2008年2月18日

『美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか?』林 總・著

【ベストセラー会計書に待望の続編】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478003912


本日の一冊は、27万部突破のベストセラー会計書、『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』の待望の続編。

※参考:『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447847088X/

今回のテーマはERPと企業の会計システム、ということで、前作
と比べると若干硬い内容ですが、経営者として会社全体の会計システムをどうするか、業務をどうするか、広い視野が得られる一冊です。

著者いわく、「経営者は鳥の目、虫の目、魚の目を持たなくてはいけない」とのことですが、まさにおっしゃる通り。

本書では、これらの視点を実現するために必要な会計データとは何か、主人公の由紀と謎のコンサルタント安曇のストーリーを通して理解できるように工夫されています。

経営者の方の話を聞いていると、多かれ少なかれ、みなさんIT導
入に失敗したり、金のことで部下に裏切られたりしていますが、そ
うしたことが起こらないようにぜひ読んでおきたい一冊です。

前作よりはパンチが弱いですし、単なる経営上の心構えで終わって
しまっているところもありますが、経営者や各部署の責任を明確に
し、それぞれの役割にを自覚させた点は注目すべきだと思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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会社が拡大する過程で、年商30億円の壁、100億円の壁という「試練」
が待ち構えている。会社の規模が小さいうちは、社長と数人の経営
幹部で経営はできる。しかし、100億円を超えると、個人の力だけで
は会社を統制できなくなる。そこで、『システム』によって組織を
運営することが必要になる

コンピュータシステムが成功するかどうかの鍵は、ERPパッケー
ジでもなければ、SI会社でもない。大切なことは、経営者が、経
営に必要な情報を明確に定義できるかどうかだ

君の仕事は、その知識を利益に変え、利益をキャッシュに変えることだ

◆経営者の視点
鳥の目:高く、広く、大づかみに、会社を俯瞰する
虫の目:細かな情報をきちんと見る
魚の目:流れの先がどこへ行くのかを読む目。変化や異常点に目を
こらして、ものを見る目

システムがあれば、実務経験が乏しい人であっても平均点以上の成果を出せる

欲しい情報は、アラカルトのように、特注しなくては手に入らない

ERPパッケージの特長は、相互に連動した業務システムで生成さ
れる業務データを自動的に会計データに変換し、データベースにプ
ールし、そこから会計データを取り出して決算書や管理会計情報を
作成することです。したがって、会計情報から会計データ、そして
業務データへの遡及が可能になります

コストの80%は、価値を生まない80%の活動に使われている

◆製品分析で売れ筋と利益率を見極める
<中間60%>
「販売方法見直しグループ」「固執グループ」
「過剰仕様グループ」「シンデレラグループ」

美容院の利益が少ない理由は、売上げに直結しないムダな時間の多さにある

経営者の責任はキャッシュフロー責任です。売上責任ではありません

営業部門の基本責任は貢献利益責任と回収責任と在庫管理です

製造部の基本責任は品質、コスト、納期についての責任

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『美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか?』林 總・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478003912
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◆目次◆

はじめに
プロローグ 動かないコンピュータの責任は誰に?
第1章 コンピュータは、なぜゴミ製造機になってしまったのか?
第2章 経営者は鳥に、虫に、魚になれ
第3章 パリの町はなぜ美しいのか?
第4章 すべては20対80の法則に支配される
第5章 美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか?
第6章 カーナビゲータは、手放せない
第7章 匂いは、元から断て
第8章 足がしびれたままでは、立ち上がれない
第9章 シンプルほど美しい
終 章 祝杯
用語解説

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