2008年5月28日

『コンサルティングの基本』神川貴実彦・著

【コンサルティングの仕事がわかる!】
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本日の一冊は、戦略、IT、人事、財務など全ファームを俯瞰し、コンサルティング会社の実態と仕事内容、問題解決の手法、ファームでの採用・出世のプロセスなどを明らかにした、ありそうでなかった一冊。

著者の神川貴実彦さんは、ボストン・コンサルティング・グループを経て、コンサルティング業界専門の人材紹介会社を経営する方で、コンサルティングファームに関するさまざまな情報を押さえている人物です。

どのプロジェクトの裏にどのコンサルティングファームが存在していたのか、という内容も興味深いところですが、一番バリューが高いのは、今後コンサルティング、研修などのビジネスでどの分野にチャンスがあるのかを知ることができる、という点でしょう。

これからコンサルティングビジネス、研修ビジネスに参入しようとする人には、必読の一冊だと思います。

ビジネスパーソンの能力開発に使える、という類の本ではありませんが、読むことにより、コンサルタントの問題解決手法を概観し、CRMやSCM、PMO、SHRMなどといったビジネス用語も理解できる、という点で重宝する一冊です。

コンサルティング業界に就職・転職を考えている方、コンサルティングビジネスを立ち上げたい方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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コンサルティング営業のコンサルティングは”商品を売るための付
随サービス”であり、経営コンサルティングは”コンサルティング
が商品そのもの”

◆クライアントがコンサルティングファームを使う理由 ※一部紹介
・一時的に特定分野の専門家を確保したい
・社員とコンサルタントが一緒に仕事をすることで、クライアント
 企業の社員は多大な教育効果
・ベストプラクティスをベンチマーキングすることによって短期間
 で高い成果

わざわざ細かくランクづけされているのは、職位のみならずランク
によってもコンサルタントがクライアントに請求する時間単価(ひ
いてはコンサルタント自身の報酬)が違うため

実力に応じて時期は前後しますが、一般的には2~4年程度でアナ
リストはコンサルタントへと昇進していきます。アナリストからコ
ンサルタントへの昇進率は比較的高く、7~9割程度は遅かれ早か
れ昇進できるといわれています

業務・ITコンサルティングは「製品の供給プロセスを効率(IT)
化して運転資本を20%削減」「製品開発のプロセスを見直して開発
期間を60%に短縮」「Webを活用することで顧客企業へのプロモーシ
ョン方法・価格設定を再構築する」といった、より現場に近いオペ
レーションの改革を支援すること

業界別に見ると、業績が好調な自動車業界や2010年問題(2010年前後に多くの薬品の特許期間が切れる)を抱えている製薬業界向けのプロジェクトが活況です

シンクタンクと聞くと、「経済調査をしている」という印象を持た
れる人が多いと思いますが、経済調査の売上構成比は高くありません

ビジネスプロデュースタイプのコンサルティングが増加している

CRMを効果的に実現しているAmazon.comでは、訪問客の購買客への転換率が一般的な水準の数倍と高くなっています。つまり、うまくCRMを行なうことができれば、CRMへの投資は非常によい投資になることがわかります

組織開発のなかでもリーダーシップ開発は旬なテーマ

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『コンサルティングの基本』神川貴実彦・著
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◆目次◆

はじめに
第1章 コンサルティング業界の基礎知識
第2章 各コンサルティングファーム・領域の解説
第3章 戦略/業務&ITコンサルティングプロジェクト
第4章 組織人事/内部統制/M&A/その他コンサルティングプロジェクト
第5章 コンサルティング業界に就職・転職するノウハウ
おわりに

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