仕事ができない人、つまり器が合っていない人に対し、
それ以上の仕事を要求するほうが、実は冷たい社長です

「入り口の花を枯らさないように」と指示を出すのはいいのですが、
社長自身で水をあげることに夢中になると、会社はおかしな方向に
進んでいきます

機能は当たり前。その当り前の機能を組み合わせて、お客さんに説
明がいらない商品に昇華させていきます。そうすれば、利益は高まります

売値は、時期や告知方法、ネット店舗か実店舗で売るのか、ブラン
ド力があるのかなど、いろいろな要素で決まります。中でも一番大
きいのはなんといってもブランド力です

売上を立てるのは営業力、利益を出すのは見積もり力

督促しても支払わない場合は、その時点で商品・サービスの供給を
止めること

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『バカ社長論』山田咲道・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532260051
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◆目次◆

プロローグ
第一章 「時は金なり」がわからない社長
第二章 社員が働く会社、サボる会社
第三章 ヒット商品の恐怖
第四章 お金をもうける算数・初級編
第五章 もうける社長は、こう考える
あとがき

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